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開業前の思い出話・じわるおじさん先生

母子家庭こども5人のわたし。

何度か書いているけれど、シングルマザーで5人の子を育てた(もうすぐ全員が成人する)わけですが
今日はそのスタートに近い頃のお話を書きます。
(いま17歳、もうすぐ18歳の末っ子が1才当時)
5番めの子が生まれてすぐに
勢いで離婚したはいいけど、自立できるのか。
資格を取って、修行して起業することにしたものの
わたしにそれができるのか・・・やるっきゃないんだけどさ。
とにかくできる限り、全力で頑張らないとダメだ。
寝てる場合じゃない。

と、ガチガチになっていた頃。
1才の末っ子を連れて
資格(マクロビオティック料理、リマクッキングスクール師範科卒業)取得のため、当時住んでいた埼玉Y市から千葉県K市の料理学校まで通っていました。

「野菜切るために2時間以上かけるんですよ」なんてよくネタにしてました。
おいしい鉄火味噌。

子連れの限界を感じて。

料理教室へ行く日は、学校・幼稚園帰りの子ども達をあちこちに預け、1才児をベビーカーに乗せて、生協の注文書を友人宅に届け、その足で駅に向かい、電車で1時間半くらいかけて目的地へ。10時から13時予定の料理教室ですが、毎回終了が15時すぎ(=゚ω゚)💦帰り道はいつもベビーカー押して小走りで帰り💨平謝りで子らを回収。
いったん帰宅して子ども達を置いてから
生協の班注文の商品を取りに友人宅へ自転車で行き、
1週間分の食材を持ち帰る・・・
というルーティンだったので
これ以上やる事は増やせないくらいパツンパツン。


しかし。
料理教室に1才児は”あ・り・え・な・い”。目が開いている限りイタズラ、眠らせるためには母乳(実習に参加できない)、気に入らなければ泣き続け、とにかく迷惑の塊。先生からやんわり、
『託児所に置いて来て。』とお達しが・・・

経済的にもパツンパツンなので笑
料理教室だけでも贅沢気分というのに(事業の投資だけども主婦脳)
安くて長時間預かってくれる託児所は果たして見つかるんだろうか。
はぁーー。とため息をつきながらも、1軒だけ心当たりがあり
料理教室の最寄り駅にあるその「託児所」を訪ねてみる事に。

例えるならこんな。(失礼やろ)

「カバ園長」いたー!

おそらく無認可のその古い託児所は
駅近一軒家で働くパパママの子ども達を預かってました。
電話で予約して子連れで訪問すると、「園長です」と言う先生が対応してくれて
コワモテの大男。で、でかい。山のよう。
初対面のわたしは、先生怖そう・・・と思うのですが
預けられている子らは
カバ園長にぴったり寄り添い、お膝を奪い合い、離れないのでした。
園長は膝の上の子を、ひょいと下ろして私と話そうとするのだけど
2才くらいのその子は、黙ってお膝に乗りに行く。
また下ろしても、すぐ乗って来るのでわたしが
「あ、抱っこしたままでどうぞ。」と言ったりして。
とにかく子ども達が
背中にもお膝にも脇にも4人~5人ぺっとりとひっついているので
この園長先生にテツを預ける事になっても大丈夫そうだと安心しました。

次に気になるのは料金。

預けるのは週1で、時間は9時半くらいから15時前後。
本当は14時には帰れるはずなのですが、毎回終わるのが遅くなって・・・
と、先生の不満をカバ園長にぶつけるわたし。
そして
資格を取って、母子家庭で子ども5人を養う予定で料理学校に通っていること。
子連れで教室に通っていたが、いたずらと泣き声に手を焼き先生に託児所を勧められたので今回ここに来てみたこと。
本来13時までの教室なので、早く終わらせて、なるべく早くお迎えに来ます。
なので、なるべく安くして下さい。お願いします!
など矢継ぎ早に話し、
うん、うん、そうか、そうか、と聞いてくれていたカバ園長が。

次に言ってくれたことは
わたしは一生忘れないと思う。

右のベビーが末っ子テツ


「遅くなっていいよ」

「あなたは、料理教室へ行って、色々な学びがあるでしょう。
先生も、教えたい事が沢山あって、時間がかかってしまう事もある。
料理教室が終わって、片付けまで、しっかりやって来て下さい。
途中で辞めたり誰かに押しつけることなく。
あなたは、今日の自分の役割を全うして、納得いくまで終わらせてから、ここに戻って来て下さい。それまで子どもさんは、
こちらでしっかり面倒見ていますから。お母さんの帰りを一緒に待ってます。
たまには、料理教室の終わりに仲間と雑談をする事もあるでしょう?
そこにも参加して来てくださいね。
大事なことが、そこにあるんです。しっかり学んで、仲間とも仲良くしてそして必ず資格を取って下さい。」

・・・こんな事を言ってもらえたのは。
生まれて初めてかもしれない。
(今でも泣けるわ)

1番めの子を幼稚園に預けてから、カバ園長と話すこの日まで
教育施設からの
「親は子どもを預ける時間を短くする努力をすべき」
を最優先にする圧を感じてて、
何が大切なのか、何のための託児なのかを、見失ってたかも。

園長先生は、託児の料金も、月極めの子と同じに考えて安くしてあげるから時間は気にしなくていいよ。と言ってくれて
それから毎週、テツは託児所、わたしは料理教室でのびのび学び、お迎えに行って電車で帰るルーティンに変わったのでした。
コンテンツは増えたけど、子と離れる事でより集中できたし
園長先生の言う通り、しっかり学べて仲間との絆も生まれ
とてもとても温かな学び多き時間を過ごしました。
無事に資格も取れました。(感謝!)

今年の春休み、種子島を大冒険中の末っ子(自撮り)
高3になりました。


沢山の方々のおかげで。

こんな風に、行く先々でわたし達は
温かな手を差し伸べてもらったからこそ
いま生きているんだなぁと思います。

わたしも、周りの方へ、少しでも
温かさをお返しできたらいいなぁと。
まだまだ、修行が足りないけど笑
アツく生きよう。


※昔のブログに書いた内容ですが、先日消したので
 もう1回思い出して書いてみました。
 園長先生、どうされているかなぁ・・

のどか舎の「食べた方がイイおやつ」

最後までお読みいただき有難うございました♪


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