卵子を排除できない私の愛についてーー川上未映子『ウィステリアと三人の女たち』
朝方、下腹部の痛みで目が醒めた。
昨晩から私の体を漂う、この予感には慣れているけれど、現存する感覚には全く慣れなくてうまく信じてあげることができなくて切ない。
恐る恐るトイレに行ってズボンを下げてみると予感は的中して感覚は真で、今月も無事、子宮の内壁がお務めをはたしましたよと語りかけてくる。
ハロー、月経、さようなら未受精卵たち。
今月はちょっと早いね、とか思いながら痛み止めを飲んで布団に倒れる。
眠気、気だるさ、下腹部の痛み、下半身にまとわりつく違和、各種不快感がそろい