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眠りと死の類似性

眠りと死の類似性とは何なのか。
逆に眠りと死の違いとは何だろうか。
今回は世にも不思議な話題について思索する。

眠りと死の違いは?

死を定義することはこれまたとっても難しいことなのだが、今回の話題においては確実に死んだとされる、つまり死の瞬間は考えずに、確実に死んだといえる場合を指して死という言葉を用いる。(例えば火葬の後とか)

その確実に死んだ時の状態と眠りにはどんな違いがあるだろうか。
私の助手である仮想人A君に答えてもらおう。
A「決まってるだろ。眠ってるとき人は当然生きているんだ。だから寝た人は起きる。死んだ人ってのは二度と起きない」

なるほど。じゃあ眠っているときは?
A「寝ているときは夢を見ることがあるじゃないか」

ふむ。二つの質問がある。一つ目は死んだ人が夢を見ていないとは断言できないということ。二つ目は眠っているが夢を見ていないときはどう説明するのかということ。

A「一つ目の問題に答えるのは容易い。死んだ人は夢を見ていないさ。俺も詳しくは知らないが夢ってのは記憶とかの情報の整理のなかで生じるんだろ?死人にはもう脳がないじゃあないか。脳が無いのにどうやって夢を見られるってんだい。
一方で二つ目の質問は難しいな。けど、最初にも言ったけど生きているならやがて目を覚ますんだ。だから……」

つまり持続性、寝て起きるまでの時間を考慮するなら眠りと死は異なると言えるのだね。
A「そうだとも」
けれども点でつまり瞬間的に捉えるならば眠りと死の違いは見出すことが難しいというわけだ。
A「主観的にはな。客観的にみられるのなら脳の活動をもとに……」

ここでの議論は主観的要素に絞って考えるのでA君には退場してもらう。
この問題とはつまるところ意識とは何なのかという二千年以上考えられてもなお完全に解決することができていない問題に直結する。
しかしながら、我々は眠って目を覚ました後、数時間意識を失っていたことを周りの環境から自覚する。
けれども意識を失っていた間(夢を見ていない時)のことは思い出せない。
当然だ。意識を失っていたのだから。
これは死となにが違うのだろうか。
先ほどA君は言った。「脳が無いから夢を見ることができない」
付け加えるなら脳が無いなら意識することさえできないであろう。つまりその人は意識が無いことを知覚しえない。この状況は眠りの状態と似ている。

結論

Q.眠りと死の類似性とは?
A.意識がないということ(夢は除く)。そして意識がない間はそれを自覚できないということ。

人間は睡眠をとらねば生きてはいけない。不眠を続けると体調が悪くなる。けれども体調が悪くなったことで身体的痛みを感じることからより生を感じられる場合もあるわけで(マゾヒズムじゃないよ)。
眠りという死の類似性をとるのか。目を覚まして生きることに努めるのか。いつの間にか寝ているということはいつの間にか死んでいるのか。
なんだかやっぱり人間はよくわからんと思った今日この頃である。


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