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もやい展@金沢21世紀美術館、終了!

もやい展@金沢21世紀美術館、大成功で終えました。朝日毎日読売、北陸中日新聞に北國新聞、地元各テレビ局、NHK、日テレまで、様々なメディアでも紹介され、素晴らしい展覧会でした。見に来てくださった方、クラウドファンディング等で支援してくださった方、応援メッセージをくれた方、ボランティアの皆さん、関わってくれた全ての方、気にかけてくれた方、ありがとうございました。搬入時のボランティアスタッフは77人、搬出時も見たところ30人近い方々が手伝ってくれました。指示を出す立場は最初は戸惑ったけれど、途中からはもう任せるだけでOKで、本当に助かりました。「14人+」というけれど、本当にその「+」の力が大きく、みんなで作り上げた展示となりました。

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2017年3月、初めて中筋純さんと会った時にもやい展の構想を聞き、その年の7月に開催された小林憲明さん、加賀谷雅道さんらとの最初のもやい展では、いつか自分もこの輪に加われたらなと考えていました。そして9月、本当に声をかけていただき、半信半疑ながら制作を始め、2018年を過ぎてからは全精力をもやい展にかけて制作を続けました。

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ファインアート系の作品群と比較して、イラストレーションや絵本はどうしてもスケール的に見劣りすると感じていたけれど、自分に与えられた空間をしっかりと自分色に染め上げ、結果的に遜色のないものを生み出せたと思います。自分としてはいくつか空間演出的に反省点はあれど、胸を張っていい出来だったと自負しています。

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2500人に迫ろうかという来場者の中には、やはり福島県からの自主、強制避難者の方もたくさんいたようです。感想ノートに言葉を残してくれたり、故郷の話をする人も多くいました。自主、強制問わず、避難者の方々からヒシヒシと感じたのは、東京五輪に向けた異常な復興ムードの中で、言いたいことが言えなくなっている現状でした。「復興の邪魔」と言わんばかりのヘイトが、特にネット上には散見され、テレビなどの大手メディアでは無視され、まだ現在進行形なのに、風化への道を辿る一方だと僕は感じています。そんな状況下で、僕らの作品を通じて、心に溜め込んでいた感情が一気に爆発する人が数多くいたように思います。1人だけでなく14人も作家がいることで、人それぞれ琴線に触れるものが違い、打ちのめされてボロボロ泣きながら僕のブースに来て「ホッとした」と話す人、逆に僕のブースに来て「絵の方がきます」といって涙が止まらなくなる人、いろんな人がいました。もやい展だからこその多様性、だからこその懐の深さが、来場者を包んだのだと思います。

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個人的には、2日目の早い時間にやってきた二本松から自主避難されたお母さんにとても感動しました。僕の絵本「楽園」を気に入ってくださり、サインを求められました。畏れ多いと思いながらサインをしていると、「実は二本松から自主避難していて…」そう話しながら泣き崩れてしまいました。その様子を見て、もらい泣きというには余りにもボロボロと僕が泣いてしまい(笑)、ウッキーさんにダキシメルオモイをさせてしまう事態にw この瞬間は、福島を描いてきてよかったと本気で思ったし、本当に報われた瞬間でした。その後、そのお母さんはインスタグラムで僕のアカウントを見つけ、息子さんが僕の絵本を持った写真とともにメッセージを送ってきてくれました。

震災時2歳だった息子さんは、今はもう震災のことは何も憶えていません。避難してきたことさえ憶えてないけど、僕の絵本を読み聞かせて、原発事故のこと、自主避難したことを話しました、と。

このエピソードだけで、僕がもやい展に出展した価値はあったと言い切れます。これからも描き続けていく勇気をもらえました。

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最終的に、物販では売り切れが続出、僕が売り上げ1位となりました。様々なグッズを持ち込んでいたとはいえ、これは大きな自信になりました。絵本の追加注文も40冊以上入っていて、これからしばらくは製本地獄となりそうです。弱気なことを言わず、最初から自費出版しておけばよかったと思ったし、商業出版がうまくいかなかった出版社に対しては、見返してやったという思いが強いです。

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今は完全に脱力していますが、また頭を切り替えて描いていかなくてはと思います。浪江では更地がどんどん増えていて、拙速な避難指示解除や補償の打ち切りなども相次いでいます。もやい展でお客さんから受け取ったたくさんのバトンを、自分なりの表現でより多くの人々に伝えていきたい、そう強く思います。

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出展者の皆さん、設営ボランティアの皆さん、物販を手伝ってくれた金沢大学の2人、来場者の皆さん、もやい展事務局の皆さん、主催の中筋さんと家族の皆さん、本当にありがとうございました!

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