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WHYのイノベーション

このマガジンのお題は「オープン朝礼」で、
時折、パートナー経営者の方々にも公開している経営者コラムのようなものを挟んでいます。

(この記事は、2023年12月25日に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えて公開しています)


WHYのイノベーション


ビジネスで、革新的な発想で新しい変化をもたらすことを「イノベーション」と言ったりします。

イノベーションには、提唱者によっていくつかの分類のしかたがありまして、

破壊的イノベーションと持続的イノベーション
オープンイノベーションとクローズドイノベーション
シュンペーターの5種類のイノベーション

などが有名です。


さて僕の場合、イノベーションには

WHAT のイノベーション
HOW のイノベーション
WHY のイノベーション
 

があると考えます。


WHATのイノベーションとは、

「ビジネスで、今まで誰もやっていなかったものをやる」

新しい価値の提供のこと。


HOWのイノベーションとは、

「ビジネスで、今まで誰もやっていなかったやり方でやる」

革新的な手法のこと。


そしてWHYのイノベーションとは、

「ビジネスで、今まで誰もやっていなかった理由でやる」

新しい社会課題に取り組むことです。



僕がリスペクトしている「CRISP SALAD WORKS」というサラダのブランドがあります。

社長は同年代で顔見知りでもあり、ブランドが立ち上がった時期もほぼ同じなんですが、
CRISPとF&Pがやっているのは、両者ともに「WHATのイノベーション」だと思います。


CRISPは、日本に「主食としてのサラダ」を提唱した第一人者だと思いますし、
F&Pは、日本で「スムージー」文化の草分けをやっているリーダー役です。

両者は、「WHAT のイノベーション」では共通しています。


ただし、そこから先の本質で決定的に違うのは、

CRISPは「HOW のイノベーション」を標榜しているのに対して、
F&Pは「WHY のイノベーション」に傾倒している点ではないかと思います。


CRISPは、データドリブン、DX、熱狂的なファンを作るホスピタリティに注力し、
あくまで「飲食店」に強いアイデンティティを持ちながら、その常識をひっくり返す「コネクテッド・レストラン」をコンセプトとして掲げています。

これは、「飲食店をそれまでとは違う革新的な方法でやる」という、
「HOWのイノベーション」です。


いっぽうF&Pは、「なんでこれをやるのか」をストイックに突き詰めたブランドだと思います。

「なぜやるのか?」を言語化したら、本が1冊書けてしまったほどです。


たとえば、事業をやる理由としての
「フードロスを解決する」も「飢餓をなくす」も、社会共通認識の課題なので、

「そうだそうだ!そりゃ解決できたほうがいい!」となります。

これは、同調であってイノベーションではないです。


いっぽう、F&Pの掲げる「食意識を上げる」やコーポレートビジョンになっている「すべての人が、自ら健康のために行動する世界をつくる」は、

まだあまり世間の多くの人が課題として感じていないので、
「やる理由」自体を革新的に提案していくことに等しい。

「みんな、ここに課題があるんだ!気づけ!」というかんじです。

これは、「WHY のイノベーション」です。


サイモン・シネックの「Golden Circle」では、企業のビジョンやミッション、存在理由を表すものとして、

「WHY」が最も中心の核に位置し、その外に「HOW」、「WHAT」があるという概念を提唱しています。

サイモン・シネックによる「Golden Circle」の概念図


この「WHY」が強固で明確であるほど、企業はステークホルダーとのつながりを深め、持続的な成功の鍵になるとシネックは説いています。


「WHYのイノベーション」は、「やる理由」が世の中で顕在化していないために、受け入れられづらいシーンもあるのですが、
社会的意義のポテンシャルは最も大きくなると思っています。


F&Pの「WHY」は、明確で強固なものになっているので、
それが核になって大きな求心力を生むことができるはずです。

メンバー、パートナー、ファンの共感が集まれば、企業やブランドの存在意義は合理性や正当性を増し、
コーポレートビジョン「すべての人が、自ら健康のために行動する世界をつくる」、やがてその願いは叶うと信じています。


みなさま、よいクリスマスをお過ごしください🤶


(この記事は、2023年12月25日に発信された内容をもとに編集を加えて公開しています)


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