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『宝石の国』1~(市川春子 講談社アフタヌーンコミックス)


丁寧な返答をくださって、本当にありがとう。

私には、先入観がありました。外国の人には、ドラゴンボールのような、バトルマンガが好まれるのではないか、という感覚です。

ナルトやワンピースは、敵であっても独自の正義に基づいている。多種多様な利害や主義が、共闘や反発を生んでいます。現代の社会にも通じる感覚です。ナルトやワンピースが世界の人々に受け入れられているのを見ると、不思議な気持ちになります。私たち日本人が社会に対して感じることを、国境を超えて、世界の人々が共感しているように思えるのです。やるせなさや、不条理への怒り、愛や友情への信頼、、。もちろん、それは、実際には共感ではないかもしれません。

これらのマンガは、社会や人間同士の関わりを描いています。読む人は、自分との接点を見つけやすい。なぜなら、社会や他人との関わりを持たない人はいないからです。

『宝石の国』は、作品のテーマに、生物とは何か、ということが含まれていると私は考えます。概念ではなく、生物として、生きるとは何か、ということを考えさせられるマンガです。

自分との対話を促されるマンガです。読んだ人同士が、感想を言い合い、共感を広げることは難しい。『宝石の国』のような挑戦的なマンガが、外国でどのように読まれるのか、興味がありました。

ですが、私は傲慢でした。私は恥ずかしい。作品に、無意識に国境を作っていました。評価すること、読まれること、それに、日本も外国もありません。あなたにそれを気づかされました。とても感謝しています。

一人のマンガファンとして、あなたを尊敬しているし、あなたの読書ライフを応援しています。

このようなマンガを言語の壁を超えて読むことができ、感想を話し合うことができる技術に驚きます。私はマンガ文化の多様性と、それに商業的なセールスを与える消費者を、愛しています。また、その消費者の一人であることに、喜びを感じます。

誠実な対応をしてくれて、ありがとう。


(ネットで知り合ったベトナムの方へのメール)
『宝石の国』1~ (市川春子 講談社アフタヌーンコミックス)


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