孤独の光(抒情詩)
木々の孤独は夕暮れの
妖しく風の立ち騒ぐ
梢が揺れて怪物の
木陰を闇に溶かすこと
月の孤独は新月も
巡り続けるこの星の
夜明け見つめる唯一つ
瞳の朝を知らぬこと
鳥の孤独は夜明け前
鋭く叫ぶ鳴き声の
届かぬ声の哀しみは
父母(ててはは)鳥の懐へ
二度と還れはしないこと
人の孤独はそれぞれの
孤独の檻は見えもせず
どんなに近く思えても
父母(ててはは)去った今更に
決して分かりはしないこと
(そして言葉は孤独になった)
繋げようとせず
伝えようとせず
唯 虚空を見上げ
深く青い井戸の底より
見上げた春月へ
虚空に輝く一つへ憧れて
消えた光の声を聴き
訪れた光の思いを尊び
過ぎた時より
到る時までの
遥かな時を貫く
金の針と触れる時
孤独の言葉は
それぞれを繋ぐ
金の糸となり
孤独の星と星を結ぶ
新たな星座が現れる
孤独の光を
尽きることなく
語り続けるもの
我らもまたそのように
今の物語が続いていく