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「日本一心を揺るがす"社説"」を読んで

「日本講演新聞」という全国紙があります。
人生が前向きになる「講演記事」を載せている新聞です。
感動的な社説も評判で書籍化されていたので、今回読んでみました。

「たった1600文字でここまで心が揺さぶられることがあるのか!」
というぐらい、人生に寄り添い励ましてくれる物語がギュッと凝縮されています。

何十編もの社説が収められていますが、その中でも「山の郵便配達」のエピソードにグッと来ました。

中国の山間部で何十年も郵便配達を続けた配達員のおじさんの話です。
おじさんは目の見えないおばあさんに、都会で働く息子からの手紙を代読してあげます。都会の多忙な生活のせいか、母の体を案じる息子さんの手紙の文章は、いつも定型文を用いていたようです。
また同じ文面か、と落胆するおばあさんに、おじさんは自分の言葉で息子さんの気持ちを代弁し言葉を紡ぎます。空白になっている文章を優しい想像で埋めていくのです。

私は、中国の広大な山間の部落で、息子さんに代わっておばあさんに手紙の文面を考える郵便配達員のおじさんの気持ちを考えてみました。すごく気遣いが必要だったと思います。同時に、計り知れない優しさもそこにはありました。
厳しい大自然の中で、雨の日も雪の日も何年にも渡って手紙を届け続けたおじさん。懸命に仕事を全うするおじさんの姿を想像すると、自然と涙が出てきました。

この話は映画化されているそうなので、機会があったら見てみたいです。

また、この本の最後の方に紹介されている「仕事とは雪かきである」という言葉にも非常に感銘を受けました。

どういう事かと言うと、雪かきは誰かがやらないといけない仕事で、やったからといって必ずしも毎回賞賛されるとは限りません。でも、確実に世の中の役に立っています。
世の中のほとんどの仕事も、この雪かきのようなものだと哲学者・内田樹氏は言います。

なるほど、確かにそうだと思いました。幸い、このnoteブログは毎回たくさんのいいねを頂き本当にありがたく思っていますが、今までやってきた仕事や仕事以外の趣味に関することでも、人から賞賛を浴びた経験というのは振り返ってみてもあまりありません。

だからこそ頑張らなくては、とも思いますが一方で、それでもやり続けなくてはいけないとも思います。
雪は降り続けている。誰かがやらなくてはいけない。文化的な雪かきを。

文章を書くことで世の中のお役に少しでも立てるなら、正に本望です。
これからも、微力ながら雪かきのような文章を、人生という道を少しでも気楽に歩いていけるように書き連ねていきたいです。




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