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計画力 vs 臨機応変力


「計画とは崩れるためにある。」

最近小学生の頃に通っていた学童の指導員がよく言っていた言葉を思い出す。今日もまたひとつの計画が音を立てて崩れ去った。実に清々しい気分である。

1.理想主義


あなたは何か事に当たる際、現状を見て足元から実現可能な計画を立てるタイプだろうか?それとも理想を掲げ、そこから逆算して計算を立てるタイプだろうか?無論どちらにも秀でた点があり弱点もある。

私は完全に後者である。
まず理想ありき。そしてそこに至るまでに必要な事を書き出してひとつずつ実践していくタイプだ。掲げる夢はでっかい方がいい。もちろん小さな一歩の積み重ねが何よりも大切だということは理解しているが、目標がでかいぶん足元がお留守になりがちだ。

計画の建て方もかなり長期目線なことが多い。
10年先の未来を夢見て語るが、1週間後の予定は大抵詰めが甘い。堅実性に欠けていて、丁寧に物事を考えられる人をイライラさせることもある。

悪い事ばかり書いたが、大局を動かす可能性があるとしたら理想を語れる人物だろう。私がそうであるとは口が裂けても言えないが、年齢を言い訳にせずに堂々と理想を語れる自分ではありたいと思っている。

2.えーっとそれ、こないだ言いましたよね?


私の活動には2つの軸がある。

1つは各クラスを巡回して行う教員へ直接指導。もう1つは週1回開催する教員向けのセミナーである。

もともとボランティア先の学校では、毎週金曜日は教員研修の日だったので、その枠に私が入り込むのは容易だった。他に講師をやりたい人が現れない限りセミナーの主催をやらせていただいている。来週は校長自身がセミナー講師をやるというので、その次の週の私のセミナー内容について相談しにいったところ、事件は起きた。

「セミナーばっかじゃ身に付かないよね?」

と配属先の校長先生。
えーっとそれ、こないだ言いましたよね?

もともと一度のセミナーで全て完璧に身に付けていただけるとは思っていない。だからこそ各クラスを巡回することに意味があるのだ。セミナーで伝えた内容を、実際に現場に入って担任と一緒に実践して次のセミナーで実践報告をする。そうして先生方への知識と技術の定着を図る。

そういう計画だった。

だがここで、いったん週一回のセミナーはキャンセルになりそうだ。改めて作戦の練り直し。ここに至るまでに半年くらい掛かったのだが、なかなか思い通りにはいかないものである。

まったく鍛えさせてくれるぜ。

3.ゴールは変わらない。道のりが変わっただけだ。

ここで私の常日頃から掲げる理想主義が生きてくる。大きな目標の前では小さなトラブルは取るに足らない出来事だ。私が見据えているのはナミビアの特別支援教育の10年後。1週間後の予定なんてそもそも曖昧な私にとって、今週と来週のセミナーのキャンセルくらいかすり傷だ。

これが既に緻密な計画を立てていたらどうなっていただろうか。修正するのにも時間が掛かるだろう。急な予定の変更に慌てふためいていたかもしれない。

良かった。
ガサツで。
別に凹んでないもん。
強がってないもん。

とりあえず校長先生の権威主義的な側面のある我が校では、校長がキャンセルと言ったらキャンセルだ。私のセミナーを再開するには別の作戦が必要。つまり、先生方に知識や技術を定着させるための新しい別のアイデアを校長に持ち込み、OKをもらう必要がある。

どーしよっかなぁ。
絶賛考えているところである。
臨機応変な対応力が鍛えられている。

本当思い通りにはいかないものだ。こんな時に思い浮かぶのは小学生の頃聞いた学童の指導員のあの格言だ。

「計画とは崩れるためにある。」

あの頃は水族館に行くまでに真逆に1時間チャリを漕いで大幅に予定が崩れるような遠足を楽しんでいたものだ。こんな現状だが童心に帰って楽しんでみようかな。

ゴールは変わらない。
道のりが変わっただけだ。

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