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中小企業・ベンチャー企業によくある組織・人事の課題と、対策・取り組み方の例

中小企業・ベンチャー企業の経営層・人事の方々らとお話する中で、
頻繁に話題となる組織・人事課題があります。私との話題になる=少なからず問題解決を意図されています。しかし、「そもそもそれらが解決すべき/できる課題と捉えていない経営者らも一定数いる」との、私にとっては意外な事実も耳にします。せっかくの経営・事業・組織・社員らが、課題の受け止め方という小さな違いで少なからぬダメージを受けていることは、大きな損失だと感じていました。
そこでこの記事では、そういった課題と、当方にコンサルティングをご依頼頂いた場合の問題解決パターンについてまとめます。(初掲載から1ヶ月経過しないうちに1200文字以上追記しました。そのため、一旦ご覧頂いた後も時間を空けてから再度ご覧頂くと新たな発見があるかもしれません)

この記事は以下のような方にお薦めです。
「自社での〇〇という課題(或いはそれに近い課題)の場合は、
 どのような対策となるのか、概要を把握したい」
「問題はあるが、きちんと特定して言語化できていない。
 こういった状態で依頼した場合の進め方を理解したい」

ではまず課題と対策例から書いていきます。

【採用系の課題】

 「良い人が採用できない」

→よくある原因は以下2つです。
A:採用体制が不十分
B:青い鳥症候群=採用力(知名度・企業ブランド・募集ポジションの魅力等)に見合わない、高い採用基準を設定している。

Aには単に担当者が何名か、といった人員のみならず、そもそもの採用戦略・人事戦略不足等も含みます。
そのため、順を追って採用体制を整えていきましょう。
まず事業インパクトへ最大限に貢献しつつ、最小限の人員・コストとなる採用戦略を各社毎に見極めます。ここから始めて、採用を効果的に進めるために必要な、関連する人事機能(評価制度等)と共に立ち上げを支援します。

「応募者の面接日程調整」といった、一見ただの事務作業で誰が行っても採用実績にあまり差が出ないような業務ですら、単に「早くやる」以外に、結果に影響する様々なノウハウが存在します。スピードは意識しつつ、これらを踏まえて個々の工程をきちんと設計していくことが肝要です。

Bならば採用基準を引き下げ採用できる範囲で採用し、担当分野の縮小などで補完していく、が現実的な解決策です。それを受け入れられない場合は、以下3つが主な解決策になります。
B-1:社員ではなく業務委託で優秀な方々へ依頼すること
B-2:採用力を高めるような人事制度改定
B-3:”捨てる要素と引き算”を見極めた、適切なペルソナ・ターゲット設計

B-1について。
「採用力が不十分な状態のため採用基準には満たない人材」ではあるものの「当面の業務は最低限任せられそうだからと採用した人材」が、
ビジネスが成長して業務が高度になった際はもちろん、
それ以前の時期においても十分な成果を出せず本人も周囲も不幸
は人事ポジションに限らず様々な職種でよくある事態です。
しかし、起こる前提で対策しておけば、回避できる事態でもあります。

こういった事態に備えて、雇用契約に固執せず
業務委託契約にて十分な業務品質を担保できる人材を迅速に揃えるほうが、採用力が高い状態≒ビジネスが成長した状態をいち早く実現する等のために、遥かに賢明な選択の一つです。もちろん、「採用力はあるものの、巡り合わせ等の問題で適切な人材を採用・入社するまで時間がかかる場合に、社員入社までの期間の業務を担当してもらい”空白期間”を最小限にしたい」という場合にも有効な選択です。社員よりも業務委託人材のほうが1時間単価は高い場合でも、この選択によるリターンがコストを上回ります。(そもそも、そういったビジネスモデルや事業運営で無ければ、スケールさせるどころか現状維持も厳しい場合が殆どのはずです)

このように、採用力が高まって採用基準を上回る人材を一定のスピードで採用できるようになるまで※、社員と業務委託人材を組み合わせたチームで当面の業務を遂行していきます。その前提で、事業戦略や組織構想等から当面の採用人数・スペック・採用経路等を特定することから開始します。以降も効果的かつ効率的な採用活動に近づくよう、ハンズオンで支援します。
もちろん、上記※となった後も業務量の変動や一定期間のみ必要な特定スキルが見込まれる場合に、業務委託等の活用が有効です。

B-2について。
採用力を高めよとうとして最もやりがちなことは、
「エージェント・採用募集媒体・リファラル活動を増やして、採用接点や応募者をとにかく増やそうとすること」です。既存のエージェントや媒体がごく少数の場合を除いて、以下2つの理由から残念ながらこの方法では採用力は殆ど高まりません。

1.会社や採用ポジションのそもそもの魅力が低いために、
 従来以上の母集団形成・応募者増加に繋がりづらいため
2.会社や採用ポジションのそもそもの魅力が低いために、
 母集団・応募者は増えても優秀な人材は応募しなかったりオファーを辞退したりするため

例えるならば「穴のあいたバケツ・小さなバケツで、海(採用サイト等)から水(応募者)を掬ってプール(選考ステップ)に貯めようとしている」状態です。これでは水は効率的には貯まりません。そこでバケツの穴を塞いだり大きなバケツに交換したりするように、人事制度を改定したり運用を変えたりして応募者・将来の社員候補視点での、「御社の魅力を本質的に高める施策」に重点を置くべきです。

「御社の魅力を本質的に高める施策」にはリモートワークやスーパーフレックス(コアタイムなしのフレックスタイム制)も含まれます。御社ではどのような状況でしょうか。優秀な人材ほど転職先の選択肢が多くなります。そして、転職先の決定打はしばしばこういった「柔軟な働き方の有無・多寡」となります。新型コロナウイルス感染状況が深刻化するほどこの傾向は高まりました。このように一度変わった価値観はすぐには元には戻りません。一旦そういった新たな価値観にフィットする施策を「いいね!」と感じたら、元の不自由・不便な状態には戻れないことは他の事象と共通しています。様々な転職者アンケートはもちろんのこと、個人の肌感覚としても同様の感触です。一方で、各社での対応・導入に差が開いている項目でもあります。故に他社との採用競争力の差別化を図りやすい項目です。

採用におけるその他の訴求項目の概要は以下です。いずれも差別化が困難です。そのため、「採用における競合他社と差別化しやすい項目」=「柔軟な働き方の有無・多寡」にこそ、採用力を改善する余地がまだまだ潜んでいます。
・ミッション/ビジョン/バリュー:これらへ共感する方(或いは少なくとも否定的ではない方)だけがそもそも応募するので、また、採用のために変える項目ではないので、採用上の施策にはなりえません。具体的な事例も含めてきちんと言語化して十分に発信することで、自社にフィットする人を集められる、といった効果はあります。
・年収:「全社業績や評価のさじ加減・上司との相性で大きく左右されること」や「一定額以上は仕事のモチベーションとなりづらいこと」を、優秀な方ほど理解しています。そのため、年収の高さは必要条件ではあっても十分条件ではありません。衛生要因としての性格から「自社の採用競合先の水準未満では採用に著しくマイナスになる要素」ではあります。
・働きがいや社風:各社が既に注力して一定水準以上にある場合が多い項目ですので、他社と差別化しづらい項目です。一方、口コミサイトのような客観情報と採用ページの主観情報とか最も乖離しやすい項目ではあります。
・スキルや経験が活きる、成長できる、企業の将来性等:これらも他社と具体的には差別化しづらい項目です。
(もちろん、御社がこれらの「どの会社も当然のように訴求している項目」について、応募者やエージェントへ訴求しきれていない場合は、訴求点と訴求方法を深めて訴求していかねばならないことは言うまでもありません)

「リモートワークやフレックスなんて当社には到底無理」、、、そんな声が聞こえてきそうです。導入していない企業が、特に準備・対策せずに導入した場合は、良い結果にならない可能性が高いです。そのため「きちんとした準備・対策」と「継続する根気」が必要になります。スポーツで新しいフォームを習得して成功するためにはきちんとした指導に基づく練習の積み重ねが必要なように、「全員が毎日オフィスへ出社という従来の働き方」から「リモート・フレックスのような新しい働き方」に移行することは容易くはないかもしれません。だからこそ、新しい働き方に適応できた会社は、その過程で脱落した会社が得られない成果を得ることができ差別化に繋がることは自明の理です。

こうして見てくると、「採用を本質的に改善することは、人事や経営を本質的に改善すること」だとお分かり頂けると思います。そのため、この点を理解頂いている方には、採用の改善であっても採用に加えて組織開発・人材開発・人事制度企画等にも対応できるコンサルタントへ依頼する価値もまた、お分かり頂けると思います。

B-3について。
B-1・B-2と期待できる効果と工数が共に必要な内容でしたので、最後にもう少し、軽量・迅速な解決策に言及しておきます。
「オールマイティでどの要素もとても優秀」のような理想的な、
しかし採用成功率が非常に低い人材ではなく、
適切なペルソナやターゲットを設定し直して、採用活動を仕切り直しましょう。というのも「人当たりが良くて、地頭力も企画経験もバッチリ。しかも若くて転職回数が少なくて希望年収もほどほど」といった、「そりゃあ大抵の会社ではすぐに内定を出したがるでしょう」といった人材を、
自社の採用力が高くはなくとも真剣に採用ターゲットに据えている結果、いつまでも採用できないケースがままあるためです。もちろん、見極めを慎重に行いたい場合等、応募者1人あたりの選考期間が長くなることは一概に否定するべきことではありません。

しかし、果たして採用に時間がかかってもそこまでの人材でなければそのポジションを任せられないかどうか、職務設計・ポジション設計から改めて検討し、
ペルソナやターゲットを少し修正するだけでも採用を改善できる場合があります。


【組織開発・組織マネジメント系の課題】

 「事業開発に時間が取られて、
  組織を強くする仕組みや仕掛けが不足しがち」

→事業と組織は各々がお互いを支える存在のため、本来ならば同じ優先順位で開発するべきです。しかし残念ながら事業開発は優先され、組織開発は後回しにされがちです。社内人事ではリソースや経験知が不足するのであれば、社外人事を活用すべき場面です。組織の問題の原因と対策は共に複数ある場合が多いため、
仮説構築→調査→集計・分析→対策立案・実施→効果測定を繰り返し、様々な切り口から組織を改善していきましょう。

 「属人的な業務進行のため組織全体の効率化や
  ノウハウ蓄積が不足している」・
 「組織間連携がうまく進んでいない」

指揮命令系統・業務フロー・マニュアルをまずはきちんと整備しましょう。この過程だけでも効率化・連携強化が進みます。一見シンプルなこの過程にも実は役立つノウハウが多々あります。そのため、ご依頼頂いた際には是非お伝えしていきたい内容です。
さらなる改善が必要な場合には上記3点を検証して課題抽出→対策、と実施していきます。多くの場合は、複数種類の仕組み化と運用を組み合わせることで、日々の業務からの改善や蓄積を徹底していきます。

 「適切な組織構造か不明:◯人の壁からの考察」

→考え方のご参考までに社員が一定数を超える前後でよく出現するとされる壁=組織課題3つを紹介します。社員数を軸として以下の組織課題を記載していますが、社員数とは関係なく御社組織で同様の問題が起きている際には同様に対処します。それぞれ、「課題→対策」の順に記載しています。

30人の壁=文鎮型組織(経営層以外は全員横並びで中間管理職無し。経営層が各社員を直接マネジメント)が限界を迎え、経営層が日々の業務遂行でのボトルネックになる現象です。また、経営層からのミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)の発信が増加した各社員へ行き届かず、MVVの浸透不足から御社で働く意味を十分に見いだせない社員が生まれ始めるのもこの頃です。20名を超えた頃から経営層の思い・声・目が行き届かなくなり始めるものの、なんとかそのまま頑張り続けてこの規模になっていよいよ本当の限界、というケースも多々あります。
そこで「経営層に依存した属人的な経営」から、「組織とルールに拠る組織的な経営」への第一歩を図る必要があります。そのために、MVVから「この場面では社長はこう意思決定するはず・するべき」と判断できる中間管理職を予め採用・育成しておき、経営層の意思決定や組織マネジメントの一部を任せる、といった対策を講じます。

50人の壁=経営層→中間管理職→メンバー、との3層構造において中間管理職が日々の業務遂行でのボトルネックになる現象です。
スパン・オブ・コントロール(1人の管理職が適切に直接マネジメントできる人数)は事務系職種では5~7人とされています。スパン・オブ・コントロール内となるように組織を分けたり、中間管理職を複数階層設置したり、中間管理職のマネジメント力への支援を増やしたりします。中間管理職のマネジメント力が十分な場合は起こらないため、30人の壁ほどには出現頻度が高くありません。一方で、一朝一夕には実現が難しい事柄のため、30人の壁を乗り越えたらすぐに対策を開始するべきです。

100人の壁=事業規模・社員数が大きくなり、日々の業務マネジメントは各分野で高度な専門性がある中間管理職へ任せ、経営層は全社マネジメントに集中する必要がある現象です。また、50人の壁が複雑化・深刻化して再来する場合や創業期からの古参社員の退職を指す場合もあります。
30人の壁同様に経営層の意識変革や、50人の壁対策を発展させて再度臨むことになります。

100人の壁の後は、組織毎の個別性がより高くなるため300人の壁や500人の壁といった形では定型化しづらくなります。つまり、各組織により相応しい問題解決方法を個別に模索する比重が高くなります。

組織構造・運営は、規模が拡大・縮小する場合のみならず、幹部社員の退職等でも直面する場合があります。事業を継続する限り、組織課題とは常に対峙する覚悟が必要だとご認識頂けましたら幸いです。


【人事制度系の課題】

 「現行の人事制度がうまく機能していない・
  新たに設計/導入したい制度がある」

→目的が十分に定義・共有されないままに導入された人事制度や、十分に設計して導入されても環境変化に対応しきれない人事制度はうまく機能しません。また、「既存制度の変更・改定や、流行っている制度の導入そのもの」が目的化してしまっている場合があります。手段と目的の逆転ですね。参考までに2020年から数年間の主なトレンドは以下です。
リモートワーク/テレワーク・ジョブ型人事制度・副業/複業/兼業
「どんな問題解決のための人事制度なのか」と「該当する人事制度を改定・導入したら意図した問題解決となるのか」を往復しながら深めることで、適切な制度改定・導入を実現します。

 「カッチリした人事制度はまだ不要だが、
  どのように準備をしていけば良いのかは
  イメージしておきたい」

→人事制度一式とそれによる各種経営インパクトを解説します。また、時間や労力はかかるものの、制度設計・運用時の貴重な基礎検討資料となる、
採用や評価等の経緯・判断理由等をきちんと資料化しておく運用体制の構築も支援可能です。


【人材開発・育成系の課題】

 「プレーヤーも不足しているが、
  マネージャー不足がより深刻」

→「OJTとしてマネージャー育成に良いと喧伝されている”修羅場”へ(しばしばサポート無しに)放り込んだり、
Off-JTとして高額なマネージャー研修を受講したりすれば、
『優秀なプレーヤー』があっという間に『優秀なマネージャー』に!」、、、
といった"促成栽培"の成功事例は残念ながら皆無です。人材育成も「急がば回れ」です。見込あるプレーヤーが優秀なマネージャーになる上での課題を特定しつつ、1on1でのコーチング・メンタリング等で地道に支援を続けていくことになります。「マネージャーと部下との1on1や評価面談等の録画を私が確認→マネージャーへフィードバック」といったマネージャーの日々の業務状況からの育成や、OTC (On the Chance Training)として「成長機会の中での育成」のための、異動やプロジェクトへのアサイン等を組み合わせることも有効です。

 「教育・育成が後回しになっている」

→「高い成果を上げる組織・人」を社内の共通認識としてまず定義します。経営層と現場の双方が納得できるターゲットであることが、育成の実効性と持続的な成果創出に向けた組織の方向性の統一、両面から必要です。
次に現状とのギャップを分析し、対策を立案し実施していきます。一通りの実施が済んだら効果測定をして次の対策に繋げます。

特に、日常業務での現場での育成の要となる以下を最優先にします。
マネージャー育成:業績達成と部下育成の双方ができる人
日常業務からの育成仕組み化

 「適切な人材配置かどうか定かでない」

→何を以て「適切」と定義するか、をまず特定します。その上で、社員アンケート・360度サーベイや本人とのキャリア面談等から、現在の配置の適切さや改善案を抽出・構築します。


【退職系の課題】

 「退職率が高い・
  せっかく入社してもすぐ辞めてしまう」

→まずは相談ホットライン・退職相談窓口・退職者面談といった形で、退職前・退職者の生の声(時に”悲痛な叫び”)を引き出します。社内人事と異なり「社員との利害関係・関係性が薄い社外人事」だからこその心理的安全性から伺える本音があります。

そしてそういった社員の本音から組織・人事課題を抽出・特定し解決に繋げていきます。課題抽出・特定が問題解決を進める上で必須であることは、他の場面でも共通しています。そしてしばしば、以下であることが多いです。
・「課題と認識している事実を深堀りした先に本当の課題がある」
・「掬い上げられない・拾われない事実に、真の課題が潜んでいる」
以上であるからこそ、まずはしかるべき立場の人が、しかるべき機会・方法にてきちんと事実を把握することから着手することが大切です。

社内ホットライン窓口(セクハラ・パワハラに限らず、社員が問題だと感じる事案をまず受け止める窓口)や退職者面談に加えて、「採用候補者との面接や社員との面談」は上記に役立つだけでなく、以下の理由からも社外人事への依頼対象としてお薦めできる領域です。
・社外人事へ切り出しやすい
・多忙な社内人事の負担軽減へ、直接的に効く

以上、課題と対策例でした。多様な組織・人事課題をこの記事だけで網羅することはもちろんできません。しかしいくつかのパターンをご覧頂くことで、御社での問題解決の第一歩に少しでも役立ちましたら本望です。


【複数の課題への取り組み方】

上記のような特定の課題だけではなく、以下のようなご要望を頂くことがあります。
「組織や人事に関する課題が山積しているので、まとめて支援して欲しい」「課題感はあるが言語化が不十分。そのため課題抽出から依頼したい」

この場合の取り組み方は以下となります。

A方式:定例会議型
週1回1時間といった頻度・時間で御社と当方との定例会議を設定します。組織・人事課題を毎回の議題とし、定例会議内の議論・助言による問題解決を目指します。必要に応じて定例会議後の実務にも関わり、現場の負担を軽減します。

本方式のメリット:B方式に比べ、問題解決までの所要時間・費用を抑えることが可能です。

本方式のデメリット:そもそも議題にならない組織・人事課題には着手しづらいため、御社側での適切な課題抽出力やそのための工数が必要です。そのため、「何が課題かなんてわからない!しかも目の前のタスク処理でとにかく忙しい!」といった組織には向きません。
反対に本方式が実施可能な組織は「組織・人事課題をきちんと特定・抽出し、議題にできる組織」です。簡単に聞こえて意外とハードルが高い基準です。A方式が難しい場合は、次のB方式での支援となります。

B方式:日常業務観察型
主なメールやメーリングリスト・グループチャット・共有フォルダ・人事系の会議に当方をオブザーバーとして追加頂きます。御社の組織風土や日々の業務遂行をそれらを通じて当方が観察する中で、要改善点や問題解決の方向性を特定します。

本方式のメリット1:組織・人事課題の抽出・特定から当方が担うため、
課題抽出力や御社での工数無しに問題解決が進みます。

本方式のメリット2:これまでの御社内では予想外の問題を特定できて、解決に繋がる場合があります。

本方式のメリット3:メール・チャット等でのご質問も受け付けています。定例会議よりも頻繁に確認するので、「定例会議まで待たずに早く回答が欲しい内容」や「定例会議で議題にするのも煩わしいような、ちょっとした内容」へ私がすぐに助言できます。

本方式のデメリット:A方式に比べ、問題解決までの所要時間・費用はかかる場合が多いです。日々の業務遂行からの課題抽出には、御社に関する各種背景知識の習得や、一定時間・量の観察をどうしても必要とするためです。

A+B方式:ハイブリッド型
A方式とB方式のどちらか、しか成り立たないわけではありません。そのため、両者の比率を各社の実情に合わせたハイブリッド型、が最も現実的な取り組み方となります。


【抱える問題の専門家を頼ることは早いほど良い】

以下のような会社は実に多いです。
「自社の問題解決を、社外人事へ依頼することに心理的な抵抗がある」
「組織・人事課題はあるものの、きちんと言語化できていないから頼みづらい」
「課題はあるが、社外人事への頼み方・業務の切り出し方・受け入れ体制が分からない」
私自身が人事部長として多忙を極めた際も、上記の理由から社外人事へ依頼することなく社内人事だけで、知見・ノウハウ・経験が無いテーマの問題解決に取り組んだことがありました。結果、自身もメンバーも非常に疲弊した苦い記憶があります。そんな回避できる悲劇を一刻も早く減らしたいと願っています。

「人事コンサルタント・社外人事に頼ると、自分たちの問題解決力が不足していることを認めてしまうようで『負け』だと感じてしまう」、とある社内人事の方との会話が印象的でした。社外人事を頼ることは決して「負け」ではありません。法律関連の問題解決なら弁護士、怪我・病気関連の問題解決なら医師といったように、抱える問題の専門家を頼ることでより良い過程・結果に繋がります。もちろん私を頼って頂きたいですが、他の人事専門家でも構いません。他の問題と同様、組織・人事の問題も発生からの時間が経つほど、問題解決が大変になります。「戦時の問題解決」に備えて「平時の準備=社外人事のあたりをつけておく」ことから始めてみることはいかがでしょうか。


【「再現性のある支援」に向けて】

但し主役はあくまで、社内人事です。そのため、
「再現性のある支援」を実現することが、依頼事項に加えた私のミッションです。

当面は長くとも数年といった期間で当方へ依頼される場合が多いはずです。ですから、私の支援が終了した後でも社員の皆さんが同じように自律的に問題解決できるように、社内人事の育成を進めます。

人事の考え方・スキル・ノウハウ・テクニック等はネットや書籍からでも学べます。しかし音楽やスポーツなどと同様、
指導者が寄り添い、現在のみならず将来も見据えた上で最適な内容を構築し、正しい努力を継続して習得・実践する過程がなければ、効果的・効率的にそれらを使いこなして最高の結果に到達することは困難です。
また、「そもそも自律的に問題に気づき解決していける」、という組織風土を醸成することも必要です。

そのため外部人材が社員育成も担当し、自身が抜けた後にもその役割を再現できる組織と人を育成することが大切だと考えています。


【お問い合わせ先】

以上をご覧頂き、「当社の〇〇といった課題感ならどう解決していく?」といったお問い合わせがあります際は、以下からお願い致します。
類似の課題へのお問い合わせが多い場合は、組織・個人が特定されないように一般化した本記事と同様の粒度で、記事に追記・反映させる場合があります。

コンサルティング契約締結までの流れ:
以下お問い合わせから日程調整した初回無料ウェブ会議にて、御社の課題等をご相談頂く過程で、契約可否・内容等をご検討下さい。

契約を決定されましたら、契約書雛形を当方から送付・契約締結・支援開始となります。



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