眠剤を卒業したい
目が覚める。
耳の奥で祖母の声がこだまする。
いぐ寝だがぁ
なんのこっちゃと思うだろう。
これは私の地元の方言で、「よく寝れた?」という意味だ。
風邪をひいて学校を休んだ時。
遊んでいる内に寝てしまった時。
祖母の家に泊まった時。
数えきれないくらいなんどもされた質問。
◇◇◇
前にも書いたことがあるけれど、私は小さい頃からずっと、寝つきが悪い。
小さい頃はよく「運動不足だ」と言われていたけれど、中高で運動部に入り、へろへろに疲れていても寝られなかったから、そういう体質なんだと思う。
以前のnoteには書かなかったけれど、私はPMS治療のために通っている心療内科で、眠剤を処方してもらっている。
特に生理前に寝つけなくなることが多いからと始まった処方だったけれど、結局のところ普段から眠剤を飲むようになった。
最初に試した何種類かは、寝すぎたり、効かなかったりして、2回くらい変えてようやく体質に合うものに出会った。
それ以来ずっと、かれこれ1年くらいだろうか、眠剤を飲んでいる。
◇◇◇
先日、珍しく眠剤を飲まないでも自然に寝ついていた。
飲まずに寝ようと思ったというより、気づいたら寝ていて、気づいたら起きていた感じだ。
どうして寝られたのか明確な理由はわからないけれど、疲れていたとかストレスが溜まっていたとか、その辺だと思う。
そうして自然に目が覚めたら、それはもう気持ち良くて。
頭の中で祖母の声が響いた。
いぐ寝だがぁ
―うん、寝た
よく寝たよ
ああ、よく寝るって、こんな感じだったなあ。
眠剤で眠れるようになったと思っていたけれど、違うのかもなあ…。
そう思うと同時に、1つの疑問が頭をもたげた。
私は、一生、眠剤を飲むの?
眠剤があれば、多分これからも、規則正しい生活を送れる。
それは、眠剤が無かったら寝られないという不安の裏返しだ。
もう眠剤が無いと寝つけなくて明日の予定に支障が出るんじゃないかと不安になるくらい、生活に溶け込んでいる。
それってどうなんだろう…?
飲み続ければその分、病院に通うのも手間や、お金も掛かる。
そもそも春には引っ越しをするから、新しい病院を探さないといけない。
今の病院はPMSの相談をする内に流れで処方してくれるようになったけれど、他の病院ではどうなんだろう…?
1からまた相談するの…?
そんなごちゃごちゃとした考えを経て、「眠剤を卒業したい」と思うようになった。
眠剤を飲み続けるメリットより、デメリットの方が上回った気がした。
ひとまず、次の通院で相談してみよう。
最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。