見出し画像

短くて短かった秋

秋は果たして日本に残存しているのか。そんなことを思いながら、秋と呼ばれていた月を過ごした。
こんにちはこんばんは、おはよう、アキです。

皆さんは、今年の秋を見つけることができましたか。
暑い残夏が続いたと思ったら一気に冷え込み、たまに暑い日が出てくる。
そんな今年の9、10、11月。あっという間に寒くなり、気づいたらグラコロの季節に。
せっかく買った黄色いカーディガンも出番はなく、押入れの風景の一部になっている。
私は秋が一番好きな季節である。夏という大きな試練を乗り越え、少し肌寒くなり、嫌だった暑さが無いことになんとなく寂しさを覚えながら、落ち葉を踏む。
家に帰り少し寒い部屋の中で、コーヒーを飲みながらいつの間にかオブジェになりかけていた本を少しずつ読む。

そんな秋を想像していたのに、、、

一気に寒くなったことで、半袖から一気に厚めのアウターに移行。日によっては暖房を稼働。昨年掛け布団を処分してまだ代わりを買っていなかったため、毛布にくるまりながら小さくなって寝る私。焼き芋が冬に食べるおでんくらい暖かさが身に染みたり。思った以上に秋は、我々が気づかない速度で通り過ぎ去っていった。(果たして通っていたのかも謎である)
辛うじて寒くなったことに気づいていない紅葉たちを見ることができたのが救いだった。
秋がなかったからなのか、関連性は謎だが私の周りの友達3組がほとんど同じ時期に破局した。秋はもともと別れの季節なのだろうか。恋愛に疎い私は、この変な奇跡にとても驚いた。クリスマスという一段と愛情が燃え上がると思われるイベントを目の前にして、別れる方を選ぶという人が私の数少ない人間関係の周りに3組もいたのだ。これは秋がなかったことに因果関係があるのでは無いかと考えている。
(急に冷え込んで、相手に対する気持ちも冷え込んだ、ということなのか)どなたか統計を取って、私に教えてほしい。おそらくこれは私が第一発見者であろう。

ここまで秋が少ない(無い)と今後の日本がすごくつまらなくなりそうである。日本は2季なるという話が出るくらいなのだ。もしそうなったとしたら、夏と冬の変わり目にほとんどの人が体調を崩すだろう。入学式は半袖だし、紅葉狩りはヒートテック、ネックウォーマー、手袋フル装備である。プールの授業は前期常設だろうし、運動会は灼熱か極寒のどちらかでの開催を強いられるだろう。そうなったら、エアリズムのような素材が体操着として正式に認められたり、騎馬戦の取り合う帽子がモコモコの毛糸のものになったりするかもしれない。
それはそれで興味深いかもしれないが、個人的にやはり四季は必要である。
切り替えがうまくできない人間にとって、春、秋という過酷な季節に立ち向かうための準備期間が必要なのである。

そしてやっぱり一番は、買ったカーディガンを着たかった。これに尽きる。

来年こそは理想的な秋を過ごせることを願っているし、カーディガンは早いうちに着ておく。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?