百人一首復習ノート:現代語訳、英訳、解釈とその感想(一一、一二)
復習ノートは、週一回くらい(週末だけ)にしておきたいところだけど、書きたいことが思いつかず、平日半ばに書くことに。まだ先が長いので、ゆるゆる続けていきたいところ。
普段、現代語で短歌を詠んでいるのであって、文語に親しみたいわけでも、文語で短歌を詠みたいわけでもない。けど、永く日本人の体に入ってきたリズムで、教養ある人が一度は親しんだ(無理やり覚えさせられた)歌に接することには、意味があることかもしれない。
教養としてではなく、自分の作歌の養分と作歌時のテクニックという実利を期待して、いまさらながら百人一首を復習してみようと思う。情報は、手元にあった百人一首の本三冊から(『百人一首がよくわかる(橋本治)』『英語で読む百人一首(ピーター・J・マクミラン)』『百人一首 (平凡社カラー新書)(馬場 あき子)』)。
noteで書くことに困った時にまとめようと思う。一つのnoteには、2首もしくは4首を取り上げたい。2首ずつ取り上げる理由は、百人一首が、二人ずつのペアが50組あるという作りだから。どうせなら、意味のあるペアの形でインプットしたい。それが連作を作るアイデアにもなるかもしれない。
一一.参議篁(さんぎたかむら)
わたの原 八十島かけて こぎ出でぬと
人には告げよ 海人のつり舟
(わたのはら やそじまかけて こぎいでぬと
ひとにはつげよ あまのつりぶね)
現代語訳
英訳
count・less /kάʊntləs(米国英語) 数え切れない、無数の
isletの複数形 /ˈaɪlɪts(米国英語) 小島
vast / vˈæst(米国英語), vάːst(英国英語) 広大な、広漠とした、莫大な、巨額の、非常な、多大の
be・yond / bɪ(j)άnd(米国英語), bɪ(j)ˈɔnd(英国英語) …の向こうに、…を越えて、…を過ぎて、…の範囲を越えて、…以上に、…よりほかは
解釈
感想
解釈を読んで、なるほど、と。漢詩文の要素があるから、読みやすいんだな。漢詩は好きだけれど、その勢いや語調を短歌に織り込もうなんて思ったことがない。篁本人も織り込もうと思って詠んだわけではないだろうけど。好きな漢詩が体に入ってくれば、こういう歌が詠めたりするだろうか。
一二.僧正遍昭(そうじょうへんじょう)
天つ風 雲のかよひ路 ふきとぢよ
乙女の姿 しばしとどめむ
(あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ
おとめのすがた しばしとどめん)
現代語訳
英訳
breezeの三人称単数現在。breezeの複数形 /ˈbrizɪz(米国英語), ˈbri:zɪz(英国英語)/ 微風、 そよ風
páth・wày / ˈpæˌθwe(米国英語), ˈpæˌθweɪ(英国英語) 小道、細道
解釈
感想
ストレートに留めてほしい、という風に言っちゃってるけど、もうこの歌があるので、同じように、留めたいシーンがあっても、「しばしとどめむ」って技が使いにくい。「しばしとどめん」って本歌取りしてる歌多そう。これも英訳読んで、意味がわかる感じ。
※引用図書の紹介
『百人一首がよくわかる』
国語の教科書にあるような、文法的に正しい訳ではなく、短歌の長さ程度の軽妙な日本語訳と、短い解説書。
『英語で読む百人一首』
百人一首の英訳。古語や現代語訳より、歌の情景が浮かぶものも多い。
『百人一首 (平凡社カラー新書)』
馬場あき子先生の著作。ただし、教養としての解説であって、歌の解釈は短め。
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。