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孫子「レナ、君を攻め落としたい」

(注1) この作品には、一部性的な表現や描写が含まれています。作品の構成上必要な表現ですが、注意喚起をしておきます。
(注2) この作品はフィクションです。


ある夜、不思議な夢を見た。
そこは古代中国の荒野だった。
草萌ゆる大地を吹き抜ける風。遠くには山脈の峰々が連なっている。
兵士たちが集う軍営の片隅で、一人の男性が佇んでいた。
鋭い眼光と凛とした風貌。これはあの孫武、孫子ではないだろうか。

私の名はレナ。中国古典に興味を持つ大学生。
極度の集中力による瞑想状態からリアルな夢を創造できる。

「ようこそ、レナ。私の夢の世界へ」
振り返った孫子が、穏やかな口調で語りかける。
「孫子様…!どうしてここが夢だとわかったのですか?」
「私の兵法の真意を求める者が現れた。それがこの時空の意味だ」

静謐な面持ちで言う孫子。私の思いを見抜いているようだ。
「あなたの兵法に興味があります。戦とは何か、勝利の真意とは。その哲学を学びたいのです」
「うむ。それは己を知り、敵を知ることだ。戦の本質を究めんとする者の道だ」

そう言って孫子は立ち上がり、天を仰ぎ見た。
悠久の時を超えて、万人に語りかける兵法家の風格。

「そもそも兵は詭道なり。正を以て敵を誘引し、利を以て敵を動かす」
「兵は詭道…争いの本質は、だまし討ちにあると」
「さよう。敵の虚を衝き、その不意を突く。それが兵の大道だ」

孫子の眼光は鋭く輝いている。
時の権力者に仕えながら、普遍の真理を説いた知将。
戦術のみならず、為政者の心得をも説いたその思想は、今なお新鮮だ。

「私が重んじるのは、己を知ること。自らの強みと弱みを見極め、それを戦に活かすことだ」
「自知の重要性ですね。でも、敵を知ることも肝要では?」
「然り。敵を知るとは、その思惑を見抜くこと。五間(敵情視察)を怠れば、勝機を逸するであろう」

兵法の要諦を語る孫子。
情報戦の重要性を説いたその洞察は、今日の戦略論にも通底する。
「孫子様の兵法は、戦のみならず、人生の指南でもあるのですね」
「うむ。兵法の極意は、戦わずして勝つこと。しかして、その道たるや陰陽の理に適う」
「陰陽の理…?」
「剛と柔、虚と実、天時と地利。万物を貫く理法だ。戦もまた、陰陽のバランスの上に成り立つ」

天地のリズムに倣う。
時と勢いの波に乗る。
孫子の語る戦の哲学は、古代中国の自然観と深く結びついている。

「兵法とは、単なる戦術ではない。天地の摂理に従い、時宜を得た行動をとることだ。すなわち、道に適うことだ」
「なるほど、孫子の兵法は形而上の思想だったのですね」
「そうだ。いかなる争いも、道の顕現にほかならぬ。その理を体得する者こそ、真の勝者となる」

***

孫子の瞳が深い輝きを放つ。
普遍の真理を体現する聖人の風格。
しかしその奥底には、人間くささも垣間見える。

「レナ、君に惹かれずにはいられない。穏やかでありながら、強い意志を秘めた魂。私好みだ」
「ふぇっ?孫子様…?」

完全に不意を突かれた。聖人然の老将の色恋など想定していなかった。

頬に手を添えられ、吐息が交じり合う。
知将の鷹揚な面持ちと、熱を秘めた眼差し。
「君を味方につけたい。私の懐に置きたい。それが今の私の望みだ」

「んん…」
不意に胡服の隙間から手を忍び込まされ、乳房を揉みほぐされる。
その疾きこと風の如し。しずかなること林の如し。
兵法を弄する孫子に最初は抵抗の意思すらそがれた。
私はそのまま自然体で受け、考え抜いた。

希代の知将の軍略がいまや、私の全身に向けられている。
細やかに急所を衝き、敵の虚をつく孫子の指先。
太腿を撫で上げられ、スカートの中に侵入してくる。

だが、孫子には予想外の抵抗が待ち受けていた。

「あなたの思惑通りにはいかないわ。私にだって、戦う準備はできているの」
私は腰を捻り、孫子の侵入を阻む。
同時に、足を絡めて動きを封じ込め、孫子を突き伏せた。

「防御も攻撃も、私の兵法の一部よ。あなたの戦略を看破した時、形勢は逆転する」
孫子は一瞬の隙を突かれ、バランスを崩す。

私はその隙に乗じて、一気に上位の体勢に立つ。
「あなたの弱点は、私を過小評価したこと。女だからといって、決して侮ることはできないわ」

だが、孫子の逆襲はすぐに始まった。
腰を浮かせ、体重を利用して一回転。
あっという間に私は組み敷かれた。
「いいや、君の本当の弱点は、自分の力を過信したことだ。驕りは必ず破綻を招く」

攻防が激しさを増していく。
二人の肉体が幾度となく入れ替わり、互いに相手の急所を衝いていく。
「あなたの兵法も、所詮は古い知恵。新しい時代には通用しないわ」

私は短期間で自分でも驚くような成長をしていた。

「私の攻撃はまだ序の口よ。私の本当の力を見くびらないで」
私は一気に畳み掛けた。内壁を意識的に締め付け、孫子の侵入を阻む。同時に腰を浮かせ、孫子の急所を逆に責め立てる。

だが、さすがは不朽の戦略家。
孫子はうまく受け流し上位を奪う。
大きく腰を振り、私のリズムを乱していく。
「古きを知り、そこから新しきを生み出す。それが知の真髄だ。君との戦いで、私も新たな兵法を編み出す」
呼吸が乱れ、理性が崩壊に向かう。

だがその中で、二人の思考は深く重なり合っていく。
「あなたの思想を、身体で感じる……私の中に取り込んで、新しい何かが生まれる感覚……!」
「君との一体化の中でこそ、私の知も進化する……これが道の悟りか……」

「んっ…ひぁっ…!」

兵法の神髄を肉体で悟る、圧倒的な恍惚。
二人は歓喜の極みに達し、魂の真髄をぶつけ合った。
肉体を媒介にして魂が交わり、互いの思想が融合した。
それは争いであり、同時に深い理解の過程でもあった。
融合により新たな悟りを生み、二人は言葉を超えた本質的な一体感を味わう―。

***

荒事の後、私は孫子の腕に抱かれていた。
戦塵に塗れた英雄のような風格と、知性の輝きを放つ眼差し。

「レナ、私の兵法の骨髄に触れただろう。戦とは、人の心を動かすこと。時と場合に応じた、柔軟な対応こそが肝要なのだ」

「はい、孫子様。あなたの教えを全身で感じ取りました。戦略と人心掌握の妙。それは、生きることの真髄でもあるのですね」

「そうだとも。平時にあっては仁を心がけ、戦時にあっては詭道を用いる。その使い分けを心得ること。それが兵法の神髄だよ」

孫子の言葉は重みを増している。
機を見るに敏にして、時に応じて動くこと。
その洞察力と行動力に裏打ちされた思想。それが不朽の古典『孫子』の真骨頂なのだ。

「レナ、私の教えを胸に生きるがいい。時勢を読み、陰陽の理に適うこと。己を知り、敵を知ること。そして常に柔軟な心を持つこと。それが私の君への遺訓だ」

「孫子様…あなたの言葉を拠り所に、私も己の道を進みます。戦わずして勝つ、究極の兵法を。そして知と愛に生きる、愛すべき人生を」

「うむ、きっと君は素晴らしい人生の勝者となるだろう。私の心はいつまでも、君とともにある」

優しく微笑む孫子に、夢の終わりが訪れる。
穏やかな安らぎとともに、意識は現世へと引き戻されていった。

***

目覚めた私は、机に向かって物思いに耽っていた。
孫子との邂逅は、あまりに内容豊かなものだった。
戦いの本質を説き、勝利の真意を問う。
陰陽の理に適い、臨機応変に動く。
その知略と行動力は、人生の指針ともなり得るものだ。

『孫子』の一節が脳裏に浮かぶ。
「彼を知り己を知れば、百戦殆うからず」
敵を知り己を知る。それが不敗の要諦であり、生きる上での智恵でもある。
時勢を読み、柔軟に対処する。常に学び続ける謙虚な心構え。
孫子の遺した言葉の数々は、今もなお新鮮な輝きを放っている。

「兵は詭道なり、か…戦略と兵法は、平和な世界でこそ生きてくるのかもしれない」

戦乱の世にあって民の生活を憂い、為政者の在り方を説いた孫子。
その思想の真髄は、暴力の否定ではなく、生命の尊重にこそあったのだ。

機を見るに敏にして、時に応じて戦略を変化させる。
自らを律しつつ、世の要請に柔軟に応える。
孫子の説いた生き方は、知性と人間性の見事な融合だった。

「私も知と愛の人生を。孫子に導かれた究極の兵法で」

夢の感興を胸に、私は静かに決意を新たにした。
時代を超えて古典が語りかける、普遍の真理の数々。
その叡智を心に刻み、今を生きていく。


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