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『週休3日部活』について私が考えること

※この記事の内容はどなたかを批判するものではありません
※世間の流行に対して私の考えの位置を示すためのものです

⓪「才能の塊」の先輩

「質より量」
というか
「量こそ質」というのが私の根幹にある。

「圧倒的な量」が才能を凌駕する様をこの25年間でたくさん見てきた。
もともと偏差値の低かった人が継続的な積み上げで逆転合格したり。
実力が認められなかった選手が淡々とハードワークを続けて見事スタメンになったり。

私が尊敬していた先輩は、全体練習後にすぐ帰る人だった。自主練するところなんてほとんど見たことがない。

「才能っていいなあ。努力しなくてもいいんだもんなぁ。」とか思ってた。

けど、

そんな先輩は、私が到着するよりも先に朝練をし、私が到着するよりも先に体育館を出ていた。全体練習後、家に帰るのではなくて、違う体育館で練習していたのだった。

①”ホワイト部活”の台頭

近頃、週休3日部活が注目されている。練習で拘束される時間が少ないことから”ホワイト部活”と呼ばれることもある。

非常に面白い取り組みであるように思う。1つの物事に縛らず、「余白」が生まれることになるから。

もっとたくさんのスポーツができるようになるだろう。
もっと十分な時間の自宅学習の時間が生まれるだろう。

私が学生時代の部活はほぼ休みの無かったから、旅行にいく「余白」すらなかった。家族旅行だったり、バスケ以外の経験をする学生時代も経験してみたかったなと思う。



※ここから先は、
「週休3日」を実施してもなお「勝利」を求めたい
と考える場合について語る※

「週休3日で全国大会!」といった見出しを見たことがある。「全国大会に出場しているチームがやってるから正しい!」「てことは週休3日=勝てる!」と解釈する可能性もあるが、"前提“を押さえるべきだと私は思う。

「週休3日にしてもなお全国大会出場できるチーム」の”前提”とは何か。

結論から言うと、
「週休3日でも圧倒的な練習をこなしている」
だ。

「???」が頭に浮かぶだろう。「週3回休むなら練習できなくね?」と思うので説明したい。

私の知り合いにも、週休3日制をしているバスケットボールクラブがある。

その子たちの“3日間“は何に使われるか。「バスケに関すること」なのである。自主練や筋トレといったもの以外に、YouTubeで試合をみること、X(旧Twitter)で情報収集すること、本を読んで知識を増やすこと、疲労管理のためのストレッチだったりする。

「与えられた自由時間を、バスケのために自由に使う」。あくまで優先順位の上位にバスケが来る

休みである3日でさえも、体を動かす・動かさないに関わらず、結局バスケのために使っているのだ。プロの試合を観にいったり。

チームの全体練習は大体2時間から3時間のチームがほとんど。自主練で1時間だとすると、コートでの練習は大体4時間弱になる。逆に、それ以外の時間は20時間もある。その20時間を「バスケのために使うか」「それ以外に使うか」は雲泥の差になる。

全体練習が週3日休みでも、優先順位の上位にバスケが来る子達は、その「余白」を有効活用する。

「週休2日」という制度の効果を最大化しているのは、その制度そのものではなく、

①そもそも選手たちの主体性・思考力がめちゃくちゃ高い
②チームとして、選手に主体性・思考力を育むアプローチをしている

いずれか、または両方の要素を持ち合わせているからである。

③週休3日を導入するなら

「週休3日」という制度自体は賛成派である。
疲労管理もできるし、燃え尽き症候群を未然に防ぐことにも繋がる。学習時間も確保できるし、家族旅行にも行ける。

ただ、前提がある。

その制度を導入するなら、先ほどの②にあたる、

『チームとして、選手に主体性・思考力を育むアプローチをしている』

がセットになるべきなのだ。オフを増やすなら、そのオフを有効活用できるor有効活用したくなる"仕掛け"を作るべき。(勝ちたいなら、の話)

私が知っている”ホワイト部活”でも勝てるチームの取り組み方として、


①練習メニューを選手たち自身で決めさせる
②ミーティングの数を増加
③スポーツノートを作らせる(例えば、バスケノート)

などが挙げられる。

それらによって得たいのは、「自己課題解決能力」である。

自分の『理想』と『現実』の間にあるギャップ(課題)を認識し、それを解決するために思考、行動する力である


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冒頭で持論を述べたが、結局、「圧倒的な量」は「質」を生み出す。

ここでいう量とは「練習」。「練習」は全体練習だけではない。自主練やストレッチ、なんなら本を読むこと、動画をみること、バスケ関係者と話をすることだって練習である。バスケ繋がるのならば、それは「練習」なのだ。「バスケに繋げる」という意識があるという点が重要だ。

話を戻すが、「全国大会に出るチームが週休2日だから、うちも週休2日にしよう!」と一直線の思考をすると危うい。シンプルに練習量が下がるだけである。(まあ、ハードな練習ばかりやってるチームだと疲労管理が適切になってパフォーマンス上がるかもだけど)

結局、制度云々よりも「バスケが好き」「バスケが上手くなりたい」という心が大事なわけで。全体練習以外の20時間をどう使うか。

そのきっかけ作り、仕組み作りが大事なんだろうなあ。

<追記>


これを指導者目線で考えると、めっちゃメリットがある。

そもそも、指導者の良し悪しの基準の1つに
「最小の時間で、最大の成果を出せる」というのがあると思う。

同じ成果を出すにしても、Aコーチだと半年かかるが、Bコーチなら1ヶ月しかかからないだとすれば、Bコーチに指導をお願いしたくなるはずだ。Bコーチに頼めば、半年あればもっと大きな成果を出してくれる可能性があるからだ。

週休2日にした場合、全体練習の時間は減るから、「短い時間で成果を出す」といことが強制的に指導者に求められる。

「不足が工夫を生む」なので、指導者に“工夫“が要求される。それこそが指導力の向上に繋がると思う。

まあ、成果を出すのは少し難易度が上がるかもしれないが、指導者というキャリアにおいてもちろんメリットがあることは忘れてはいけない。

…そんなことを25歳の若造が書いてます。自戒です。悪しからず。

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