『の日の日』
僕の店『発酵さぎょう』お隣の店舗はコーヒー店であった。
爽やかなご店主が、毎日美味しいコーヒーでこの街の憩いを提供している。
その店頭には10月1日は【国際コーヒーの日】と掲示されている。
ん?待てよ。
10月1日が日本酒の日
10月1日がコーヒーの日
これは困ったことになった。
もしもだ。
コーヒー派と日本酒派が、ひょんなことから対立を深めたとする。
そうなれば、否が応にも10月1日生まれの僕が和解交渉の席に立つだろう。
きっと僕はお土産(たぶん白松がモナカ)片手に『まぁ、どうか10月1日同士、お手やわらかに』とヘラヘラするしかないのだ。
何せ10月1日は、メガネの日、醤油の日、ネクタイの日、食物繊維の日など、ざっと52(の日)が加盟するものすごい日。
平和のための交渉にミスは許されない。
考えたらそんなに『の日』があるのに、なぜ『の日の日』がないのか?
(きっと365日全部『の日の日』だからだろう)
いずれにせよ、いざこざがない様に、くれぐれもお隣とは仲良くさせて頂かねばなるまい。
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