心拍確認するも、8週3日だった赤ちゃんの命

胎嚢が確認できて1週間が経ち、いよいよ心拍確認の日がきた。
成長が早ければ、小さな胎芽とともに心拍も確認できるらしく、見えなかった場合でも卵黄嚢が確認されるだけでもよいと言われていた。

多分、普通は心拍確認の段階が1番緊張するのだろうが、私にとっては先週胎嚢が見えたことが自信となり、なんとなく、あとは順調に行けるような気がしていた。
そして診察室に呼ばれ、この日はクールビューティK先生。
高鳴る私の心臓を見透かしているかのような素早い手さばきで、内診するやいなや、

心拍みえてるよ〜順調だね!」と。

エコーにチカチカ光る小さな心拍が初めて確認できた!
これが赤ちゃんの心臓か。
見えるか見えないか、小さな灯火のような光がチカチカと見えた。
感動にひたるのも束の間、
「次回は1週間後ね〜。もっとしっかり見えるようになるよ。」
とあっさり内診終了。
この辺りもクール。
でも、私は知ってるよ。K先生がとっても優しくて患者さん思いだってこと。

卵子と精子が出会い(医療の力を借りたけど)、子宮に頑張って根を張って、心臓を形成して、赤ちゃんになるまでの過程、これは神さまの仕業としか思えない。

そして、心拍が確認できれば流産の可能性がぐっと減り5%くらいまで下がるのだから、ここまでくればきっと大丈夫、さすがに神さまもこれ以上私に試練は与えないだろう、
なんてこの時はそんな風に思っていたけれど。

そして1週間後の診察で力強い心拍が確認でき、更に大きく成長した胎芽と胎嚢を確認することができた。
「来週は卒業だね」
とポジティブM先生。
私もいよいよ卒業の日を迎えるのかと嬉しい反面、全く実感が湧いてこない。

そしてこの頃から激しい悪阻に襲われ、食事が思うようにとれなくなり、精神的にも不安定な時期が続くように。

そして本来なら卒業を迎えるはずだった8週3日目。
前日から、どうしようもない不安に襲われ、今までになく負の感情に支配されていた。
診察にさえ行きたくないと思うほど。今思えば胸騒ぎだったのかもしれない。

結果、赤ちゃんの心臓停止。

正直、この時のことはあまりよく覚えていないけど、ただ、エコーには動かなくなった2cm弱の胎芽(赤ちゃん)と、先週よりさらに大きくなった胎嚢がはっきり見えていたことだけは鮮明に覚えている。

#不妊治療 #繋留流産 #着床障害 #橋本病

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