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「夏至が近いですから」と言われる【三日以上続けば万々歳日記】

魔術的な意味の高い土地に夢で行く(実際は多分存在しない)。
日本国内にあるのだけれど、その歴史的意味の真偽は微妙な場所だ。観光客向けの場所といってもいい。

いつもわたしは夢の中では、ここが夢だとわかり、一人称視点で自由に動き回れるタイプだ。
しかし、今回の夢は違った。現実のように動き回れるのだけど、夢だと気づいていない。その上、偽の記憶まであった。過去にわたしは、弟とここを訪れている。しっかりとした記憶。あまりにもはっきりと、「思い出」として覚えているので、起きた瞬間には実在している場所かのように思った。

その場所には、青い絵の具で目がたくさん書いてある木でできた真っ白な機関車が展示されているのが印象的だった。ほかには、降霊術を行うための人形が並んでいる。

ぼんやりと眺めていると、いつの間にか案内人と名乗る人が隣におり「今年の占いはすごいですよ。土地の力が本当に今年はすごい。あまりにも才がある人は観光客であろうと土地に見染められ、力が使えるようになっている」と言う。それから「夏至が近いですから、占うなら今がいいですよ。あなたも占えばきっと本当の答えがでるはずです」とも。
わたしは何も占ってもらうことがないので、困ってしまった。
しばらく考え、ふと足元を見ると冷たい水があることに気付く。たどっていくと、土地に見染められた人たちがトイレの横に付いている水垢離場しているところだった。足の指に水の冷たさがじんと染みて気持ちがいい。

「思い出の中」では、インチキ臭いと感じていたことを思い出した。しかし、どうも今回は神聖というかなにか起こりそうな気配がする。
怖いので、とりあえず昼飯を食べることにした。
案内役の人が、しきりにジンギスカン屋に連れて行きたがる。施設内にあるのだ。
なぜジンギスカン?と、そこに連れていかれた人は皆思うだろう。
わたしも、施設内にジンギスカン屋なんか作るから、どこか嘘くさいB級の珍スポットと言われるんだと内心思っていると、心を読んだかのように案内役の女が言う。
「儀式で使ったヤギを使用しているんですよ」
わたしは不安になる。何かよくわからない儀式で使われたヤギなんて、食べていいのだろうか。そもそも、ジンギスカンって羊を焼く気がする。

不安でぐるぐるしているところ、目が覚めた。
女の、「夏至が近いですから」の声がまだ耳に張り付いている。

昼・夕

昨日半額だった肉を焼いて食べる。
コーヒーを五杯も飲んでしまったのでおなかが緩い。
それから少しだけ、クーロン黒沢の著書を夕方まで読んで仕事に出かけた。

友人と電話しながらお風呂に入る。
ぼーっとしていると、太鼓の音が聞こえる、耳を澄ませるとどんどんお囃子の音になり、お湯につかりすぎたのだと反省。
今夜は今から、読み途中の本を読んでから寝る。

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