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ミツマタの森と和紙とWATASI(私)、はつづく|その弐


前回より


キャラバンⅢさんにミツマタの里を訪れることを快諾いただいて、

早速、デザイナーの工藤駿さんと、鳥取を経由して汽車に乗り継ぎミツマタとその地で紡がれた和紙をめぐる物語を訪ねて岡山県の山間、西粟倉村と美作市をおとずれました。



到着した智頭線大原駅に迎えてくれていたキャラバンⅢさんの運転で、ぼくがSNSで拝見していたミツマタの写真を撮られたのだという清流の谷の峠をグルグルと超えて、山の麓に、古いけれど手入れの行き届いたお家に、奥様と子犬の花ちゃんと住まわれている、岸本巌(いわお)さんを訪ねました。

ご自宅のすぐ裏山の斜面に“昨晩やってきていた鹿の蹄のあと”のはっきり残る畑のミツマタを見せていただきました



「和紙の材料になる白皮にちょうどイイ具合の枝だけ刈るのに“刃の小さな”ミツマタ専用の鎌(カマ)を使うんだ」

「いまはもうミツマタを刈らなくなったから“刃”をつけていない。今日はハサミをつかうよ」



「どの枝も三本に分かれるからミツマタなのさ」



「こうやって皮を剥いで、外側の黒皮もぜんぶ削ぐ。これが和紙の元になる」



「味噌を仕込むような大きな木樽を天秤のように吊って、刈ってきたミツマタの枝の束に被せて、蒸して皮を剥ぎやすくしたんだよ」



「この辺はみんなミツマタをやったよ。ミツマタをやらなくなったのは、そうだな、20年くらいは前だったかな」



突然の訪問にも関わらず、丁寧にミツマタのお話しを聞かせてくださいました。

岸本巌さん、70歳を超えていらっしゃるはずですけれど、どう見てもぼくらよりお元気!

身近にあるけれどあたりまえすぎて特段考えることのなかった様々な“紙”。
あらためておもいが向くようになりました。



帰りきわにお庭の畑からおおきなキュウリをもいでお土産にいただきました。宿で水で流したそのままバリバリ美味しくいただきました。

ありがとうございます。
大変お世話になりました。


のげ


……


その参”につづきます。



ミツマタの森と和紙とWATASI(私)│その壱|のげ のうじょう|note : https://note.mu/noge_farm/n/n5a41a11643ea

ミツマタの森と和紙とWATASI(私)、はつづく|その参 | のげ のうじょう | note:
https://note.mu/noge_farm/n/n415067ac985f

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