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迷惑行為のSNSアップに思う、想像力欠如への危惧~『歴史思考 深井 龍之介 (著) 』に学ぶ

見出し画像:TumisuによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

昨年のTVのニュースでも取り上げられていた、SNSで自分の行った迷惑行為を発信する事例は、承認欲求の高まりだけでなく、自己の行為が及ぼす影響への想像力が減退していることも示唆していると思われます。

この想像力の減退は、外部の影響への想像力の減退にもつながると考えるため、今後は温故知新も含めて想像力を磨くよう意識する必要性を改めて感じた次第です。


1.国内外における迷惑行為のSNS上へのアップ

2023年はウクライナ戦争やハマスーイスラエルの紛争など、国際的にも危機的な状況が続きましたが、そこまで大きな規模ではなくとも、日常レベルでも気になる現象は目にすることが多くなって来たと、振り返ってみて感じる事があります。

その理由としては、従来からも言われているように、ネガティブな出来事の方が、マスメディアなどで取り上げら得やすいという点もあると思いますが、

人の持つ能力の変化という視点から気になった事象の一つとして、回転寿司などでの迷惑行為を自らSNSにアップするような行為があります。

この様な迷惑行為は、日本に限ったものではないようで、以下の1日5分ビジネス英語( https://matt-english.com/category/podcast )などでも、インドやカナダ、ネパール、米国など海外も含めて、迷惑行為をSNSにアップするインフルエンサーについて報じています。

『有名になるためなら何でもする Anything to Be Famous』
2023/12/8の、1日5分ビジネス英語
( https://matt-english.com/category/podcast )

このように、単に迷惑行為を行うだけでなく、自分からその行為をネット上で誇示する動きは、残念ながら今後も広がる様子を見せていると感じます。


TumisuによるPixabay

2.承認欲求の発揮場所の偏りと想像力の欠如

上記のSNSでの迷惑行為の発信からは、
「想像力や過去の事例に学ぶ温故知新の能力および自分の行為の影響に関する想像力の弱体化とネットでの承認欲求が強くなる傾向が、
AIなどによるフェイク画像制作技術の普及も後押しして今後も強まるリスク」が窺えると思います。

 上記の様な行動は、単に迷惑な行為と言うだけでなく、その様な画像をSNSで公開したら、
自分自身への非難や犯罪行為としての行政の対応なども含めて何が起きるかという想像力が欠けている事も示していると思っており、この想像力の減退も深刻な問題ではないかと考えています。

この様な行為の背景には、リアルでの繋がりがSNSや新型コロナなどで弱まって来たことや、参考記事が指摘しているような、過去の同様な事例(その後、当事者がどうなったか)を知らない事もあると思います。

『SNSの迷惑行為は対策できる?増加の背景や炎上事例・対策方法を解説』
2023/03/27の、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社のサイト NTTコム オンライン( https://www.nttcoms.com/ )の記事。


TumisuによるPixabayからの画像

3.日頃からの想像力の醸成の必要性

 前述のように、自分のやる事が及ぼす影響への想像力が弱まることは、周囲で起きている事象について想像を巡らす能力も衰えている事を示しているかと思うため、
上記の様な迷惑行為がエスカレーションする可能性に危惧するとともに、
一部のインフルエンサーなどだけではなく、私達自身についても、自分や自社のやっていること、やろうとしていること、外部で起きていることの影響に対する想像力の減退が起きている可能性について、自分ごととして考える必要があるかと思います。

以前の本ブログトピックス

『『歴史思考』を読んでー温故知新とパターン認識によるメタ認知の効用』や、

『「SF思考」ー物語で見せる未来予測(1/3)』

などでお伝えした、過去の出来事に学んで未来を予測することの必要性は、
昨今のSFプロトタイピングなど、未来予測手法の企業での導入のニュース等からも窺えるところですが、

個人レベルで起きていると見える想像力の減退にも目を向けて、上記の様な迷惑行為を他山の石としつつ、
自分自身も、例えば、情報収集や情報発信時に、立ち止まって情報の真偽や発信に関する判断を慎重に進める能力(ネガティヴ・ケイパビリティ)など、
自己の言動が及ぼす影響を考える習慣を通じて想像力を磨いて行こうと改めて思わせられました。

なお上記の「歴史思考」のトピックスで紹介した、『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考 Kindle版深井 龍之介 (著) 』https://amzn.to/3SGBlzY の著者である深井氏が配信している、歴史を学ぶインターネットラジオ「コテンラジオ」https://coten.co.jp/services/cotenradio/)をここ1年くらい聴いていますが、その中の、
映画「シンドラーのリスト」のオスカー・シンドラーと、彼とは逆にユダヤ人を迫害した人々を取り上げたシリーズで、
深井さんと他のナビゲーターの方が、自分がどの様な事実に基づいてどのように考え・思っているかを認識するメタ認知と、簡単な正解を求めず考え続ける事の重要について語っており、
過去の事例に学ぶ温故知新においても複数の視点・視座を持つ事の重要性を改めて感じた次第です。


Mohamed HassanによるPixabayからの画像

【今日のまとめ】


・国内外で自分の迷惑行為をSNSで発信するインフルエンサーのニュースを目にする機会が増えている

・上記の現象は、ネットでの承認欲求の高まりだけでなく、SNSでの発信も含めて自分の行為が及ぼす影響に対する想像力が欠けている事を示唆していると思われる

・自分の行為の影響力への想像力の減退は、外部の状況が及ぼす影響への想像力の減退にも繋がっていると予想できるため、自分事として自分や他者の行為が及ぼす影響への想像力を養うように意識する必要があると考える

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます(*^^*)!


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