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「自分が変わる・地域が変わる・社会が変わる」社会的マルトリートメント予防全国集会は、コミュニティワークによるエンパワメントの成功例❣

温かい会でした。

「終わったときに、この場の空気を、自分のまち、職場にひろげていきたいと思ってもらえたらそれが成功」(ジェイス理事 西川正)

というイメージで、会は進んでいきました。

マルトリートメント(虐待)という深刻な問題を扱う会だからこそ、
集った人たちが、温かくエンパワメントされていくといいよねって。
怒りとか悲しみとか寂しさとか辛さとか、そういうものを包み込んでしまう場の空気の中で、みんなが存在できるように。

プレゼンテーションやワークの大半を私が担当しましたが、
周りを固めてくれていたのが重量級のコミュニティワーカーたち

場を作るのが最高にうまい人たちが、さりげなくふらふら、ごろごろ、だらだら、ぼーっとしてて(笑)、何か必要な時には、さっと動く。何かこんな生物がいたな・・・そう、ハシビロコウ。の集団。


さて、スタッフを含めて全員でほぼ65人の参加でした。
集ったメンバーは、子育て支援関係者、保育士、助産師、教員、議員、行政職員、看護師、保健師、中間支援団体メンバー、冒険遊び場関係者、コミュニティワーカー、臨床心理士、社会福祉士、弁護士、大学教員、ビジネスパーソン、母子寮職員、不登校支援、児童指導員、若者支援関係者などなど。
もちろん親であり、市民である人たち。

この投稿を書くのが、なんと一か月以上も経ってからなのは、私の熱が上がり過ぎて、冷ますのに時間がかかったからのような気がします。
鉄は熱いうちに打て、なのに、怒涛のように押し寄せる溶岩流の中にいて、
とても書けなかったという感じです。

今もなお、毎日のように、参加者からの、大会その後の企画の報告やら更なる企画やらへの対応が続いています。

2日間に何をして、何が起きたか。
それを備忘録の意味も含めて書いていきます。

これが、名古屋市能楽堂会議室。名古屋城のすぐ隣にあります。

名古屋市能楽堂会議室は、縦長のスクール形式の机がずらっと99人分並ぶ会議室なのですが、まずみんなで机をたたんで、床にビニールシートや薄い毛布を敷いて、参加者にはそこに座ってもらうことにしました。

東京からスーツケースで敷物を何枚も運んで(笑) 
『あそびの生まれる場所—「お客様時代」の公共マネジメント』『あそびの生まれる時』(ころから)の西川正ファンとしては、コタツも出したかったけれど、それはさすがに無理で(笑)。

みんなの居心地のいい場を作るところから。鉄則ですね。

↑ 道路にコタツを置いている表紙の写真 ↑

 

上記二冊はぜひ、こちらから。


とはいえ、会議室のイメージから、このイメージへの転換を図るのは、
スタッフ間でもちょっと苦労しました♪

そして、集会であって、学会でも研修会でも勉強会でもない、ということ。

この2日間で、知識や考え方を聞いて、身体で受け止めて、腹の底で感じて、感情も心もその中に入れて、エンパワーされて、心の底から、自分がアクションするんだという気持ちになるように、その場をスタッフが作っていく必要がありました。

身体で受け止めるとは例えばこんなこと。

みんなで集まって、同じ関心事について話し合おうよ。
アクションを起こすために、お互いに学びつつ考えよう、という会です。

誰かに何かを教えてもらう会ではなくて、学び合う会。
学んで自分個人が賢くなって帰るのではなくて、その学びをどうしたら地元のコミュニティで共有できるかを、違う地域の人たちや近い地域の人たちと一緒に考える会。

専門性や地域性を発揮しながら、学び合う参加者たち。
と、後ろで静かに記録を取っている森田圭子さん、山本真美さん。


柔らかで楽しい一揆にしたいなあって思っていました。
真剣に自分から社会を変えたいと思う人たちの集会

だから、7月に名古屋で活躍してきた丸山政子さん、原京子さんに「やりたいことがあるから協力してもらえないか」と声をかけて、9月には、名古屋メンバーをさらに3人加え、ジェイスの希望メンバー4人と共に9人で実行委員会を組織して、zoomで毎月のように準備の打合せをしていきました。

名古屋メンバーの元こともNPOで、現子どもフォーラム代表の原京子さん、
加藤康平さん、長年まめっこ代表と務めてこられた丸山政子さん。
加藤さんと丸山さんのネットワーク、チームワークで名古屋市の後援も取ることができました。
名古屋メンバーは、最後に写真が出てくる沢井史恵さんと、
この次の次の写真に出てくる樋口史子さんの5人です。
岐阜は名古屋から1時間っていうことで、
かさまつ子どものまちの樋口史子さんも名古屋メンバーに!!
全体司会、メール対応などなと、ここぞというときの頼みの綱。
天白プレーパーク代表の沢井史恵さん。チャチャチャと物事を進めていってくださいます。
動画の司会に見覚えのある方も多いのでは?
参謀はジェイス理事で事務局のセカンドリーグ茨城理事長、横須賀聡子さん。

同時に「社会的マルトリートメント」という概念がどんなものかを私自身の中で少しずつ練って練って精査して、概念としてアップデートしていって、
それを徐々に理解していただくという作業をしました(今も引き続き、第2回子ども家庭福祉学会民間団体活動推進調査研究事業の助成金を得て、概念を生成していくための調査研究をしています)。研究者の東洋英和女学院大学教授の山本真実さんにも参画していただいています。

後方の4人はハシビロコウのスタッフたち。
中央で何かをやっているときに、いつの間にか周辺で動いている。

実行委員長には、ビジネスマンでありながら、毎秋のデモクラシーフェスティバル

の運営に携わり(そこで知り合いになり、家族ぐるみで仲良くしていただき)、HanaMichi(http://hanamichi.or.jp/weddingaction/difference.php
というNPOで、結婚から始まる子育て支援をという活動をしていた加藤康平さんになっていただきました。

中休みの体操のお兄さんは、実行委員長の加藤康平さん。

メディアの扱いについては、株式会社喜楽舎代表で、子どもとメディア理事であり、IPPOや耳だけIPPOをはじめとしたさまざまな子育て支援にも取り組んでいる実行委員会メンバー古野陽一さんにお願いしました。

動画作成に奮闘してくださった古野さんは、当日は体調不良で、全日参加できなくて残念でした。


経理や広報は、ジェイス事務局長の築地律さん、事務局でTOKYO PLAY事務局でもある正木麻沙美さん、社会福祉士の大柄根明香さんが中心になって担ってくれました。

正木さん、大柄根さん、築地さん。
正木さんと大柄根さんは、乳児の母親。
それぞれパートナーさんが留守を引き受けてくださって感謝です。

名古屋での参加者歓迎体制は、名古屋メンバーが細かなところまで配慮してくださって、お楽しみでスガキヤのインスタントラーメンの用意まで!!

お昼のインスタントラーメン。食べても食べなくてもいいんですけれど、
ナンバーくじがついているので、一つずつもらいます。

まず、動画を作って(中京放送のディレクターさんが編集してくださいました)、2月25日のプレ集会にたくさんの人が集ってくれるように広報しました。


2月の3週間、ほぼ動画の内容を作ることに没頭しました。おかげさまで800人の方が申し込んでくださって、当日も500人以上の方が聞いてくださいました。

そして、プレ集会に出た、あるいは100分の動画(編集は古野陽一さん)を見て下さった方の中から、5月の全国集会に来る人を募集しました


全国集会への参加を希望してくださった方たちに、

「部分参加は(理解が中途半端になって一緒に動けなくなるから)ご遠慮くださいとか、
自分で主体的に申し込んでください、家族など他の人の分の申し込みは受け付けませんとか、
ゴロゴロ寝転がるワークもあるから、動きやすい服装で来てくださいとか、アクションを起こす気で来てください、学んで終わりはなしですとか、
若すぎるとコミュニティでの経験不足で無理じゃないかなあとか、
高齢過ぎるともうアクションにつながることが出来ないんじゃないかとか」
・・・いろいろと注文を付けました。

電話で参加意思を確認された人までいました(大変失礼いたしました!)。
さらに、事前事後アンケートにお答えくださいという依頼もあって。

いろいろ注文をつける割には、プログラムはなかなか定まらなくて
(ひとえに私が様々な情報の中で、迷って迷って、早めに準備することができないため)、
よく皆さん、えいやっと県境をまたいで来てくださったと思います。

なぜ、そんなにこだわったかというと、この会は、アクションを起こすための集会、日本に流布している価値観を変えていくためのローンチ集会だったので、ちょっと興味があってという物見遊山気分で軽く参加すると、きっと場に乗れなくてお互いに大変になると思ったからでした。

赤穂浪士も途中で抜けると大変だったから

お互いのために、「社会的マルトリートメント」について動画を見てぐっと惹かれて、よし万難を排して行こう、と思った方に来ていただきたかったのです。実行委員会のメンバーですら、この集会がどんな集会であるかを理解しながら半年かけて準備したのですから、急に来て理解するのはハードルがとても高いと予測していました。

そんな関門を通り抜け、12000円支払って、資格も取れない、プログラムもなかなか定まらない集会に、2日間、あるいはプレイベントを含めると3日間、名古屋まで来て参加してくださった人たちが45人もいたのです。
東京ではなくて、わざわざ、日本の真ん中、名古屋!!

そして、ボランティアで準備・参加してくれたスタッフが20人もいたのです。なんとありがたいことか。

※ プレイベントは、私がお手伝いをしている長久手市の吉田一平市長の作られた社会福祉法人ゴジカラ村、あるいは、愛知県のオルタナティブスクールの中で一番大きく学費無料の瀬戸ツクルスクールの見学でした。

名古屋の実行委員が苦心して調整してくれて実現しました。
参加できた人たちは、口を揃えて「参加してよかった」と感想を伝えてくれました。社会的マルトリートメントの概念を考えるための地ならしをすることができたのではないかと思います。ご協力、ご案内くださった両施設に心より感謝しています。

さて、2日間の中身なのですが、プロセスを自分で経験しながら学んでいくことがとても大事なので、ここでは、簡単な紹介だけしておきます。

そもそも、まじめに「伝えたい」ことを2日間でぎっしり組んだスケジュールで伝えようとしていた私に『やりすぎ』とストップをかけたのは、
不要不急のことをする」ことを旨とするハンズオン埼玉の西川正さん。


ぎっしりプログラムを詰めていた私は、また生真面目に、
そこからどう変えていけばいいのか途方に暮れ、涙に暮れたのですが、

「これまでの大学の授業や4月2日にやったみたいなファシリテーションできるでしょ(一か月前に12名対象のファシリテーション講座をやっていたのです)、空気を作る係は自分がやるよ~任せて~」と申し出てくださって、

ジェイスのメンバーや実行委員会のメンバーと共に、
とにかく柔らかくゆるく楽しく、
みんなを包み込む場の空気を醸し出してくださいました。

私もできる限り伝達型のレクチャーを少なくして、
ワーク中心のシンプルな構成に。
ファシリテーションも楽しいバージョンに頭を切り替えました。
(やればできるじゃん)

さてさて、当日。
受付でナンバーくじ付きのインスタントラーメンを受け取った参加者は、
持ってきた全国名産お土産を指定のテーブルに置き、

会場には、みなさんが心を込めて選んでくださった全国の名産品がど~~っと並んで、いつでも好きな時に選んで食べていい状態。学びの合間にすごくほっとするオアシスとなりました。
会場には全国各地から貴重な活動紹介のパンフレットも集まって、つながりができる。

子ども家庭福祉学会調査の事前アンケートにグーグルフォームで答え、
さらに、
「なぜ集会に来たのか」の動機をポストイットに書きました。
それは早速、ジェイス監事で。ホームスタート代表理事の森田圭子さんやメンバーがホワイトボードに貼ってまとめてくださいました。皆で共有。

初日20日の午前中は、私のワークショップです。
今の子どもたちの体験している世界を、身体で実感するワーク
頭で理解しても仕方がないので、とにかく赤ちゃんに「なってみる」
子どもに「なってみる」を次々やってみます。

20日の昼は、先ほど書いた名古屋名物スガキヤのインスタントラーメンや、自分で持ってきたお弁当を地域別のチームで三々五々食べる。お湯もちゃんと沸かして用意。バックヤードのチームワークがすごい

午後は、「社会的マルトリートメント」のレクチャーと、

年齢ごとの発達と生活の現状を分析する、模造紙を使ったグループワーク。

そして、社会的マルトリートメント予防のためのコミュニティワークの実践例から学ぶ時間。

(その1)ジェイスメンバーでNPO法人子育てを楽しむ会代表の迫きよみさんからは赤ちゃんの子育てを巡る実践のストーリー。

(その2)原京子さんからは、子どもの権利の概念と実践を名古屋、石巻など、地域に広げていったストーリー。

そして、夕方からは、みんなで名古屋名物の入ったお弁当を食べながら、
さらに楽しい全体ワーク。

ということで一日目が終了しました。

ところが・・・・初日を終了して、私の中ではもやもやもや。

一日目の結果が、他の子育て支援の研修会とあまり変わらない気がしたのです。それはそれなりにいいのですが、何か、思っていたのと違いました。
そこで、かなり慌てて修正の方向性を探ります。

とはいえ、前の晩、準備のために3時間睡眠だったので、
まず、みんなに「明日どうすればいい?」とSNSで投げかけて意見を募集しておいて、その間にいったんホテルで眠り、3時間してから起きて、

おもむろに参加者アンケートを読んで、まとめ、
昼間のグループワークの模造紙の写真から内容を確認して、まとめ、
何が問題かを探り、
先に投げかけておいたメンバーからの意見を検討して、
翌日の戦略を練りました。そして、プログラムを変えることにしました。
時間との闘いです。
結局、朝までかかって、総計で4時間半しか寝ていない状態で、
2日目を迎えました。
プログラム変更について、メンバーの了解も得ました。

2日目の最初は、昨日の振り返りからです。

みんな、社会的マルトリートメントを追及する気分になっていないか。
 そうではなくて、自分自身も日本文化や価値観や慣習の中で、子どもたちに何をしてきたか、あるいは、何を見過ごしてきたか。その行動を自分はこれからどう変えていくのか

「そうしてみた感想をみんなとシェアする」
「そのうえで、
 自分のコミュニティの人たちに、それをどう説明し、理解してもらうか

ここまで来てやっと、だんだんひしひしと、
社会的マルトリートメントは自分の価値観の中にある問題だ
という実感が出てきます。

その上で、どうコミュニティを変えていくのか。
コミュニティワークの実践報告に移ります。

その3)横須賀聡子さん

コミュニティワークについて、こんなに語って下さったのは初めて!
ぶんぶん首を振りながら、メモメモメモ。
でも、それって、つまり、どういうこと?と突っ込んでみる。
それは、具体的にはこういう場合は………若者が鋭い。もっと知りたいと聞いてくる。
若者たちの勉強会も始まりました。

その4)ジェイス理事で、せたがや子育てネット代表、実行委員会メンバーの松田妙子さんによる子ども子育てコミュニティワークのストーリー。

子育ては大玉送り
時には握手しながらジャブもするわけ。
じゃあ、握手しながらジャブの練習しようっか(笑)。これでもう忘れないね。
はい、おしゃべりやめて~の合図。
はい、やめまーす。

この後は、とにかく話し合い。
自分のこと、地域のこと。

これから各地域で、どのような活動を展開していくことができるのか、まずそのチームを作ったり、連絡網を作ったり、具体的な日程調整をしたり

あっという間の2日間でした。そして、スタッフの最後の挨拶。

スポーツ哲学の立場から、このプロジェクトに関わっている
ジェイスメンバーの東京学芸大学講師、田中愛さん。

こうして、2日間の全国集会は終わったのでした。



と、思ったのですが、
終わると同時にFB上で、社会的マルトリートメント予防全国ネットワークのグループページを作り、たくさんの交流が始まりました。
地域ごと、年代ごとに集まって勉強会をしたり、
これからの計画を立てたり、
すでに、次の地域の講演会の企画を練ったりする段階に入っています。

「終わったときに、この場の空気を、自分のまち、職場にひろげていきたいと思ってもらえたらそれが成功」
・・・この基準で言えば、この集会は大成功だったと言えるでしょう。

参加者たちがどのようにエンパワーされていったのかは、
参加してみないとちょっとわからないかもしれません。
参加していても、ちょっとわからないかもしれません。

それが、
草の根の縁の下の力持ちによる「コミュニティワーク」の技と力です。

今後は、大きな助成金が取れたら、全国集会、地域集会と広げていきます。
取れなくっても、それなりに。
自分が変わる。地域が変わる、社会が変わる。
百年かかるかもしれません。
それでも始めることが大切。草の根のアクション、スタートです。


参加者の皆様へ)
写真の中に、自分が見つからない!という方がもしかしたらいらっしゃるかもしれません。全体写真にはいらっしゃると思うのですが…。できるかぎり、いろいろな方が入るようにと意識はしたのですけれど、全員の確認ができていません。どうぞご海容ください。

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