5 出会ったひとたちはこの瞬間も元気でいるだろうか
2019/7/5 ヘルシンキ、エスポー
朝8時半に目覚めた。朝食を作っていると、先に起きていたリーが話しかけてきた。
「ヘルシンキはどう?良い写真は撮れてる?」
「どうだろう。ヘルシンキって、自分が思っていたより都会の街だったね」
そう返事をすると、だったらバスで1時間ほどのポルボーへ行ってみたらと提案される。
「ポルボーはいいところよ。自然がいっぱいで。そのかわり夜になると真っ暗で、昼間もほとんど人が歩いていないけど」
いくら良いところでも、ひとの姿がないのはちと寂しい。考えておくよ、と答えた。
*
お昼前に宿のあるエスポーからヘルシンキへ移動した。最初はランチを食べようと、Moko Marketへ行くことにした。中心部から離れた郊外にあるインテリアショップで、カフェが併設している。ランチが10ユーロ以下で食べられるらしく、行ってみようとメモしておいたのだ。
電車とトラムを乗り継いで、12時半ごろ店内に到着。最初に家具や雑貨のフロアがあり、その奥がカフェとなっている。
メニューが黒板に書いてあるのだが、残念ながら表記はフィンランド語のみ。他のお客さんを観察しているとカウンターで注文をして、最初に会計をするらしい。50代くらいの恰幅のいいおばさんがいたので、「ランチを食べたいんだけど…」と話しかけてみた。
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