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ナイトモノクロスナップ|公園から街へ編|まずはリッチトーンモノクロ、次にISO25600に設定して。|Black and white

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前々回渾身のたいやき君写真を撮影したあとに、3機のカメラをモノクロ設定して、

「ナイトモノクロームスナップ」夜の白黒撮りに出てみることにしました。結論を一つ先に言うならば「家でたいやきを撮っているより楽しい」という悟りを得た次第です。

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道中は持参した1機、SONY・RX100M4というコンデジを「リッチトーンモノクロ」という設定にてウォーキングアップがてら信号待ちに撮ってみました。それなりに手振れもあるはずの片手で適当に撮った1枚ですが、

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拡大してみると、驚きました。三枚撮ってカメラ内合成するHDRの派生メニューですが、1インチセンサーで夜に手持ち適当に撮ったとは思えないほど、光を取り込んで調理してくれています。意識せず撮っていましたが、事後確認するとISO125から1000の間でカメラは撮ってくれていました。1インチセンサーゆえ被写界深度も一定保ち、階段奥や事務所の電気コードまでしっかり輪郭を確認することができます。

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被写体が動体でなければ綺麗に合成し、階調豊かにかつこのような低ISO環境で撮ってくれ、さらにはJPGであってもレタッチ耐性がコンデジ夜撮影とは思えない高い形で出してくれる点が、一つ大きく特筆するメリットかもしれません。オリジナルでみるとホームにいる人の輪郭も確認できます。暗所のコンデジ撮影でこれだけ撮れる技術に脱帽するばかりです。

合成ゆえ動体はかなり苦手な部類ですが、駅前の光がある写真のケースだと、SS1/80をカメラは選択し、カメラ内合成とは思えない様相で動体にもかかわらず被写体ぶれなしで描き出して来てくれました。

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ピクチャーエフェクト:リッチトーンモノクロモードは、2011年発売のNEX-5Nあたりから搭載されはじめ、これ以降のSONY機であればエントリーコンデジから高級コンデジ、APS、フルサイズまでクラスを問わず全機種搭載されており、

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私も実際にテストをしてみましたが「モノクロ+HDR」とは少し異なり「モノクロ+HDR+モノクロ専用アルゴリズムによるチューニング」となっていると見受けられ、1インチセンサーで上質なモノクロが小さいレンズで、フルサイズJPGに迫るレベルで撮れる優れものに思います。

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他社のカメラでも「モノクロモード+HDR設定+コントラスト等微調整」で似たような形にできるかもしれませんが、ボタン一つで簡易にこのような機能を使えるのはソニーだけのように思い、今までほとんど使ったことがありませんでしたが、モノクロ好きでJPG派の方はこれだけでもソニーを選ぶ価値ある機能のように思わなくもありません。


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欠点としては1)動体には弱いという他は、2)1枚撮って合成するのにコンデジで3秒前後、フルサイズだと5秒前後時間がかかり、次まで撮れないという二枚目以降の一時的速写性の低下または連写不可、3)精細に陰影を拾い合成するので十分な光量がないところでは人肌は綺麗に写りにくい(物撮りは多少光がなくとも質感を出しやすい)、4)ボケが不自然になることがある、5)RAW撮りする方にはそもそも必要ない機能かもしれませんがリッチトーンモノクロ選択時はRAW撮りできない、という主に5点が思い浮かびます。いずれにしてもこれだけの特筆級な性能・メニューをSONYはさして宣伝していないから不思議になります。1インチコンデジでフルサイズに迫るダイナミックレンジやISO環境を実現するのですから、APSやフルサイズのリッチトーンモノクロはどこまですごいのか、近々試してみたいと思います。


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公園の駐車場につきました。合成ゆえ人はこのケースでは若干暗くSSが遅くなった分、分身していますが、軒先の裏側も艶やかなRX100M4リッチトーンモノクロから、

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コンデジで撮った1枚と比べて、軒先の裏側がだいぶ破綻しているのがご覧頂けますでしょうか。NEX-6+Gコンタックス35mmF2(換算52mm)に持ち替えて、ISOは25600に設定したJPG、フィルムっぽさを目指してあえてノイジーで行ってみることにします。

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ディテールを保つのが難しいほどに、2012年発売のAPS1,600万画素でのISO25,600ですから、現在のフルサイズ高感度にそこそこ強いタイプ比ISO100,000級かもしれません。が、何事も経験、かまわず出発です。

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夜の公園、肉眼で歩くには支障がない程度に電灯がある中、カメラにとってはかなり暗い状況です。レンズはコンタックスG35mmF2のマニュアルにて電子ビューファインダーでの拡大ピントやピーキングに助けられながら、スチル撮影をすることができます。

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このNEX-6にも有難いことにリッチトーンモノクロはついていますが、あえて使わずにクリエイティブスタイル:モノクロモードで撮影することにしてみました。

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夏であれば蚊が大敵となりますが、

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気候も心地よく、

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健康的でなかなかに楽しい時間です。

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「そうだ、夜にモノクロで写真を撮りに行こう」

という一歩間違うと職質級のこの危ない儀式は、

まず行き先を決めるところから始まります。

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公園に行って夜の花でも撮ってみる、川沿いの土手に行って水面に写る街の灯りでも撮ってみる、

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海沿いのほうへ行って、たとえば横浜や湘南方面などおしゃれな街という被写体依存で向かってみる、お台場など港系もいいかもしれない、

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新宿や渋谷など繁華街にしてみようか、

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なんだか考えてらためんどくさい気がしてきたから最低限の気分転換で隣の駅程度にしようかな、

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などと意思形成に向けて内心意気揚々に考えていると、

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自然もあって、街もあるところはどうだろうか、という切り口になり、

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そうだ吉祥寺であれば、井の頭公園があって、吉祥寺駅周辺があって歩く距離もほどほどそうに二毛作を楽しめそうだとモノクロ探検隊初めての航海先が決まりました。

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また方々時折出向いてみたいと思いますが、

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初戦がなかなかに魅力的なコンテンツに溢れるエリアだっただけに、

次回以降のモチベーションが心配になってきますが、

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方々その街、そのエリアごとの魅力や特色があり、あるいは小さい街であればもっとささっとライトな撮影散歩もできそうで、

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それも楽しみに、次の選定を考えてみています。

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モノクロ10級の入門生として、

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初戦はコントラスト強めで攻めてみて、

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奥深いディープシャドウからの優しいトーンの起き上がりと精細な透きとおる解像感、みたいなものはまたトライしてみるとしたり、都度テーマを模索しながら、白黒の勉強を楽しみたいと思います。

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ここの階段が、この日雨上がりの少し湿った空気感と合わさって、どこか異国情緒を感じれたような気がしていると、

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素敵なおじさまが目に入りました。

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慌てずに少しずつ近づいてみることにします。

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街灯りでかなり光量が増えてきましたが、この日はISO25600と決めており、

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まだノイズまみれで、しかもフィルム感も出ていないような気がしてきて、

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ただのディテールも分からないコントラストがきついだけの白黒写真と言えなくもなく、

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わざわざいったい何をしに来たのだろう、という疑念が湧いてこないわけではありませんが、

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モノクロを知っていく一つとして、この日はとにかく撮り続けてみました、

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ときには振り返りながら。

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段々と人が多くなってきたあたりで、モノクロ探検隊、次回へ続く。



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