見出し画像

面白半分

ハーフアンドハーフといえばピザ。異なるメニューを半分ずつ食べられるお得なピザの頼みかただ。しかしこの言葉を辞書であたると、二つの材料を同量ずつ合わせてつくる飲み物とある。が、いずれにしても文字どおり、半分、半分ということ。                          

一方、面白半分。冗談半分。話半分。これらは、半分といいながら半分ではない。「半ば」の意味のひとつである「ほとんど」の意味合いが強くなる。
ほとんど面白がっている。ほとんど冗談。ほとんど話を信じていない。というような使われかたをする。
たとえば、Aさんが冗談半分でこう言ったとする。
「Bさんの言うことは、話半分できいておいたほうがいいよ」
この場合、Aさんは、「これは悪口じゃありませんよ」と笑顔で伏線をはりながら「Bさんの話はそうそう信じてはいけませんよ」
こうなると助言のように見せかけた、悪口。見方をかえれば、悪口のようにみせかけた助言ともいえる。悪口と助言のハーフアンドハーフなのだろうか……。いや悪口が6か7で、助言4か3ぐらいで、悪口っぽい。
こんな助言とも悪口ともとれるような話になったら、ハハハと笑いつつ、あなたの言うことも、話半分で聞いときます。わたしは胸のなかペロっと舌をだす。

でもしかし。逆の場合もある。
叱責されたり、嫌味を言われて、落ち込んでいるときにかけられる、
「Bさんの言うことは、話半分にきいとけばいいよ」
こういうときはだんぜん助言的要素が優位となり、言葉をかけてくれたAさんを拝みたくなる。
 
面白半分。これは子どもの時代には戒めの言葉であった。たとえば理科の実験をおもしろ可笑しく、ときにはふざけながらやっていると、「面白半分でやるな!」とお叱りの言葉が飛んできたものだ。
だというのに、大人になると、面白半分、いや面白がれる人がなんだかとても、魅力的に見えたりする。
  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?