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新しい街

成蹊大学の近くに引越してきました。

大阪の家で過ごす最後の2日くらいは東京生活への期待よりかは大阪生活のもどかしさみたいのがまだ拭いきれず気分が晴れなかったのだけど、新大阪駅で新幹線に乗り、名古屋・静岡と通り過ぎるにつれて「東京~いぇ~い!」と爽快な気分になっていった。やはり風水的に大阪という土地が合わなかったのか。それとも仕事の色眼鏡で街がみえてしまってたのか。あるいは知り合いのいない土地はなかなか情がわかないものだったのか。霊媒師がみたら大阪のわたしの両肩にいたヘビー級背後霊が山手線にのるころにはおそらくきれいさっぱりいなくなっていたかもしれない。品川あたりで気のせいか肩が軽くなり地元の路線から街に降り立ったときの安心感は感無量だった。

しかし東京の人はだいたいみんなこぎれいな恰好をしている。伸びきったトレーナーがお恥ずかしい。そして大阪に行ったときに、外食が安くてびっくりした分だけ東京は外食が高くて逆びっくりした。さすが東京。

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新しい家はのどかな住宅街にたたずむこじんまりとした建物で、大阪の社宅と比べたらダウングレードだったので、一度上げた生活の質を下げれるものだろうかと少しだけ心配したが、家のサイズに合わせて物も処分したら生活が簡素になってとてもすっきりしたし動線も無駄がなくて最高だ。ここは駅からも遠く車の往来もないので静かで、すぐ近くに広い公園と小中学校と図書館とコープがあるようなとてもすてきな街だ。バルコニーからの風景は一面テニスコートで窓を開けると軽快なボール音が聞こえてくる。ヒョヌは住んで2日目で「この町は庶民が住む町ランキング東京1位かもしれない」と涙を流して喜んでいる。

怒涛の10時間片付けの末にやっと引越し段ボールがなくなった次の日にさっそく両親が遊びに来て吉祥寺で食事をした。親チャンスでまわらない焼肉とビッグパフェをたらふく食べた。お腹がすいたら親チャンスがつかえるのも東京生活の醍醐味だ。

新しい街での生活があらゆる面で幸せにあふれすぎていてバチがあたりそうだけど、つらい時期が明るい新生活へのフリだったと考えて存分に享受させてもらうことにする。ただ夏になってあの害虫が入り込むようなことが万が一あったらこの幸せな生活に暗雲が立ち込める。


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