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「スキル」と「要求される事」の不釣り合いが、問題行動につながる

ニュージーランド在住で、総合診療科医、ライフコーチ、Havening technique ®️プラクティショナーなどをしています。

今日から3日間、Massachusetts general hospital の開催している、『Collaborative Problem Solving (CPS)®️』のセミナーをとっています。

これは私の紹介している『Collaborative & Proactive Solutions 』と根本的に同じ(だと思う)で、用語なども殆ど同じです。
(同じですか?と双方に訊いてみたのですが、どちらからも返事が返って来ません。何か過去に起こって、お互いの仲が悪いのだろうか。笑)

私の意図は、最終的にどちらかのトレイナーの資格を取る事なので、
今の所、どちらのCPSかに関わらず、自分の都合にできるだけ合ったトレーニングを選んでいます。
(アメリカとニュージーランドの時差が問題!)

出来れば、この記事をサラッと(と言っても長文で、すみません 笑) 読んでいただいて、「CPS」が何か少しアイデアを持って頂くと、この先の内容が分かりやすいかもしれません。

「『CPS』なんて聞いたこと無いし、興味も無い」と言う方も、
宜しければもうちょっと読んで頂けると嬉しいです。

そんなあなたのために、一文で「CPS」をまとめると

人間(子供)の問題行動は、大人の期待を満たすためのスキルが子供に不足している事から来るものと捉え、関係者(親/先生と子供)が一緒にwin winの解決法を話し合い、試してみる事で、問題行動が変わってくる

と言うモデルです。

今日1日目のセミナーの内容は、既に『CPS』の知識がある人には、
目新しいものはなかったと思うのですが、
スライドの中の一つが、私がいろいろな異なる状況で考えていることを
非常に上手く説明していると思ったので、紹介します。

(これは有料のセミナーで、同じコンセプトのイメージがググってもインターネット上に見つけられなかったので、自分で日本語版を作りました。
なので、スライドのコンセプトは『Collaborative Problem Solving (CPS)®️』
から来ている事をご了承ください。)

そのスライドを日本語訳し、少し解説を加えたのが、これです。
じゃじゃ〜ん。

つまり、「問題行動」は、「その人の持つスキル」と「その時、その人に要求される物事」のバランスが不釣り合いなため起こる。

より正確には、「要求」に値するレベルの「スキル」がないために起こる。

子供の「問題行動」を「スキル不足と関連して考える」事は、私の記事にも以前に書きました。

「スキル」レベルや「要求される事」のレベルは、時間と共に変わるので、
こんなこともあり得ます。
例えば、今までいた学校では全く「問題なく」やっていた子が、他の街に引っ越しして、ちょっと方言をバカにされて、学校に行かなくなったとか。

これは、その子のスキルレベルがパッと下がった訳でなく、要求される物事(新しい場所で新しい友達を作る、他人が言う事を個人的に捉えない、問題解決のために相談する、など) のレベルが一気に上がったため、「スキル」レベルと「要求」のレベルが不釣り合いになった。

でも、同じ環境でも、「問題行動」に至らずに生活する子供もいる。

同じ様な事は大人にも当てはまります。

例えば、それまで「問題なく」生活していたのに、事故で働けなくなり、
お酒で虚しさを処理しているうちに依存症になってしまった。

でも、同じ境遇でも、パラリンピックに向けてトレーニングしながら、仕事をする人もいる。

「打たれ強い (レジリエント)」人というのは
「スキル」のレベルが高い
または「スキルを環境に合わせ、急速に高める能力が高い」

ということなのだろうと思います。

でも「うちの子の(または、私の)スキルレベル低いからなあ」と心配しすぎる必要はありません。
(私だって、正直そんなにレジリエントでないです。笑)

「スキル」は急にレベルが上げるのが難しくても、
「環境」または「環境が要求する物事」は、今すぐ変えられるかもしれない。

変えられる物事を変えつつ、少しずつ「スキル」レベルを上げていけば
下流にある「問題行動」も変わってくると思います。

(どちらのCPSも既に「問題行動/自傷行為/少年犯罪数」を減らすエビデンスがあります。)

今日も長文を読んで頂き、本当にありがとうございました。



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