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おとおとの お盆の話

こんにちは。おとおとです。
今年の夏はとても暑いですが、
ふたりののはなしファン、通称「すえっこ」の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
なかなかお目にかかれないご無礼をお詫びするとともに
残暑お見舞いを申し上げます。

さてさて今週はお盆の話。

週一更新はラクっちゃラクだけど気がつくとあっという間に季節が変わるよね。
来週のあにの更新時にはお盆なんてすっかり終わっている訳ですからね笑

お盆というのは先祖が愛車のTOYOTAマークIIでも息子が乗っていたギャランシグマでもなく、NASUとKYURIに乗って一年に一度家に帰ってくる日だそうで
「じゃあ普段線香をあげている家の仏壇はなんじゃい」
という疑問をアタマで転がしながらおはぎを食べる日です。
兄弟家では約30年前に父方のおじいがなくなってからまそれはそれは全員しぶとく元気に生きてますので近い親戚の葬式は大人になってから全く開催されていません。
なので今回はおじいの初盆を迎える兄弟家のお話です。

(おじぃの別の話はこちらでも↓)

その日はみんな大好きおじいが亡くなって最初の夏。
親戚一同勢揃いで気合いが入っていました。
朝から墓参りへ行き、夜大人たちはお酒をガバガバ飲んでどんちゃん騒ぎ。
そして締めくくりは「灯篭流し」

灯篭流し
死者の魂を弔って灯籠(灯篭)を海や川に流す行事。

wikipediaから引用

まあ大体、ロウソクが入った小さな灯篭を川に流していくのだが、そこは初盆。
お雑煮ばばあこと未亡人1年目のばあさん、気合を入れました!!
なんと5万もする灯篭を買ってきたそうだ。

5万!!?
高い!!高すぎる!!
しかし田舎のワンルーム賃貸アパートなら2ヶ月は住める金額のそれは普通の灯篭がえらく安っぽく見えるくらいの立派な灯篭。
例えているなら奮発した旅行の夕飯の舟盛り。

しかしその立派な舟盛.…いや灯篭の金額に
初盆とはいえ、親戚一同言葉を失う。

『これを川に1回流して終わり..…5万円を..…』

すると父とその兄(叔父)が2人でコソコソと物置からおじいの使ってなかった釣竿を用意。


さあ夜になり、近所の川へ。

お盆で帰ってきて、そして灯篭に乗って帰っていく。
そんな僕たちのおじいを親戚みんなで見送ります。

それは少し前に葬式でおじいを見送った時のように、、

よその家も灯篭流しをしていたので田舎の真っ暗な川が幻想的に光ります。

そしておじいを乗せた灯篭は
ほかの灯篭とともに見えなくなっていきました。


父の兄(長男)
「よし!じゅん(父)!!!巻けーーーーーーーーーー!!!!」

合図とともにうちの父(次男)が持っていた釣竿を
松方よろしくなスピードでリールをクリグリグリと巻き始めました!!
すると..…
静けさ戻る真っ暗な水面を
オートレースのような早さで灯篭がちゅんちゅんちゅんちゅんと帰ってきました!!

僕は思わず「おじーーーちゃーーーん!!!!」
と叫びました笑

叔父は戻ってきた灯篭をキャッチすると
「もったいないから来年も使おう!よし!帰るぞ!」
と帰っていきました笑

以上。
今年も良い夏休みをお迎えください。のはなしでした。

追記
豪華な灯篭流しを調べてみたら初盆に限り地域によっては「精霊流し」といってでっかい船を流すそう。
精霊流しの文化がある地域では無いのだが初盆で気合いの入ったお雑煮ばばあが大枚はたいて買ってきたのだろう笑

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