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「今をいきる」

あなたにとって、心に残る映画はなんですか?

今回は私にとって、大切だと思う映画「いまを生きる(1989)」についてお話しします。

舞台は1959年のアメリカ。
名門の全寮制高校に、その高校のOBである一風変わった先生が赴任してくるところから始まる。
厳格な規律に縛られていた生徒たちは、教師の型破りな授業に戸惑いを見せるが、次第に自由な生き方に目覚めていく。


私がこの映画を初めて観たのは、中学生の頃。
あの時、どのように感じて涙を流したのかは覚えていないけれど、しばらくの間、「私の好きな映画第1位」になっていたのは間違いない。

あれから約30年。
そんな事もすっかり忘れていたが、職場のテレビで偶然流れていたのを目にした。
「そう言えば、この映画好きだったなぁ」と思い出し、懐かしくなって思わず仕事帰りにDVDをレンタルした。

昔観た映画って、見返すと、以前観たときほどの感動を得られないこともある。
今回もあまり期待しすぎないように、好きな映画だったからこそ慎重に観ることにした。


伝統の進学校にいるごく普通の男子学生たちの日常。
親や教師のいいなりになって、これでいいのかと疑問を持ちつつも、みんなで社会に対する皮肉をいう程度の反抗しか方法を知らなかった…。

そんな彼らに教師であるキーティングは、詩を通して「自分らしく生きることとは何か」を問いかけていく。
与えられた正解ではなく、周りに同調するでもなく、自分で物事を考え、自分に問いかけ、自分で経験し、自ら答えを探り続ける。
言葉だけでなく、体を動かすことで体験し、実感させることで生徒たちの心に浸透していく。

自分の学生時代。
まさに今、思春期真っ只中の息子達。
作中の彼らの葛藤や苦しみ、もどかしさ、そして何かの光を見つけたような高揚感。
共感しながらも、今にも壊れてしまいそうな儚さも感じて、青春時代の危うさにドキドキしながら夢中になった。

終盤に衝撃な展開があるが、それがあるからこそ、深く語りかけてくる何かがあるのだろうと思う。


ラストで、学校を去ることになったキーティングに向かって、生徒がいう台詞。
今思い出しても、涙が出てしまう…。

私のつたない説明を読むより、ぜひ作品を見てほしい。
今、将来に希望を持てないと感じている若者にも、
子供を思うあまり過度に強要しているんじゃないかと不安を感じている親世代にも、
自分が何者かわからなくなっている全てのひとに。

初めて作品を観てから30年、
今、
私もキーティングのように、人の心を揺さぶるような大人になりたいと強く思った。

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