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アーサー王物語をBBCする

 ケンブリッジに寒い冬に来て5か月が過ぎ、やっと春の気配が出てきました。自然が動き始めているように思えます。

 ケンブリッジに来たのはカミさんの転勤についてきただけなので、私としてはここで何かをしたいということはなかったのですが、カミさんの会社の転勤者支援として配偶者の英語の個人レッスンが30回分がついていたので、英語が苦手な私としてはいい機会だと思って始めました。

 その授業ももう終わりになり、とくに苦手意識が取れたわけでも、聞き取り能力が上がったわけでもないのですが、英語媒体に少しは興味が出てきました。

 最近、見て面白かったのはYou Tubeに出ていたBBCの歴史ドキュメンタリーで、ブリテン島に侵入したアングロ・サクソン人と戦うアーサー王のストーリーとアーサー王の城との伝承のあるティンタジェル城の遺跡をめぐるドキュメンタリーでした。

 小学生だった頃以来のアーサー王ファンとしてワクワクしてみました。

 ナレーターにアリス・ロバーツという知的で美人の自然人類学教授を起用し、広大な土地を上空からマッピングする考古学の技術や出土物の最先端の成分分析技術を駆使し、地道な考古学的調査、遺伝子研究、文献研究まで盛り込み、アーサー王伝承と事実との関係に迫っています。

  ブリテン先住民と侵入したアングロ・サクソン人の間には大規模な戦いはなかった、ティンタジェルは地中海世界との交易で栄えていたといったことがらが次第に明らかにされていきます。

 アーサー王物語は、私にとって面白く魅力的であることには変わりないのですが、このドキュメンタリーでは、事実の探求にはお話とはまた別の面白さがあることがよく出ていました。

 伝承を実証的にクールに分析するBBCのよくできたドキュメンタリーです。

 ティンタジェル城跡を見に行きたくなりました。 

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