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Vol.77 PSPについて

オンライン決済サービス関連のライセンス取得希望が、シンガポールに殺到しているそうです。

昨年、Payment Services Act と言うルールが新たに発効されています。

うちのチームでも定期的に、このテーマに関連したミーティングをしていて

この辺りで課題を一旦、整理してみます。


まず

「結局、法定通貨を国際送金するとスイフトとかの制約を受けるよね」

とは同僚のコメントで

なるほど、例えオンラインウォレット間でも

クロスボーダーに送金するには、現状の仕組みを利用せざるを得ないと言う指摘です。


例えばA国からB国へ送金するケースを考えてみましょう。

利用者からすると従来の銀行送金より手数料が割安で迅速なサービスが

新たに出てきており活用されている方も多いと思いますが

これを事業として実現する視点で考えると

A国、B国それぞれのマーケットで十分な資金流動性(リクイディティ)を確保する点が1つカギとなります。

それにより国内のリクイディティでクロスボーダーなリクエストにも応えられるからです。

換言すると、それぞれのマーケットで十分なリクイディティがないと

従来のサービスと差異化するのが難しくなるという事でもあります。


続いての論点は、高度35,000フィートから事象を眺めてみると

商業不動産の時に触れた物流の話に少し似ているのですが

途中の工程が創意工夫される一方で

サービス利用にあたっての”ラストワンマイル”は銀行口座では?と言うところ。

実際、アンバンクド(銀行口座を持たない層)の課題を持つ地域において

スマホ宛にウォレットから送金できるフィンテックが進むのは重要な示唆です。


クリプトの仕組みを決済サービスに活かすニーズが拡がっているのは、おそらく以上の点が関連しています。

ライセンスやイニシャルコストの部分をクリアできたとして

ターゲットとする地域で利用者が使いたくなるようなソリューションを提供し

リクイディティを確保する道筋を描けるかが次なるチャレンジとなりそうです。

*******Disclaimer*******
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