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読書論(3):人物伝

少し間が空いてしまいましたが、今回は趣味の読書の中で、歴史上の人物に焦点を当てた「人物伝」について取り上げてみたいと思います。

実は人物伝、もしくは特定の人物に焦点を当てた歴史小説・伝記のうち、
私の上や同世代が好んで読んでいたものは苦手です。
私のような様々なテーマの本を乱読、かつ複数冊を同時並行で読むようなタイプの読書家には文庫にして10冊以上の長編小説は向いていなかったからかもしれません。

そんな中で、いくつか記憶に残る本(挫折を含めて)を今回は紹介しておきたいと思います。

日本の偉人

日本の人物伝と言えば、司馬遼太郎「竜馬がゆく」「坂の上の雲」吉川英治「宮本武蔵」池波正太郎「真田太平記」などが有名ですが、いずれも最初の1~2冊を読んで、挫折しています(^-^;

どれも過去、NHK大河ドラマで取り上げられているので、そちらを観て済ませてしまった/読んだ気になっているというのが本音のところです。

少しマイナーどころでは、小林秀雄「本居宣長」森鴎外「渋江抽斎」があります。

こちらは何とか読み切った記憶はあるものの、あまり内容は覚えていません。よく識者は「古典を読め!」と言いますが、やはり読みづらい本を読破するのは辛いです。。。

海外の偉人

さて、海外の人物伝といえば、何と言っても、塩野七生さんの「ローマ人の物語」でしょう。しかし、こちらも文庫にすると43冊と超長編小説です。こちらも1、2冊読んで挫折しています(^-^;

ただ、イタリアを訪れた際にローマ時代の歴史に興味を持ったので、
スペシャル・ガイドブックを読んで、お茶を濁しています。。。

中国で言えば、「三国志」が有名ですが、吉川英治著だと文庫で10冊。
北方健三「水滸伝」も19冊。
唯一、きちんと読んだのは単行本で2冊、文庫でも3冊の司馬遼太郎「項羽と劉邦」くらいかもしれません。

読書論として語るにはどうにも情けない話ですが、これが本当のところです。

芸術家

一方で、人物伝として興味を持って読み進められた書籍は、趣味の絵画や音楽に関係した人物の本になります。

2019年に邦訳が出た「レオナル・ド・ダヴィンチ」は上下2冊という手軽さもあり、ルネッサンス期の天才の生涯にぐっと引き込まれました。 

かなり以前に、岩波文庫の「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記」を読んだことがありますが、天才らしく様々なテーマの膨大な手記が載っていますが、これでダ・ヴィンチの実像に近づけたかというと、どうにもモヤモヤ感が残っていたのが、この本でよりくっきりと天才の実像に迫れたような気がしました。

他にも気に入った画家の展覧会に行くたびに、ガイドブックを買って主な展示画と一緒にその人の足跡をたどるのは個人的にも楽しいです。

つぎに興味深く読んだ人物伝は趣味のクラシック音楽から、指揮者の伝記・ドキュメンタリーです。

あまり出演回数は多くないものの熱烈なファンが多かった「カルロス・クライバー」、そして現在、最も熱狂的で巨匠の域に達している「ワレリー・ゲルギエフ」の人物伝はどちらも吸い込まれるように一気に読んでしまいました。
いずれの指揮者も、実際に来日公演を聴きにいって、涙が出るほど感動したことも関係していると思います。

やはり、本当に自分が心から興味が持てるテーマの本を読むことが、読書を続けるコツなんだと改めて感じました。

*経営者のドキュメンタリーやサクセス・ストーリー本はまた、別途、
 どこかで紹介したいと思います。

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