花束を君に

2016年、夏。
いつものように、息子を保育園に連れていく朝。
支度と朝食時にはテレビをつける。時間を見たり、その時やっている番組の音を聴いていると、流れで今何時ごろかなと分かるから。
その時は目覚ましテレビをつけてたんだけど、ふと、NHKの朝ドラをつけるようになった。
その時は「トト姉ちゃん」をやっていた。
朝ドラ見るの久しぶりやな、と思いながらなんとなく流してる。
主題歌は、宇多田ヒカルの「花束を君に」。
毎朝聴いてるからか、この曲が好きなのか、息子が少し覚えて、「きみに〜、きみに〜」と歌っていた。息子は穏やかな歌が好きなようだ。

私もずっと気になっていた。
「涙色の〜涙色の〜花束を君に〜」
涙色?花束が涙色?どんな色?やっぱり水色?

そして、歌を紐解くと、
それは亡くなったお母さんへの歌だった。
あぁやっぱりすごいな宇多田ヒカルは!お母さんのこと、亡くなった人のことを、こんなに優しくあたたかく表現できるなんて!と、宇多田ヒカルすげーなことが1番に思ったんだけど、、
そういえば、藤圭子って精神疾患だったんだよな、とふと思い出して、あれ?母親が精神疾患?
私とおんなじやん。お、私、宇多田ヒカルとおんなじやん!とミーハーなノリで一盛り上がりしていた。

2018年夏。
火星が地球に15年ぶりにかなりの大接近らしい。
息子が小学校に上がったのもあり、自分の時間ももう少しできたからか、何か自分のことをしたくなっていた。

ある日、宇多田ヒカル特集みたいなのがテレビでやっていた。もちろん「花束を君に」も歌っていて、それについても語っていた。

母親の病気、死。
私も似たような経験がある。
ふと、母親とのことをiPhoneメモに書き始めた。
あの時の出来事、私の想い。
もう12年前のことだけど、思い出して書いた。

でも、世間には出さなかった。
これは独りよがりだろうか、精神疾患系のブログとはいえ特に専門性もない、知識もないようなら出さない方がいいかとか。
私の感じたことが、もしかしたら正しくないかもしれないとか。

でも、今一度、世間に放ってみようと思ってね。
なぜかというと、正しいとか正しくないとか、オチがないとアカンとか、そういうのだけが重要ではないとわかったから。
書きたいから書いて、見ていただけるなら見ていただいて、それ以上に何もない。

やっとやっとシンプルになれた2023年春。
ただの想いを綴っていく。












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