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海外でビジネスをするには・・・④信用ありきの社員の不正防止

おはようございます。

1月から、自分の経験や体験を通じて感じた「日本の会社は、こうやれば、もう少し海外ビジネスをうまくできる」を書き始めました。
前回は、「優秀な人材が自律的に行動する自走式組織を創るにはどうすれば良いか?」について書きました。
今日は、「自走式組織で社員が暴走しないようにするためには?」、なかでも社員の不正防止について書いていきたいと思います。

自分の会社のルール、全て理解していますか?

上司の多くは、部下が「勝手」に判断して「勝手」に行動するのを怖がる。
自走式組織にすると、部下はなおさら「勝手」に動き、上司は更に怖がる。
なので、上司はそんな部下の「勝手」を制限するためにルールを作る。
でも、ある日、部下の一人がそのルールを破ってしまう。
そうすると、上司はそれに対応しようとしてルールを一つ増やす。
そんなことを続けていると瞬く間に社内にルールが溢れていく。
気付いた時には社内は誰も理解も把握もしていないルールだらけになる。
皆さんの会社どうでしょうか?
自分の会社のルール、すべて理解できていますか?

ひとにぎりの者の誤った行動のために、大多数を罰するようなことはしてはならない。

リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー著『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』日本経済新聞出版

経営者と社員の信頼関係が大切であること、そして、経営者と社員の信頼関係は経営者が社員を信用することから始まること、そんなことを以前に受講したビジネス関係の講義で学んだことを思い出します。
経営者は、あくまでも大多数の社員のモラルを信用したうえでルール作りをすべきです。決して一握りの例外的な「馬鹿者」にいちいち対応するためのルール作りはしてはならないのです。
さもなければ、誰も理解も把握もしていない無数且つ無用のルールに囲まれてしまいます。

経営者は自らの姿勢を正す

経営者自らのモラルは社員のやる気に直結します。

経営者のモラルは社員のモラールに大きく影響する。

塚越寛著『新訂 いい会社をつくりましょう』サンクチュアリ出版

では、経営者が自らの姿勢を正すとは、具体的にはどうすれば良いでしょうか?

「会社のお金で大変なご馳走するより、社長が自分のポケットマネーで赤ちょうちんの一杯飲み屋で安物の酒と焼鳥を振舞う方がはるかに大切。お金の出どころを社員はよく分かっているから。」

https://www.yoshida-tax.jp/nagamori.html

経営者が肝に銘じておかなければならないことの1つに、公私を混同してはいけないことがあります。

https://taki4tbm.hatenablog.com/entry/2021/01/04/220819

私自身は、この永守重信氏の「公私を混同してはいけない」を実践しようと、私自身の交際費予算をゼロにしました。
「交際費ってグレーゾーンなので、不正が発生し易いし不正を疑われ易くもある、ならばゼロにして真っ白にしよう。」
そう考えてやってみました。
結果、結構身銭を切ることとなりましたが、会社を良くするための投資として納得しています。

社員の不正を見逃した自分が悪い

そもそも、社員の不正を完璧に防げるのでしょうか?
多分、完璧は無理なんだと思います。
完璧を目指し頑張りすぎると、上述のように無数且つ無用のルールを作り出すことになります。
では、どうすべきなのでしょうか?

話は変わりますが、皆さんは裏金ってどう作られるのかご存知でしょうか?
こちらに裏金の作り方の仕組みが以下の通りに紹介されています;

  • 取引先の口座に多めに振り込み、現金で返金させる

  • 顧客に多めに振り込ませて、返金と称して仲間の口座に振り込む

  • 旅費を水増しするカラ出張

  • 金券を購入して費用計上した後に現金化する

  • 業者から商品を買ったと偽装して業者に現金を預ける

何れも、お金の流れは、会社から一旦お金が出てから、その全部又は一部がキックバックされる、ということに気付きます。
そこで、私は、会社から出るお金=支出を全てチェックすることにしました。
永守重信氏の「領収書を全部見る経営」の実践です。

明日から全部伝票を見る経営をやれ。君が見るんだ。君が、全部、見ろ。

川勝宣昭著『日本電産永守重信社長からのファクス42枚』プレジテント社

疑問を持った支出については、会計責任者を通じて都度確認しました。
これで、社員に「いつも見られている」緊張感を持ってもらい、所謂「不正のトライアングル」の「機会」喪失に繋がればと期待しました。
そのうえで、「もし社員の不正があったならば、その不正を見逃した自分が悪い」と考え、無数且つ無用のルールを作らないように戒めていました。

ただ、当然ながら、ルールをゼロにすることはできません。
会社全体の方向性を一つにするためには、分かり易い方針や明確なルールが必要です。
それらは、経営計画書として書き記し、社員全員と共有していました。
では、経営計画書はどのように作成すれば良いのか?
これについては次回書こうと思います。

ということで、今回、私が言いたかったことをギュッと要約すると;

  • 一握りの例外的な「馬鹿者」のためのルール作りはしてはならないこと

  • 経営者自らが姿勢を正すこと

  • 経営者が伝票を全て見ること

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