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青い部屋

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熊本の天草市本渡に新たにオープンした「本屋と活版印刷所の屋根裏」にて月イチ写真展を開催しています。その展示後記の様なものです。
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写真展「琅玕の森」を終えて

写真展「琅玕の森」を終えて

2021年5月19日〜5月26日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「琅玕の森」について振り返る。

今回の展示タイトルは「琅玕の森(ろうかんの森)である。琅玕とは新緑の色を表す言葉で、和の色の名称のひとつだ。桜が咲く少し前から、地元の山道が大掛かりな工事となっていた。迂回路として案内された更に険しい道を知ったことで森林を撮るようになった。

丁度、熊本県独自の「まん延

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写真展「花泥棒」を終えて

写真展「花泥棒」を終えて

2021年4月21日〜4月28日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「花泥棒」について振り返る。

3月頭からずっと民宿仕事が続いているので日々あたふたしているが、毎月の写真展の日はすぐにやってくる。今回は花の写真のみで構成した。花は昔から撮ってしまう存在のひとつだ。ここ最近は更に撮るようになっている。

前日の搬入もシンプルな展示なのですぐに終わった。気づけばこの屋根

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写真展「彼岸のもの」を終えて

写真展「彼岸のもの」を終えて

2021年3月24日〜3月31日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「彼岸のもの」について振り返る。

今回は前日の夜から搬入作業を開始した。仕事が終わってからすぐに屋根裏へ向かったのだが、朝からずっと不思議な高揚感の中にいて浮き足立ち、落ち着かない。早く展示したくて堪らない。第3回の写真展「図鑑」の時のように展示用のコンパネを縦に打ち付けることから始めた。

今回、展

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番外編 写真展 「点滅の島」を終えて 後編

番外編 写真展 「点滅の島」を終えて 後編

今回は2021年2月22日〜3月7日の期間に福岡市天神のギャラリー「アートスペース 貘」(以降、貘)にて開催した錦戸俊康写真展「点滅の島」を振り返る。

深夜まで続いた川での飲みが終わり、徒歩にて宿に戻る。午前2時19分に宿の近くで、その夜最後の写真を撮ったようだ。そのまま部屋で眠ったものの午前6時52分に目覚めてすぐの一枚を撮っている。酩酊状態の時刻とその時の眼前がわかるのはなんだかんだ助かって

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番外編 写真展 「点滅の島」を終えて 前編

番外編 写真展 「点滅の島」を終えて 前編

今回は2021年2月22日〜3月7日の期間に福岡市天神のギャラリー「アートスペース 貘」(以降、貘)にて開催した錦戸俊康写真展「点滅の島」を振り返る。

振り返るといっても開催前日の搬入と初日のみの在廊だったので本当に短い滞在だった。その分、とても濃密な時間を過ごすことができたので余さず思い返したい。

2月21日15時45分発の天草エアラインにて福岡空港へ。つい先程まで当時からの友人と会っていた

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写真展「眼前/集積」を終えて

写真展「眼前/集積」を終えて

2021年2月17日〜2月24日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「眼前/集積」について振り返る。

今回も前日に搬入する。大量のL判写真をペタペタと壁面に貼り続ける搬入となった。展示した写真はここ一年くらいの写真を選別し、ひたすらプリントしたもの達だ。搬入日に撮ったこちらの写真も帰宅しプリントして初日に展示することにした。

それにしても沢山貼ったものだ。450枚く

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写真展「海岸線」を終えて

写真展「海岸線」を終えて

2021年1月20日〜1月27日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「海岸線」について振り返る。

今回は熊本県独自の緊急事態宣言が発令され、普段は午前10時から寝るまで(0時頃)のオープンとなっている「本屋と活版印刷所の屋根裏」も20時に閉店となる。展示の前日に搬入を開始。今回も自作の壁面を使っての展示だ。

搬入時にフィルムカメラを下げて登場した青年ナリスエくん。2

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写真展「隣人愛」を終えて

写真展「隣人愛」を終えて

2020年12月23日〜12月30日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「隣人愛」について振り返る。

今回の展示は私として初のポートレートのみの展示にした。かしこまった場面でなく、たまたま居合わせたりした時に撮影したものがほとんどだ。天草に帰ってくる前までは人物写真作品を発表したことはなく、そもそも人を撮っていなかった。
昔から人と話したり、何かを一緒にやることは好き

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写真展「ご近所論」を終えて

写真展「ご近所論」を終えて

2020年11月18日〜11月25日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「ご近所論」について振り返る。

今回も展示日の前日に搬入に取り掛かる。毎回、本屋と活版印刷所の屋根裏・店主ダイスケさんが店の入り口に次回展予告のお知らせを出してくださるのだが、この額縁を撮影することが毎度毎度の楽しみになっている。

前回の展示が月の頭だったので、あっという間に「ご近所論」の展示が

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写真展「日々の気配」を終えて

写真展「日々の気配」を終えて

2020年10月21日〜11月4日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「日々の気配」について振り返る。

今回の展示は天草に住む陶芸家・木ユウコ(しげゆうこ)さんからの撮影依頼が始まりだった。依頼内容は岡山にて開催する木さんの個展に合わせて写真冊子を作りたいとのことで、何日かにかけて上天草市大矢野にある木さんの工房へ通い制作風景を撮影させてもらう。元々、お互いの家族同士

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写真展「図鑑」を終えて

写真展「図鑑」を終えて

2020年9月23日〜30日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「図鑑」について振り返る。

今回は自身の展示では、ほとんどやったことのない方法で展示をすることにした。虫ピンでプリントを壁面にそのまま貼る。いつも額装して横並びに展示することしかしていなかったのでプリントに直接ピンを突き刺すのは久しぶりだ。

展示搬入で大活躍した虫ピンを真っ直ぐ刺すことができる器具「ピン

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写真展「当然」を終えて

写真展「当然」を終えて



2020年8月19日〜26日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「当然」について振り返る。

今年の夏は、私が管理経営している「農家民宿 錦戸」の営業を当面の間だが止めることにした。理由は基本的に私ひとりで営業しているので、蔓延する感染症への十分な対策をとることが厳しいことが主な要因だ。一刻も早い収束を祈るばかりである。宿仕事を閉めてはいるのだが、何かと慌ただしかっ

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写真展 「点滅」を終えて

写真展 「点滅」を終えて



2020年6月22日に天草市本渡にオープンした「本屋と活版印刷所の屋根裏」という場所で私、錦戸俊康の写真展「点滅」を開催させていただいた。まずはお店の紹介から始めさせていただく。こちらのお店は『古書店+喫茶店+ギャラリー』とどれも私の趣向と心臓に直球で深く突き刺さる内容の組み合わせなのである。

「本屋と活版印刷所の屋根裏」の店主は6年前に埼玉県所沢市より奥さまと移住された美術家の森本大祐さん

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