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『下りのなかで 上りを生きる』鎌田實

人生において色々あるのは仕方ないし、全部良いことだらけで行きたいけれど、悪いこともやっぱりどうしても多くある。

その中でどう考え、どう行くかを身に付けておくと「強く、しなやかに」行けると思います。

p37 失敗の先には成功があるはず。失敗という下る道を生きながら、その先に必ず成功という上りを生きる夢を捨てないこと、希望を捨てないことが大事なのだ。希望は楽観力からうまれてくる。

アスリートを選ぶときも、指導者になることも、その後フリーで活動するときも大抵付きまとってくるのが「感情」。様々に起きてくる外部要因よりももっとも曲者で、手ごわいのもこの「自分の感情」だと思います。

p46 人間が生きるためには3つのつながりがどうしても必要。人と人、人と自然、体と心のつながりが大切。下りを生きる時は特にこの3つが大事なのだ。

この3つめ、身体と心が案外置いてきぼりにされているのが現代の風潮だと思います。

この部分を連結させ、上手く動かしていくことがアスリートを指導する上でも重要ですが、「極限状態」を知った上で多くの方々に知見やノウハウを提供できると考えています。

p120 人間には、生き続けるための物語が必要だ。人間が生きる場には、すべて、アートっぽい物語があるといい。人生が少しおしゃれになる。
 ぼく達のなかに潜在している力はまだまだいろいろ、あるはずだ。
 鈍感では自分達の持っている潜在能力を見すごしてしまう。感性を豊かにしておきたい。

このnoteもそうですが、日記などをつけて「自分物語」の断片を付けて行くのをお勧めします。また、多くの方が紡いでいる「物語」をnoteを始め、書籍やSNSで閲覧するのも非常に楽しいことだと思います。

もちろん、体現という意味ではスポーツもすごく有意義だと思います。確かに何も「生産」はしませんが、人生において不可欠なものの一つだと考えます。

p167 不確実な世界のなかで、どう生きるか。現実から逃げてはダメ。見えないモノを見えるように努力する必要がある。
 神経質になるすぎず、でもできるだけ慎重に。

本著全部に共感する訳ではありませんし、著者の意見は尊重しますが、同意しかねる部分も多々あります。

しかし、著者の意見を捉えるのではなく、その根底にある「言いたいこと」には共感する部分が多くあります。これもその一つ。

あくまで引用で抜粋していますので、正確にはこの前後の文章も大事です。ですが、本質的なものはここにあると思います。

「見えるもの」が他人には全然「見えない」と言われることもあると思います。アスリートをやっていた時も、その指導に当たる時もその連続です。そこで「伝える」ことに興味を強く持ち、今に至ります。

p194 生きるということは悲しみの連続だ。人は「悲しむ」心の葛藤を通して、耐える力や悩む力や、相手を思いやる力を育てる。悲しい時には悲しんでいていいのだ。

これは「悔しさ」や「不安」も当てはまりますね。出来ればあんまり味わいたくもない感情のような気がしますが、それが次へのエネルギー源になったり、学習の糧になるから不思議です。

あまりに感情を抑え込んだり、鈍麻させないことが大事なんでしょうね。

p240 突破する力って「強い」イメージがするけど、本当は優しそうな顔をして、体をやわらかくして、スルッとすりぬける技も必要なんだ。憎まない生き方もやわらかな生き方だ。これが「不可能」を「可能」にするのだ。

力任せに突き抜ける「突破力」も一つの方法でしょうけど、他にも手があることを知っておくと便利ですね。

「智慧」で行き詰っても、身体を鍛えたり、動作/操作性を高めて乗り越える手もあります。

専門家はそういった多くの「手」や「策」を取り備えているのも特徴です。

本著を参考に、少しでも良い行き方が出来れば良いですね。



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