【受講録】デザインと観察 ① 観察について

デザインのための観察方法を身に着け、デザインにする方法を身に着ける

講師:久慈竜也 氏

講義内容の個人的な解釈のまとめです。
感想はこちら

【この講義のテーマ】

体系的な観察によって、そこからデザインを引っ張り上げられるようになる
→「世の中を見ていないから デザイン(発想が出てこない)」

【デザインとは?】


構想は、頭の中で作れる。一方、運動である造形は、うまくいかなことがある。対象の中にある、「隠れた条件を見つけ出すこと」でデザインに落とし込むことができる。

【観察の目的】

● 短期的:コンセプトを見つけ出すために、情報収集すること。
デザインを取り巻く状況を理解すること。

● 長期的:デザイナーやクリエイターの自己形成。
→今後につなげていくための栄養的なこと(?)

「真の発見は、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ」

マルセル・プルースト

常に新しい目でものを見て、発見を喜びたい。価値観として大事にしたいことだなと。


◎ NoiseとInfomationに惑わされないこと
→疑問やこだわりはノイズだったりするのかもしれない。

【観察の方法】

● 記述(Text / 情報の言語化) ... 見たものをどう言語化するか
● 体験(Experience / 情報の多角化)... 見た以上のことを、どれだけ情報として受け取ることができるか
● 収集(Pcture&Object / 情報の資料化) ... 見た以上のことを、どう記録・保管するか

◎観察の上手な人→記述+体験+収集 を行っている人。+自分の意見も大切に。

【Teaxt(記述すること)について】

感覚を論理化することによって、思考が定着する。

◎合理的な記述
→絵と文字が関連づいていること

<画像文字伝達のワークショップ>
2人組ペアになる。1人は退出し、もう1人はあるお題の絵を見せられ、その絵について文字のみで記述説明を書く。
その説明を見て、退出していた1人に絵を描いてもらう。お題の絵にどれほど近い絵を完成させることができるか?

◎記述のポイント
● どこに ... where
● なにが ... what, who
● どんな ... how (位置関係も含む!)

+画面全体の割合的な情報
+暗に意味するところも読み解いて記述する

【観察すると未来が見える】

ものを見ることは、「行為に着目する」こと。
=痕跡から人の行為を想像すること。

データなどの数値から数値・痕跡を読み取ることと同じ。
デザインは、人の行為に影響を与えるために存在するものなので、
現状としてそのデザインがあることで、どんな行為が発生しているかを考える。

【Experience(経験)について】

見ている以上のことを捉えるには?
→積極的にモノや環境と関わることが大切。

<ハサミ分類のワークショップ>
いろいろな形状・材質をしたハサミを並べる。皆でそれを分類してみる。
◎経験・分類のポイント
● 実際に数々のハサミに触ってみたり、切ってみたり、その音を聞いてみることで「経験」する
● 分類は、様々な観点でできるが、デザインの視点からは「用途・機能」で分類する。→「ここないな」というデザインが見つかる。

【Picture & Object(収集)について】

何故集めなければいけいないのか?
→忘れるから、参考にしなければいけないから。

◎収集とは、非言語所法の個人的な蓄積である
普段から視覚情報を蓄積していない人が考えられるわけがなく...。
そしてやはり、デザイナーという人たちは常になにか「集めている」

◎観察と収集の例
「イッセイ ミヤケ 南米アマゾンでのカラーサンプリング」
実際に、アマゾン現地に行って植物からカラーをサンプリングしてコレクションを展開。実物から採集することで、一口に緑といっても様々な色味の緑が展開された。
固定観念で「緑色ってだいたいこんな感じ」とか決めがちだが、実際に行って・見て・感じることでまた違った表現が可能になっている例。
→観察ができないとやはり発想は難しい。世界から工夫を吸い上げることができて、発想となる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?