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それでも季節

病院の出入口
マットに
大きな落ち葉 
   小さな落ち葉
それぞれ角が  欠けていて
見入っていると
マスクに
キンモクセイの香り
ふと

落ち葉を連れてきてくれた患者さんと
キンモクセイを庭に持つご近所さんが
きっといる

そういえば、ここに来るとき
そんなことに気がつくことがあっただろうか
はっ  と
息を吸えば
消毒ポンプ押しながら 
口元がゆるむ
そして一瞬
振り返った
まだあのころの
十月某日






最後まで読んでくださり多謝申し上げます。貴方のひとみは一万ヴォルト。