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羊が見ている【三日以上続けば万々歳日記】

日記二日目。二日も続けば最高だ。

昨晩、上手に寝付けなかった。いつも布団に入って数秒で寝てしまうわたしだからその異常事態感といったら本当に異常だ。
明け方4時ごろ。寝返りをうちながら「寝れねー」と、つぶやいていると薄らぼんやり夜があけてくる。
朝の光って、自然の中で見ると夕焼けと大して変わらないのに、建物の中や都会で見ると青いのは何故だろう。
そんなことを思っているうちにスッと眠りについた。

目覚めると11時過ぎだった。昨日と同じ起床時間。もしかしたら、この時間に起きるクセがつき始めているのかもしれない。
何時に寝ても起きるのが同じなら、早く寝たら好きなことできなくて損?

ベッドから手を伸ばしてさくらももこの『おんぶにだっこ』を読む。
筆者の幼少期の記憶が描かれているエッセイは、面白さと切なさとが入り混じり妙にわたしをノスタルジックにさせた。
それにしても、彼女は感情込みで幼少期のことを覚えていてすごい。
わたしは、小さい頃の記憶がたぶんある方だけど景色としてそれが残っているのみだ。それを見て自分がどう思ったかなんて覚えていない。
わたしの一番古い記憶は、まだ一歳に満たない頃のもの。

母、祖母、祖父、わたしの4人で高原を走るに車の中の風景だ。
母がレギュレーターをクルクルと回し車の窓を、開ける姿。その指についた青い指輪がきらきらとひかり、空いた窓からは土の匂いが舞い込んでくる。
それから、こちらをじっと見ている羊の群れ。

ようやく起き上がり、窓を開ける。12:30ごろ。
窓辺にふと目をやると、マグマ大使の花が咲いていた。
マグマ大使とは、わたしが六年ほど育てているサボテンだ。他にも、ポロポロ、つまようじ、紅ブンブン丸などがいる。
黄色くて大振りの花を、王冠のように頭にデーンっと一輪乗せている。マグマ大使、随分と豪快なやつだったんだな。強そうだ。いいぞ。

あまりにも可愛らしいので写真も載せておこう。

アルバイトへ向かうために、化粧をする。
すると、顔の横に光輝く糸を見つけた。引っ張ってみると自分の顔につながっている。
白髪だった。わたしは生まれて初めて、自分から出ている白髪を見つけたのでショックで仕方ない。
確実に歳、取ってるんだな。

アルバイトが終わり、歩いて帰る。
霞がかった半月が綺麗だ。
今夜はしゅうまいを食べて寝る。

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