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[新版]古文〈文法編〉スタディサプリ 感想


対象読者

学校でスタディサプリを使っていて、古文の文法を学習したいけれど、どれを見ればいいのかわからない、これから古文を勉強していくけれど、どれを使えばいか分からない、スタディサプリの古文の講座がどのような講座なのか知りたい、今回はそういった方々が対象の記事です。

講座内容

中学生レベルの古文の内容(歴史的仮名づかいなど)から扱う完全初学者向けの講座で、受験で必要なレベルの古文文法の知識を一通り学ぶ講座です。
授業は、基本事項の説明→(例題)→入試問題の順番で進んでいきます。例題は、知識や考え方を確認しやすいシンプルな問題で、入試問題は実際に出された難関私大や国立の問題になっています。一部を挙げると、青学、明治、中央、立教の問題が多く早稲田や関学、山口などもちらほらあります。
授業では文法だけでなく、長文中での文法の活かし方、単語解説も一部含まれています。

長所

*暗記の工夫
授業では、できるだけ暗記を減らすために、またスムーズに暗記していくために、理屈や語源を大事にしながら、前の授業内容との繋がり、他の科目との繋がりなどを教えてくれます。単元内での横の繋がり、科目を超えた横の繋がりを示してくれ、覚え方のコツも示してくださるので、暗記量が多くなりませんし、全体の中での共通性も見えやすくなっています。

*問題解説が生徒目線
問題の説明をする時は、教えた知識(受講生が知っている知識)の中で教えてくださるので、はじめて聞いたぞ!なんだこれ!とはならないです。補足として後で扱う内容を学ぶと楽に解ける、違った解き方をできることに言及しながらも、今持ってる知識で解けるように説明してくださいます。
いざ進んだら「前の問題で言っていたのは」と軽く振り返りもしてくださるるので、問題の見え方の幅も広げることもできます。

*知識の使い方の説明が詳しい
その知識がどう問われることがお多いのか、いつ、どのように使うのかまで教えてくださるので実践的な知識になりやすいです。読解でどう文法が活きるのかについても説明があります。
参考書では書きにくい、本音やどうしても苦手な人向けの戦い方なども教えてくれます。

*思考プロセスが丁寧
問題を初見で見た状態から丁寧に説明していくので、思考プロセスが丁寧です。ただ、その分工夫しないと板書が雑多になってしまいます。先生の板書をそのまま移すと後でわけが分からなくなるので、工夫しておいた方がいいです。
※工夫の仕方については上手に利用するためにの所で

*授業中の声かけ
映像授業として意識したら作りなのか、集中がきれないように呼びかけたり、知識をアウトプットさせるように声かけをする場面が多いです。それゆえ、自然と能動的に受けられるよう配慮されています。
一部あげると、わかる人は先に書いていってくださいねー、〜の識別どこ見るんだった?、復習ねー書いてから黒板見てねーなどです。このおかげで映像授業でも集中しやすく、知識を定着させやくすなっています。

*大事な所はとことん強調
大事な所は、絶対に押さえといて!覚えて!気をつけてくださいね!と何度も何度も繰り返して仰りますし、問題のたびに繰り返してくださるので重要ポイントがわかりやすいです。しっかりメモをとってください。

文法を学習するならこの講座か、矢澤のたった6時間で古典文法しかないと言いたくなるほどのいい講座です。
古文を勉強する方には是非受講して欲しい講座です。
(矢澤のたった6時間で古典文法の良さについて説明していくと、それだけで記事が書けるぐらい長くなってしまうのでまた次の機会で)

ただ、受験生の方に見てもらえれば分かると思うのですが、たった6時間の方は内容がかなり薄く、識別や、識別した後の各用法の判別の仕方も結構抜けています。古文の学習が進んでいない人向けに言うと大岩の超基礎文法編なようなもので、根本的に内容が抜けています。受験ではこれだけだと歯が立たないので、受験で古文を使う人は他の参考書や授業を使ったり、調べたりして自分で補強していくことが前提になります。
特に見た目で判断できるものが結構抜けているのが痛いです。

感想

スタディサプリの文法の講座には様々な物がありますが、この高一高2の文法が一番オススメです。高三向けの物と違って完全な初学者向けで中学生で習う内容からはじめるので、現状どんなレベルでも取り組むことができます。
ベーシックがあるじゃないか!と言われるかもしれませんが、ベーシックは講座が数分毎に細切れになっていて、講座数が多くなってしまっていて見切るのが大変になってしまっているので、高1,2の講座の方がオススメです。ただ、身につく内容はベーシックと変わらないので、多さが気にならない人や学校のペースに合わせて丁寧に学習していきたい方などはベーシックでもいいと思います。ベーシックはベーシックで、あらかじめ例文が書かれているので、いちいみメモらなくてもいいという良さはあります。

覚え方のコツなどは他科目にも応用できることなので、是非実戦してみてください。受けてみると暗記の仕方が磨かれていくのを実感できると思います。

学校で一度学んだ人も受講すると横の繋がりや、見分け方、使い方が学べ一気に知識が整理されて実践的な知識に昇華されると思います。

新版と旧版の違い

新版と旧版は授業自体はまるまる同じで、違う点はテキストについている問題数です。新版になって自習用の物がかなり増えています。かなり量があるので、市販で別途購入する必要が無い程です。
ただ、ずっと同じテキストでしていると飽きてくる気持ちや、勉強が進んでいないように感じてしまう気持ちもわかるので、そのままテキストについている問題を解き続けるのではなく、ここからはじめるに取り組んで頂いたほうが気持ちの面でいいと思います。
※詳細は上手に利用するためにの所で

上手に利用するために

*知識の抜けに気づいたらもどる
講座を取り組んでいる中でわからなくなったり、抜けに気づいたりしたら、わかる所まで、抜けてる所の該当事項まで戻りましょう。
問題の解説も前の内容がある程度入っていることが前提になっているので、抜けがあるままだと説明が理解できなくなってしまいます。

*声かけをされたら自力で一度考える・書く
授業中に覚えてるかな?復習だよ?分かってる人は先に書いてねーと言われた時に、ただ聞き流すだけでなく自分でも考えたり、実際に書いてみてください。せっかく能動的に授業を受けやすい作りになっているのですから積極的に考えましょう。ここで自分にどれだけ負荷をかけるかが、定着に影響してきます。
知識の定着はどれだけ知識を引き出したかにかかっています。

*テキストに書いてないことはメモル
テキストに書いていない具体例や、知識の使用場面や使い方を挙げることが多いので、メモっておくことをオススメです。もし自分でいちいちメモルのが面倒くさいという方は、例文だけでもあらかじめ書いてあるベーシックレベルの方がいいです。
例文を使って説明する時、見てるだけでいいですよと仰られますが、見返しやすさがかなり変わるのでメモル事をお勧めします。

*自力で解く
東進や学研プライムの授業などは演習時間が取られますが、この講座は解いてから先に行ってくださいの後別で時間が設けられるわけではないので、止めないとそのまま授業が進んでしまいます。知識は引き出す時に定着していくので、頭にしまいやすくするためにも自力で一度解いてから続きを書くようにしてください。
知識を紹介した後それに関連する問題を解く形なのでそこまで負荷が大きいわけでもないです。自力で一度は解きましょう。

*メモの仕方の工夫
思考過程が長い物や複数通りで解くものも多くただ書いていくだけだと、後で見返した時に何を書いているか分かりにくくなってしまいます。そのため先生の説明を矢印で繋いでいき辿りやすくしておくことがおススメです。複数通りで解くものはペンの色を変えて①,②とふったり(a),(b)などを書いておくと、どっちがどっちの時の説明なのか混乱せず復習しやすいです。
※  前の方で後で書きますといった内容です。

*ここからはじめると合わせて取り組む

ここからはじめると平行させて取り組むのがおすすめです。ここからはじめるの方が要点が整理されているので内容を覚えておきやすいです。ここからはじめるで説明されていていて講座(同じ場所)で説明されていないことや、逆に講座で説明されていてここからはじめるで説明されていないこともありますが、それらは互いに補完しあってください。
もしかしたら、だったらここからはじめるだけでいいじゃないか!と思われるかもしれませんが、授業の方が圧倒的に理屈について話されていますし、授業でするしつこい強調も参考書では出にくいので、理解しやすさ、頭の残りやすさが参考書とは全然違います。
単独ではなく確認のために併せて取り組むのがオススメです。

受験生の参考になれば幸いです。


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