距離が離れていても、母が少しでも安心して暮らせるために実施している 3つのことから、今回は、迷惑電話対策のお話です。

離れて暮らす母は、オレオレ詐欺の不安を常に持っています。
対策が必要と思いながら、なかなか対策を実施できないでいました。
しかし、実際に、母がオレオレ詐欺にあうということがあり、対策を講じたお話です。
幸い、今回のオレオレ詐欺で、不幸中の幸いと言いましょうか、現金等を失うことはなく、未遂に終わりました。

母がオレオレ詐欺未遂に

突然、母の友人から電話がありました。
母がオレオレ詐欺にかかったとの連絡でした。
母は、興奮してしまいとても電話をかけることができる状況ではなく、友達がかけてくれたものです。

慌てて実家に行き、母から状況を聞きました。
被害は、ゆうちょ銀行の通帳を持っていかれたことです。
持っていかれた通帳を使ってATMから現金を引き出されるような被害もなく、ひとまずほっとしました。

商売をやって来て、人と人との繋がりを大事にしてきてきた母にとっては、大変、ショックだったようです。
しかし、通帳をとられてしまったので、通帳の記載内容から、次の手を打ってこないか、少し心配なところもあります。
「今度から、気を付けるね」という母の声が、かわいそうでなりませんでした。

オレオレ詐欺の経緯をご参考までに説明します。

まず、自宅に、市役所の所員を名乗る人から、還付金があり、今日中に手続きをする必要があるとの電話がありました。
還付金の金額が少額であったこともあり、母は私に確認する必要がないと判断したようです。
そのあたりも、母の心理をうまくついていると思いました。
そして、振込先の銀行口座を確認したいので、自宅に15分後に伺うとの話があり、15分後に犯人が実家にやってきました。
実家にやって来た犯人は、外に駐車している車ですぐに手続きを済ませるので、通帳を貸してほしいと、母から、通帳を受け取り、実家を離れました。

数分後、また、犯人から実家に電話があり、還付金の振り込みには、暗証番号が必要なので、教えて欲しいとの電話がありました。
想像するに、その時、犯人は、近くのゆうちょ銀行ATMで、そこから、電話をして来たとみられます。
母の通帳には、暗証番号を設定しなかったので、暗証番号を聞かれたり、生まれた日を聞かれたりしましたが、お金を引き出すことには至りませんでした(ゆうちょ銀行は、通帳だけでもATMから、お金を引き出せるそうです。今回、知りました)。

以上のように、手口はかなり巧妙です。みなさまや、みなさまの親御さんなど、ご注意ください。

迷惑電話対策電話機の選定

母のオレオレ詐欺未遂事件を受け、オレオレ詐欺対策の一環として、迷惑電話対策を考えることになりました。

迷惑電話対策には、
・ナンバーディスプレイ＋ナンバーリクエスト
・「迷惑電話フィルタ」の外部ツール
・迷惑電話対策電話機を購入する
などがあります。
今回は、ランニングコストのかからない、迷惑電話対策電話機を購入する方法を選択しました。

迷惑電話対策電話機の代表機種としては、シャープ JD-AT90 と パナソニック VE-GD67 の 2機種があるようです。
私は、パトランプにひかれて、シャープ JD-AT90 にしました。
理由は、単純に、パトランプは母にとってもわかりやすいとの判断です。
価格は、1台 14,800円(税込)です。
電話機に、この値段をかけるのは、少し抵抗がありましたが、母の不安を減らすための投資と考え、両方の実家用にと 2台購入しました。

シャープ JD-AT90 2台を、自宅で試験をしている際の写真です。
電話機を2台ならべると、オレオレ詐欺を始める設備のように見えてしまいますね。

迷惑電話対策機能

シャープ JD-AT90は、電話がかかって来た際、かかって来た電話番号により、対応は、以下の3つに分かれます。
なお、この機能を使うには、ナンバー・ディスプレイの契約が必要です。
また、以下の記載は、実家で設定している内容となります。
細かい設定は、説明書をご参照ください。

パトランプが緑色に点滅

電話帳に登録されている人からの着信です。
着信音と電話帳に登録された名前が音声で流れますので安心して電話に出られます。
通話は自動的に録音されます。

パトランプが赤色に点滅

電話帳に登録されていない人からの着信です。
まずは、相手に、｢この通話は防犯のために録音されます。呼び出しますので、お待ちください｣とのメッセージが流れます。
次に、パトランプが赤色に点滅し、着信音、｢携帯電話からです｣｢フリーダイヤルからです｣などの音声、｢電話による勧誘に気をつけてくださいね｣などのメッセージが流れます。
そして、「ただ今、振り込み詐欺対策モードになっています。恐れ入りますが、あなたのお名前を仰ってください。」と、相手に相手の名前を確認するメッセージが流れます。
相手の名前を確認した上で、電話に出る出ないを判断することができます。
また、電話に出る出ないを判断できない場合は、そのまま、電話にでなければ、30秒で相手に、｢ただ今近くにおりません。恐れ入りますが、のちほどおかけ直しください｣のメッセージがながれ、こちらから切断します。
通話は自動的に録音されますので、何かあった際にも安心です。

パトランプは点滅せず、電話を切る

非通知、0120/0800からの着信、お断り番号に登録した電話番号からの着信です。
相手に、｢恐れ入りますが、電話番号の前に186を付けてダイヤルするなど、番号を通知しておかけ直しください｣のメッセージをながし電話を切ります。
パトランプも光らず、着信音もなりませんので、かかって来たことがわかりません。

迷惑電話対策電話機を設置してみて

迷惑電話対応電話機を設置したことにより、母の電話に出ることに対する不安が減りました。
パトランプの色で判断し、出る出ないを決めることができるからです。
また、勧誘の電話などで多い、0120などからの電話も、パトランプも点灯せず、こちらから切りますので、負担も少なくなりました。

また、電話帳に登録していない人からの電話に対しては、何度も、メッセージが流れますので、オレオレ詐欺を考えている方に対しては、かなりの抑止力となると感じています。
半面、電話帳に登録すべき人で、登録されていない人にとっては、大変、迷惑な対応となることは否めません。
最初の頃は、電話機に残された履歴を見て、登録すべき人が抜けていないかを母と確認し、何度か電話帳に追加登録をしました。

電話機に出る時や、電話が終わった後、声かけメッセージが流れる機能があります。
｢電話による勧誘に気をつけてくださいね｣｢知らない人からの電話には気をつけてくださいね｣などのメッセージが流れます。
この声かけメッセージは、好みがわかれるところであり、母に確認した結果、個々の実家で設定が異なっています。
母に使ってもらうためには、細かい設定も大事です。

迷惑電話対策電話の設置と並行して、携帯電の契約プランに、国内通話がかけ放題の通話定額サービス のオプションを追加しました。
電話料金を気にせず、友達との会話を楽しんでもらいたい、そして、何かあったら、私に電話できるようにと契約したものです。
いずれは、迷惑電話の多い固定電話を不要にしたいとも思っています。
私が家にいることがわかっていることもあり、昔より頻繁に電話がかかってくるようになった利点もあります。

まだまだ、オレオレ詐欺対策には、十分とは言えない部分もあると思っています。
それでも、ささいな不安を一つずつ解決していくことが重要と再認識しました。
迷惑電話対策電話機の設置により、母のオレオレ詐欺に対する不安が少しでも収まることを願うばかりです。