父と娘の記録 vol.2

なかなかコンスタントに取り組めないのは
私の課題
父の姿を直視したくない私も居た
久々に向き合おう

2024.1
父が緩和ケア病棟に入ってから1ヶ月ほど経った頃
父の状態はとても落ち着いていた
家族がいる中で夕食をとることが嬉しそうだった

そうは言ってもゆっくりゆっくり変化は出てきていた
脳の半分ほどに肥大化した腫瘍のせいで視野が狭くなり、ピントが合いづらくなったらしい
携帯が操作できない
目の前のフォークが取れない
茶碗が持てない
父はできないことが増えることを受け入れつつも、悲しそうだった

それでも変わらずたわいもない話をしたり、思い出話をしたりと、父が思う穏やかな時間を過ごせていた

来客があるときには
「ちゃんと準備してお出迎えしないと」
と母に注意をしては、節度を持ってもてなすことを忘れずにいた
父らしい姿だ

転院したての頃に担当医師から
「状態が変化していくと、今まで言わなかったようなきついことや性格が変わったように感じる行動をとることがある」
と話があった
とはいえ、変わらない性分というのはこういう時にも現れるんだなと実感した

一日一日穏やかに家族と過ごす時間を重ねられることが決して当たり前ではないことを、父が教えてくれた


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