おーくぼ先生

障害児,者支援 / 特別支援教育 / 愛知で6年、ナミビア🇳🇦で2年、また愛知で1年

おーくぼ先生

障害児,者支援 / 特別支援教育 / 愛知で6年、ナミビア🇳🇦で2年、また愛知で1年

最近の記事

ドイツには特別支援学校あったよ

姪の授業参観から数日。 私は姉夫婦と別れ、ヴェローナという街にやって来ていた。 イタリア滞在の最終日。 ドイツ行きの電車を待ちながら、前回の記事へのコメントやメッセージを読んだ。読み進めるにつれ、皆さんのインクルーシブ教育への関心の高さを実感する。なかには全く新しく知る情報もあり、とても勉強になった。たくさんのコメントやメッセージをいただき本当にありがたい限りである。 − 世の中は知らないことの方が多い。 なのにちょっと油断するとすぐ、自分のせまい視野の中で何かしら

    • 姪っ子の授業参観 in イタリア

      姪っ子の授業参観をした。 叔父としてこれ以上幸せなことはない。 ただちょっぴり普通じゃないのはここはイタリアで、イタリアには特別支援学校が無いということだ。 この国では、1971年の法律改正から順に特別支援学校と支援学級が廃止されていった。もともとは「全ての障害児が地域の学校で教育を受ける権利を保障する」という趣旨であった。いわゆる「フル・インクルーシブ教育」がこの国の教育の根幹にある。 それから50年余り。 それ自体に強烈な価値観を孕み「フル・インクルーシブ教育」はイ

      • この空の下

        2013年4月。 初めて陸前高田市を訪れた。 東日本大震災から2年が経った頃だった。 この頃になると震災関連のニュースがTVで取り上げられることもほとんどなくなり、他県に住む人々からは被災地の現状は見えにくくなっていた。 かくいう私も当時は愛知県で暮らしており「2年経ってニュースでやらなくなったという事はそれなりに復興も進んでいるのだろう。」という思い込みを、無意識のうちに抱いていた。 しかし、現地に着いた私たちはすぐに言葉を失うことになった。こんなにも心が痛む光景を見

        • ネタバレに気をつけて映画の感想を書く2023

          昔より映画で泣きすぎるんだけどそういうお年頃なのかしら?昔より涙もろくなったアラサー手ぇ挙げてみ? 先々週くらいにスマホのメモが全て消えました。 幸いなことにPCの方にバックアップが残ってたので、せっかくなので整理していたら、ここ2~3ヶ月で観た映画の感想が出てきました。 鑑賞直後に書いた感想だったからか、引く程熱量高くて居た堪れなかったので年越す前にここに晒して供養させてください。 それにしてもいっぱい泣きました。 それではれりごー ※念の為、以下ネタバレ注意です!

        ドイツには特別支援学校あったよ

          アンパンマン・シンドローム

          芸能人の不祥事が報道される。 よってたかって袋叩きにする。 正義の名の下に悪を叩くことは、人々に得も言われぬ充足感と万能感を与えてしまう。そのせいで一人の人生を奪うことになるかもしれない、なんてことまで想像は至らない。誰が正義で、誰が悪かなんて分からなくなる。 「正義」とは。 「悪」とは。 悪を叩くという行為になると、なぜ人々は歯止めが効かなくなり、やり過ぎてしまうのだろうか。子どもが生まれてから大人になる過程の中で「正義感」はどのように育まれていくのだろうか。 この年

          アンパンマン・シンドローム

          かめきち vs おーくぼ

          英語で生活していたとき「vs.(バーサス)」という表現を割と使っていた。この「vs」は必ずしも「阪神 vs オリックス」のように「対立」を表すだけではない。単純に「異なる二者を比較する」ために用いられることが多い。 はい、これテストに出まーす。(出ません。) 先日「こどもリハビリかめきち」のかめきち先生🐢と「繊細さんへの物事の伝え方」について話す機会があった。我々は日頃から子どもの話ばかりしているのだが、面白いことにおーくぼとかめきち先生の思考回路はほぼ真逆であることが分

          かめきち vs おーくぼ

          私がひげを剃らないワケ

          おーくぼはヒゲが濃い。 胸とお腹は無毛で、腕毛もほぼ無い。 脚全体の毛は人並みだが、髪の毛についても残念ながら細々している。 ヒゲだけが濃いのだ。 高校生の頃にはすでにモミアゲと合流を果たしていた。 何をそんなに主張しているんだろう。 剃っても剃っても生えてきやがって。 1.剃っていた時期もありました 社会人としての身だしなみに髭剃りがある。 寄宿舎で生活する生徒は髭剃りの方法を学んでいるくらいだし、おーくぼも社会人になりたての頃は毎朝丁寧に剃っていたものだ。 だがや

          私がひげを剃らないワケ

          誰も叱ってくれない

          32歳になって5ヶ月経った。 最近仕事で怒られなくなったなあと気付いた。 スキルが身に付いたからだろうか。それとも少しは成長できたのかな。そんなゆるゆるな自己肯定を甘んじて受け入れてる現状があった。でもきっとそれは勘違い。いわゆる新人でもなく、ベテランでもない中堅のヒゲ生やしたおじさんにはみんな言いづらいだけだよ。正直。 ってコトに気付いてしまった。 1.くそみそに怒られた1年目 1年目の先生は「初任者研修」という新人研修を受ける。その研修項目の中に「研究授業」なるも

          誰も叱ってくれない

          中古車輸出ビジネスの「闇」

          ナミビアを走る車の多くは日本車だ。 体感でいうとおよそ7割くらいだろうか。 そしてそのほとんどが中古車である。 中古車。 全て輸入品。 つい先日、私は日本国内の中古車輸出業界のとんでもない闇を覗いてしまった。 1.日本車めっちゃええわぁ 手前味噌ながら申し上げるとやはり日本車の性能はズバ抜けて良い。ストレスがない。信じられないかもしれないが他国の中古車はスキマ風が吹き込んできたり、そもそもドアが開かないものも良くある。日本車はナミビア人からの評価も格別に高い。 まぁボ

          中古車輸出ビジネスの「闇」

          計画力 vs 臨機応変力

          「計画とは崩れるためにある。」 最近小学生の頃に通っていた学童の指導員がよく言っていた言葉を思い出す。今日もまたひとつの計画が音を立てて崩れ去った。実に清々しい気分である。 1.理想主義 あなたは何か事に当たる際、現状を見て足元から実現可能な計画を立てるタイプだろうか?それとも理想を掲げ、そこから逆算して計算を立てるタイプだろうか?無論どちらにも秀でた点があり弱点もある。 私は完全に後者である。 まず理想ありき。そしてそこに至るまでに必要な事を書き出してひとつずつ実践し

          計画力 vs 臨機応変力

          出来ない子って呼ばないで。

          『この子は○○ができない子。』 『この子の○○がダメなんだ。』 先生達の口から出てくる子ども達への評価は「出来ない子」扱いが多い。ナミビアの特別支援学校で働く中でどうしても気になってしまうことのひとつだ。 障害というものを考える時に、もしかしたら同じ様に考える人も多いかもしれない。もちろん彼らに悪気はないし、決してそれが悪い事と言いたいわけではないが、もっと詳しく知るだけで感じ方が変わってくるのになぁと思ってしまう。 1.障害児は出来ない子ではない 特別支援の教育者と

          出来ない子って呼ばないで。

          問題:日本は何歳でしょうか?

          ナミビアが独立して32年が経つ。 私は来月31歳になる。 ナミビアの方がひとつ先輩だ。ナミビアの年長者の方々は独立当時を経験している。そこではいったいどんな経験をしたのだろうか。いずれ聞いてみたいものである。 しかしなんというか、 日本人の感覚からするとひとつの国家と自分がほぼ同い年だという事実には単純に驚く。なんせ日本の歴史って長いのだ。 そこまで話してふと疑問に思う。 日本はいったい何歳なんだ? 自分の国のことなのに意外と知らないものである。海外にいって聞かれた時

          問題:日本は何歳でしょうか?

          "チャイナ"と呼ばれるわたし達

          「ニーハオ!ニーハオ!」 「ハロー!チャイナ!」 街を歩けば私に向かって飛んでくるのはこんな言葉達だ。 無論アフリカの人々にとってアジア人の顔を見分けるのは非常に難しい。ましてナミビアには元々かなりの数の中国人が住んでいたので、アジア人=中国人という先入観が根付いていることに不思議はない。 でもね。 私は日本人なの。 せっかくならばナミビア人に日本の事を知って欲しいし、日本人としての自分を認識して欲しい。今日はそんなアフリカにおけるアジア人の立場について綴ろうと思う 1

          "チャイナ"と呼ばれるわたし達

          命のお話

          私は普段 YouTubeや Instagramで自分の活動を紹介している。その背景にはナミビアの良いところを知ってもらいたいとか、特別支援教育の面白さを伝えたいなどといった想いがある。 しかし途上国に来ている以上、華やかな暮らしばかりではないのは当然だろう。少し重たい内容になるが、私が実際に直面し、感じたことをありのままに綴りたいと思う。 1.近所で起きた事件 ある日、近所のスーパーまで歩いて買い物に出掛けた時のことである。普段なら土曜日は人通りが少ないのだが、その日は

          海外でnoteの新規登録ができない理由

          ナミビアに新規隊員が2人やって来た。 可愛らしくて逞しいニューフェイスだ。 私もついに先輩である。 不思議な感覚だがこうやって後ろの世代へバトンが繋がっていくのだろう。日本の国際協力の最前線にいる事を改めて実感する。 聞けば2人は派遣に先立ってnoteを始めたという。文字で想いを伝えるのはとても難しい挑戦だと思うが、2人の文章のうまさには感嘆する。JICA海外協力隊に興味がある人はぜひ目を通してほしい良文である 当然ながらミーハーな私はすぐさま2人の影響を受けた。

          海外でnoteの新規登録ができない理由