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【映画感想】「イマを大切に生きよう・・・」とクサい台詞が出てくる。「aftersun/アフターサン」

2023年のアカデミー賞で主演男優賞(ポール・メカス)にノミネートされた映画「aftersun/アフターサン」。

これぞ、ミニシアター系映画!と言いたくなる作品でした。

ストーリー

11歳のソフィ(フランキー・コリオ)は、両親が離婚し、父カラム(ポール・メカス)とは離ればなれ。だけどその年の夏休みはトルコのリゾート地へ赴き、父と二人で過ごすことになる。
プールで泳いだり、ホテルでゲームしたり、宿泊客とおしゃべりしたりとダラダラとした日々を過ごすソフィ。
そして時々、父は娘の理解を超えた行動をとる。

20年後、ソフィはパートナーと子供の3人で生活する日々を送っている。自身の31歳の誕生日に父と過ごしたトルコ旅行を思い出す。大人になった今、父と自分が重なり、20年の時を経て、父の心の闇に気づくソフィだった・・・。

※ 本作は説明の少ないシンプルな作品のため、解釈の余地がふんだんにあり、ストーリーは私の主観でまとめております。

鑑賞後はイマイチだと思ったけれど

実は劇場で本作を観た時、映像は綺麗だけど、テーマが掴みづらい映画だなと思っていました。
しかし2日、3日と経ったあとでも、本作のことを忘れられず、急に「この映画のテーマはこれだ!」とピンと来たのです。

本作のテーマは何かと言うと、「取り留めのない瞬間こそ記憶に残っている」です。

強烈な出来事や楽しかった日々を覚えていることはもちろんですが、何も起こらない時間や何気ない風景を覚えていることって、ありませんか。

何もない。だけど何故か覚えている。
それが本作です。

何気ない日常の中に大切な瞬間がある

作中では、爆発もカーチェイスも起こらない。親子の日常をダラダラと描いています。ダラダラだけど、妙にキラキラ。なぜキラキラしているのかと言うと、本作は大人になったソフィが過去を回想しているからです。子供だった当時は何気なく過ごした日々だけど、大人になって振り返ると実は人生の中で最も楽しい日々だったと気づく31歳のソフィ。

ふと我に返ると、毎日毎日、仕事して、食べて、寝て・・・また朝を迎えてと繰り返しの日々を過ごしているけれど、その日常の瞬間、瞬間に、大切な時間があるのです。だからその瞬間を認識し、大切に生きよう。そんなメッセージを本作は投げかけているように思いました。

ちなみに、筆者はこの映画を思い出すたびに、「イマを大切に生きよう・・・」とクサい台詞が頭に浮かびます。

映画の感想は以上です!

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