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撮り続けること。

写真展『卒業論文』を終えて

前回の展示から約1年とちょっと経ったこの春に、2回目の写真展を開催しました。

「学生のうちにもう一回やりたいね」と話していたから、学生最後に実現できてよかったな。

今回、準備を進めていく中で、前回の展示がどれほど何も考えずにやっていたのかが、本当によく分かりました。撮って印刷してとりあえず貼ればなんとかなるでしょ!と考えてたあの頃、恥ずかしい。。
それでも、前回の展示は、あの時にやるということに意味があったと思っているから、それはそれでいいのです。

今回も展示に来てくれた後輩がくれた写真


今回の展示コンセプトは「卒業論文」
自分自身を研究対象に、これまでの学生生活で撮ってきた写真について振り返り、今後の写真との関わりについて考察する。

大学で約1年かけて書き終えた卒業論文を、なんとも忙しい大学4年生の春休みに2ヶ月もない期間で、一から書こう!と意気込んだあの頃の私たちを、準備期間中、何度恨んだことでしょうか。
(でも、そんなしんどさを半分こできるのが2人展の良さだね。)

前回の写真展『エンドロール』は、”世界最期の日”という設定上の写真で、いわゆる一つのフィクションでした。
しかし、今回の展示コンセプトは、これまでの自分自身。自分そのものをさらけ出さなければ、全く意味がない。

そこが、前回と今回の、大きな違いだったように思います。

だからこそ、一つも嘘をつきたくなくて、卒論を書くのも、写真を選ぶのも、想像以上に時間がかかりました。
Instagramを遡り、何十とあるLINEアルバムを開き、ネガやパソコンを引っ張り出して、さらにはLINEや手紙も見返し始め…

嬉しかったこと楽しかったことももちろんあれば、蓋を開けるのが怖いこともあって、

しんどいなあ
寝ちゃおっ

と携帯を放り投げて眠った夜ばかりを思い出します。(それでも、走り続けていた私にとって、すごく良い機会だったなと今は思うよ。)

嘘はなく、でも“変化”はちゃんと見て分かるようにしたくて、今回は展示方法も色々と工夫してみました。

キャプション付きパネル
大変すぎて愛着が湧いてます。
可愛いと言ってもらえたネガ風フォトフレーム
実はIKEAです。

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2日間で、本当にたくさんの方が足を運んでくれました。ありがとうございます。

みんなが感想を書いてくれた付箋、嬉しい。

1日目は、前回の反省も踏まえて搬入の時間に余裕を持たせたつもりが、全く余裕なんてものはなく…またもバタバタとopenを迎えてしまいました。(社会人になったら、ちゃんと前日搬入しましょう。)

また、手の空いた時間にミニ卒業論文の製本をしようと考えていたら、ありがたいことに忙しくさせていただき、製本できずにお渡しすることに。。
1日目にお渡しした方、良ければホッチキスで留めておいてください。笑

2日目は、穏やかな朝だったので、少しレイアウトを変えてみたり。

2日目にやっと綺麗になったテーブル

今回は、前回よりもゆったりと話す時間を作れたかな?
見に来てくれた方々と、いろんな話をすることができました。

不特定多数の人が見られるSNSで、文字として伝わるのではなく、自分の口で、自分の写真の前だからこそ話せることがたくさんありました。


届くべき人にだけ、まっすぐ届く安心感。


一人一人、撮る理由も撮らない理由も違うけれど、“写真が好き”という部分は同じ人たちと、

「写真、撮り続けましょうね」
と言い合えたことが嬉しかったです。

いろんな人といろんな話をする中で、1人では見つけられなかった、たくさんのヒントをもらえました。“現在の写真の在り方”のその先に続く、まっさらな壁が見えた瞬間があります。

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「写真が遠いな」

と感じるようになった時から、ぼんやりと考えるようになった

”私はこれからどのように写真と関わっていくのだろうか?”

に対する答えが、この写真展を通して見つかればいいななんて、ほんのわずかな希望だけを持って書き始めた卒業論文。

“少し遠いなと思って、それでもなお「撮り続けたい」と思ったら、一旦立ち止まって振り返ってみる。これからも、その繰り返しかもしれない。”

第4章 まとめより一部抜粋

これが、卒業論文を書き進める中で、寄り道したり進んだ道を戻ったりしながらも、なんとか1人で辿り着いた、今の私の答えです。

第4章 まとめ

“この先も写真を撮り続けているだろう”
という思いは、正直写真展を終えた今もまだ無くて。

だけど、次にまた、遠いなと感じたときには、
きっとこの2日間で「撮り続けましょうね」と言い合った人たちの顔が浮かぶと思います。

私含め、写真を撮り続ける理由の一つにそれがあればいい。

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本文には書けなかったけれど、(コンセプトと少しズレるかなと思って。)
これまでの写真を振り返っている中で、「撮りたかったけど撮れなかった瞬間」も多くあることに気づきました。

実際に写真として残っていなかったとしても、そこに「撮りたい」という思いがあったという事実は、私にとって大切な瞬間がたくさんあったということだと思います。

そんな瞬間も、大事にしたい。

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最後のお客さんを送り出した後、
2人でゆっくり展示を見て回りました。

写真一枚一枚はただの写真なのに、そこにはちゃんと選んだ理由があって、背景があって。

「いい写真展だなあ」

と純粋に思いました。
そう思える空間を作れて良かった。

搬出後、大量の荷物とともに

今回の写真展では、いろんなことを考えて、感じて、そしていろんなことを思い出しました。

1人で初めて写真展に足を運んだ時、何も分からず緊張していた高校生の私を、ギャラリーの皆さんはとてもあたたかく迎えてくれました。

いつのまにか緊張はなくなっていて、
そこから私は、写真展に行くことが好きになりました。

きっと、足を運んでくれた方の中には、展示に初めて来た方、1人で勇気を出して来てくれた方も居たのではないでしょうか。


だから、見に来てくれた方が

「楽しかった」
「来て良かった」

と純粋に言ってくれるのが、私はとっても嬉しいです。

本当に、ありがとうございました。

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「最近どうですか?写真撮ってますか?」

と言い合える機会を
またいつか、作れたらいいなと思います。

その時は、写真を見ながら、お茶を飲みながら、いろんな話をしましょう。

みなさんの話、ぜひ聞かせてください。

(卒業論文、ぜひ良ければ読んでみてね。)


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