『とっておきの嘘』
金魚鉢に集めた夢は
カラスが啼いたはずの
夏の灼けた夕暮れ時のもの
硝子の風鈴は鳴らなくて
線香の煙が揺れるだけで
誰の声も気配もなくて
ボクの心臓の音だけ響いて
柱時計も死んじゃって
空に浮かんだまんまの
動かない白い綿雲も
裏山でざわめく緑の葉っぱも
みんな嘘つきで
お祈りしている
あなたのやさしい後ろ姿と
部屋の片隅で遠くを見つめる猫
きっと、独りでも大丈夫なんだ
©noara tsumiki
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金魚鉢に集めた夢は
カラスが啼いたはずの
夏の灼けた夕暮れ時のもの
硝子の風鈴は鳴らなくて
線香の煙が揺れるだけで
誰の声も気配もなくて
ボクの心臓の音だけ響いて
柱時計も死んじゃって
空に浮かんだまんまの
動かない白い綿雲も
裏山でざわめく緑の葉っぱも
みんな嘘つきで
お祈りしている
あなたのやさしい後ろ姿と
部屋の片隅で遠くを見つめる猫
きっと、独りでも大丈夫なんだ
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