写真の二人

写真の二人

澤 祐典
00:00 | 00:00
昨日、10年以上前の写真を見返していたら、20代の自分や当時の友だちの顔と再会することになりました。

「このあと、いろいろあるんだよな」と未来を知っている立場として眺めてみると、どの写真も油断して無邪気に笑っているのが、なんだか切なくも感じられます。

でも、人はいつだって、先のことなんか知らないまま、こうして笑っているんですよね。「先のことはわからない」、これが人生の前提条件なのですが、それはなんだか素敵で切ないもんだなあと感じたのでした。

* * *

写真のぼくらは いつだってそう
先になにがあるか 知らないままに
笑ってるんだよ 油断してさ
たとえば 辛い別れが待っているとしても

携帯電話の履歴から きみの名前が消えたなら
きっとぼくは 後ろめたさも
いっしょに 消してしまえるとさえ思っていた

きみを思い出すから
写真なんて とっとかなきゃいいのに
どうしてだろう ああ
二人の笑顔が いまだに
そばにあるように思えて 捨てられない

なにを謝ればいい? なにを償えばいいの
こんな 離れた場所で

なにを伝えたらいい? なにを届けたらいいの
ねぇ……

どうしても消えない 胸に残るあのひと

記事を読んでくださって、ありがとうございます。 いただいたサポートは、ミルクやおむつなど、赤ちゃんの子育てに使わせていただきます。 気に入っていただけたら、❤️マークも押していただけたら、とっても励みになります。コメント、引用も大歓迎です :-)