【詩】 「宛のない手紙」
「宛のない手紙」
昔から街角にある
朱色のポスト
色褪せが目立つな
ペンキが剥げてる
雑誌の懸賞目当てだったり
暑中お見舞いだったり
恩師へのご無沙汰のお詫び
なんてのも出したな
ふらっと
近くもない あの日に
想いを馳せていると
急に届いた 破れた知らせ
バリバリ元気だよ って
流れて来た きみのへこんだ噂
そのうち笑って話せるさ
湿らせながら書いた宛のない手紙
その手紙で折った箱に
小粒のチョコレートとアーモンド
そして 青い吐息を詰めて
駆け上ろうか普通の大人へ
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