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24時間営業はなくなった。そして誰もいなくなった(無人化)

24時間営業に頑なだったセブン-イレブン・ジャパンが態度を和らげたとのこと。

終日営業を維持するために人手不足などを踏まえ、従業員の募集などの支援を強化するという。その一方で、「営業時間についても重要な点は一律に判断を下すのではない」と、各加盟店の状況に応じた個別対応に含みを持たせた。

24時間営業を続ける理由

アルバイトが雇用できず、オーナー自らの睡眠時間を削って、24時間営業するなんて、働き方改革を進める世の中と逆行しているように見える。

セブンイレブンは好きなコンビニだ。頻繁にお気に入りのメニューも出てくるし、気づいたら、一部のメニューの味や食感が、グッと上がっていて驚かされる。昔、無くしてしまったコーヒーを飲む習慣も最近は復活した。

そもそも24時間、店舗を開けておく必要はなんだろう?

主な根拠はこの記事に書いてある。

まず売り上げに響きます。店を閉じている時間だけじゃなくて、開けている時間の売り上げも落ちるんです。コンビニ店舗の売り上げのピークは、夜はだいたい午後7時から10時くらいです。午後11時に閉店するとなったら、夜には棚から商品がなくなります。そのまま置いていたら深夜は何も売れないのが分かっていますから、商品の発注をしぼるんです。
 確かに深夜帯はお客が少なくて、売り上げも大きくありません。けれど、もし午前7時〜午後11時の営業にしたら、深夜ぶんの売り上げ以上に、昼の売り上げが落ちるんです。全体で3割は減収になると思います。

因果関係の推定だけでなく、データを見ての話だろうから、実際にそうなんだろう。
(2017年の記事だから、今は違うかもしれない!とは、言い難い)
開けている時間の売上も落ちるという話だ。全体の売上が大きく落ちる。
(この記事では「3割落ちる」とまで言っている!)

それは止めたくはないだろう。経営者なら何とか止めずに済む方法を模索する。冒頭の記事にあった通り、24時間開けておくことを必須としない、という判断をしたということは、3割を諦めたんだろうか? いや、ついに無人店舗への道筋をつけたんじゃないだろうか?

無人コンビニへの道のり

すでに、時期の目処、無人店舗化の手順は定めたんじゃないかと想像する。
オーナーから24時間営業が難しいという声が大きくなる前から、雇用が厳しい昨今、「無人店舗」のプロジェクトは進めていたはずだ。これを前倒しする。

一方で、無人化以外に店舗を運営する方法も模索していたはずだが、無人化に舵を切るという経営判断をしたんではないだろうか。

判断するには、段階的なゴールの設定、無人化に至るゴールの途中にある小さなゴールたちの設定も行なったと考える。
「完全無人化(あるいは、常時一人のオペレーション)」というゴールに対し、例えば、「夜間だけ無人化/一部業務の無人化」。

そして、各ゴールに至るまでに必要なゴールを設定したはずだ。例えば、

・一時的に0人でもオープンできる
 ・買い物のレジ業務のみ
 ・強盗などの犯罪に対する対応
・配送受取の自動化
・公共料金支払いの無人化
・発注業務の無人化
・商品を前に出す前だしの機械化

これらに対し、それぞれのゴールの手前に達成していないといけないゴールも確認する。それぞれのゴールの達成時期を設定する。当然、修正はあるだろうが、無人化、それに至る道筋、道筋にあるゴール時期をセブン-イレブン・ジャパンは決めたと考えている。

無人化後の世界

きっといろんなタイプの試験店舗がこれから出てくるだろう。まずはそれが楽しみだ。大きな社会実験に参加している感ある。

6万店近い全国のコンビニ、セブンイレブンだけでも2万店はある。もし、一店舗が10人のアルバイトで運営されている場合(もっと多いはずだが)、20万人が他の仕事に移ることになる。介護なのか、観光なのか、今はあまり見ない仕事なのか。

生活費のための収入以外の目的もあるだろうし、ベーシックインカムという形が広がれば、お金というリターンではなくなるかもしれない。20万人の人たちとできることを想像してみると楽しい。そして、それはそんなに先の話ではないかもしれないと思っている。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。