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顧客生涯価値(LTV)を考える前と後。価値について考え続ける #マープス

無料のオンラインマーケティング講座「マープス」は第6回です。

今回も、池田さん講師回ではなく、ゲスト回。
株式会社WACULの代表、垣内勇威さんが講師でした。

今回の視聴目的

マープスの講義はいつも、マーケティングの全体像を理解するために、視聴していて、毎回、課題をしっかり持って参加しているわけではありません。でも今回のテーマ、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)には、思うところがあって、関心がある回でした。

もともと、私の考えていたLTVというものは、化粧品販売などのイメージです。生涯にわたって(といっても1年~長くても3年)、獲得できるお客様からの売上を考えた上、コストがかかっても試供品を最初に無料で配る。その費用を商品価格に反映して販売するような施策のことでした。

まだマーケティングの仕事をするずっと前、ブログにも、考えていたことを書いていました。

しかし、以前勤めていたファッションECサイトの運営会社では、顧客生涯価値など考えず、一つの受注の中で利益を確保していました。マーケティングに関わる費用は人件費などでゼロではありませんが、将来にわたっての売上獲得のための費用を乗っけたりはしていませんでした。どんな業種でも、LTVの考え方は適用すべきなんだろうか、という疑問が一つ。

それに、今回の第6回でも話題にされた「ロイヤリティ・プログラムは無意味で、ライトユーザー向けの施策を優先すべき」という主張に、ごく最近、そうだそうだ、と得心したことがありました。

ロイヤリティ・プログラム、LTVを考えることって意味があるの? という疑問を持っての視聴です。

視聴目的についての回答

私が経験してきたECで言えば、実際に買いに行く手間が省ける以外には、結局、(セールなどで)「安く買える」という魅力しかお客様にメリットを感じていただけてなかったのかもしれません。「安く買える以外にどんな価値があるのか?」ということを問い続けないといけない、という結論でした。垣内さんの話っぷりも関係ありますが、今回は、身も蓋もない結論が多かったですね。

「ロイヤリティ・プログラムなんて無価値だ」という主張については、仮にそれが正しい主張だとしても、それじゃ人は動かないというお話でした。「お客様のために」という動機があるから、それを支える人、社員が動くわけです。

ロイヤリティ・プログラムの価値がゼロでないのであれば(正しく計測できないのであれば)、その「ロイヤリティ・プログラム」施策の中で、効果をあげることをやろうよ、という結論でした。

講義内容

LTVには、二種類あります。

製品・サービスを提供する側が、一生でどれだけお客様から売上を獲得できるか? という企業側の視点。

もう一つは、言葉通り、顧客側から見た、どれだけその企業から価値を得ることができるか? という二つです。企業から価値を得ることができると思えれば、次の購入時に、同じ企業から購入することもあるでしょう。

私も誤解していましたが、どんな製品、どんな業種でも、顧客生涯価値を考えることはできます。家具は売り切りだとこれを読んでいる皆さんも考えると思いますが、周辺の小物の購入、10年後の再購入まで含めると、ちゃんと顧客獲得する価値を考え、それを顧客に示すことには意味があるでしょう。

ただ、実際には、顧客の10年以上先の価値を考えましょう、なんて言っても、社内で誰も一緒に取り組んでくれません。10年後の価値のための仕事はきっと会社から評価されませんしね。仕事上は、一年間、長くても数年内で、獲得できる価値を企業側の担当者は見て、算段するでしょう。

ロイヤリティ・プログラムの失敗

メーカーから見ると、高額商品を購入いただいたロイヤルカスタマーかもしれませんが、顧客は、購入時、機能性とコスパだけで購入することがあります。好きじゃない会社から、「あなたはプラチナです」「ゴールドです」と言われても嬉しくありません。知らない人(企業)からの「お誕生日おめでとう」と言われることも、気持ちが悪い。

うちでだけ使えます、というポイントも利用しにくいですよね。よく利用してくれるお客様はポイントがなくても利用してくれますし、ポイント利用が多いお客様は、結局、その常連さんになります。

会員アプリ、オウンドメディアも、特に、企業側の都合で作られて、失敗しているケースが多いものとして紹介されていました。

BtoBの企業としては、オウンドメディアにストックされた情報が、価値を持つことがありますが、確かにファッションECの時は、メディアから購入してくれるお客様なんて、少数でした。記事がバズっても商品を購入する動機にはなりません。そのメディアは早々に消えてしまいましたね。

ブランドの誤解

多くの人が語るブランドって、実はブランドじゃありません。担当者の「好み」を「ブランド」という言葉に置き換えて、(施策に対して)指摘したいだけ、という話がありました。

「俺はそう思うけど~」と指摘をすると波風立つので、「ブランドが傷つく」という言い方をしている、と。電車内で、シャツのシミが気になってしまうシーンを例に、ほとんどの人は知らない誰かのシャツのシミなんか気にしないというお話。人の心に刺さるほどのものでないと、頭の中にブランドなんて描かれません(ほとんどの商品は「ブランド」として定着していません)。

ただし、一部のラグジュアリーブランドは、別です。銀座のエルメスでドアマンがあくびしてたら、それはブランド価値を傷つける一因になりそうです。

カスタマージャーニーは作らなくていい

カスタマージャーニーマップなんか描かなくていいから、5人のユーザーに話聞けばいい(垣内さん)。

何がきっかけで購入するようになったか、といった歴史、何にメリットを感じているかは、5人に話を聞けばわかります。

(池田さん)購入してくれたお客様は、ジャーニーのゴールに辿りついた人なので、その人に「あなたはどうして、ここのゴールにたどりついたんですか?」ということを聞けばいい、というお話でした。

ペルソナ作成などもそうですが、やった感だけ生まれて、それが成果に結びつくものにならないことは多いですよね。ここはマーケティング担当者としても意識したいところです。

経験も浅く、マーケターとしての実績がない私が、作る意味ないよ、と言っても聞いてくれない場合もあるので、作りたい人がいれば、一緒に作成はします。顧客のことを考えるきっかけにはなりますし。楽しいですし。

まとめ

結論として、
・製品・サービスにバリューがあるかどうか?
・「なぜ、あなたはこの店に来るんですか?」
を問い続ける、ということでした。

LTVを向上する前に「お客様にとって何が価値なんですか?」ということを問う。そして問い続ける。価値がないものを、あるようにはできなません、という身も蓋もない話でした。とてもよいお話でしたね。

課題図書が溜まってますが、垣内さんの書籍もちゃんと読みます。

※次回の講座はこちら

結局、第一想起でしょ、ということは考えます。それを獲得するためにできることと言えば、広告ですよね。BtoBでは、ある種のサービス、ソリューションを世に問うために、それをリードした企業というイメージをつけるための業界活動(ロビー活動)がありますが、BtoBでも、後発ができることと言えば、その一つ、真っ先に施策案が出るものの一つですよね「広告」。次回も楽しみです。


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