『別れよ』、『うん』
この6文字で私たちの恋は終わりを告げた。

4年以上経った今でもあの人を忘れられない。

交際した期間はたったの2ヶ月間だったが、
とても楽しくて幸せだった。

デートした場所、夜に会って話した公園、放課後の帰り道、今でもそこに行くとあの人を思い出す。あの人が聴いていた音楽を聴くと懐かしい気持ちになる。歩き方や仕草があの人に似ていると思わずキュンとしてしまう。

私は小さい頃から蛙化現象がひどく、好きな人と仲良く喋ったりするだけで気持ち悪くなりすぐにその恋は終わる、それがいつもの私の恋愛だった。高校に入って恋は何回かしたけど、これが原因ですぐに冷めてしまう。

だが、振り返ってみるとあの人と付き合っていた頃はそんなことはなかった。途中で『蛙化克服したのかな？』と勘違いするほどあの人に惹かれていた。しかし、蛙化を克服したのではなくあの人だから気持ち悪くなかったと気付いたのは高校だった。

付き合っていた当時は、幸せで楽しい日々は過ぎていき毎日心が満たされていた。

冷めたわけではない。だが、私から別れを告げた。

あの時私が振っていなかったらどうなっていたか、いま考えたろころで答えが出るわけでもないのについ考えてしまう。

一つだけ言えるとするなら、本当に大好きだった。

『小中学校の恋は遊び、本気は高校から』と言う人もいるが、私の中学の恋は間違いなく本気だった。月日が経った今でもそう思う。

過去の恋愛は綺麗な思い出のまま残しておけばいい。この言葉を聞いた時、確かにそうだなと思った。
今は別れなければよかった、大好きだった、そう言っているがあの当時は辛くて別れた。実際にあの頃に戻ればまた同じように私から別れを告げているいるかもしれない。

何回忘れようとしたか、嫌いになろうとしたか、でも無理だった。

あの人の何がそんなに好きなのか、なんで蛙化にならないのか。

女たらしだった。私の前に何十人と付き合っていたし、なんなら私と別れて1ヶ月後には他校の彼女ができたいた。その子とも数ヶ月で別れてまた他校の新しい彼女ができ、付き合っては別れての繰り返しだった。何を考えているかもわからない、奴の何がそんなに好きなのか。

ダメダメな男を好きになってしまったり、周りの人からはあの人の何がいいのと聞かれるような人を好きになったり、自分でもよくわからないが好きになってしまう人も少なくないと思う。

多分追いかけたいのだろう。

いついなくなるかわからない、他の女のところへすぐに行ってしまいそう
そういう男ってどこか魅力的な人が多いと思う。

ただ私は、ダメダメな男がタイプなわけではなくあの人だから、あの人がろくでもない人だから好きなんだ。

そう、恋愛経験が多くてたらしで、すぐどこかに行ってしまいそうで何考えているかわからない、店員さんに礼儀がよく、その上かっこよくて腹筋が割れていて、低い声、細いのにがっしりとしている体格、、夜に会った時の眠たそうな表情、家庭の事情が複雑で話したがらない、あの人の全てが好きで愛おしくてたまらなかった。

友達の中にはあの人のことを『学校内で1番イケメン』と言う人もいたが可愛がられる弟のような存在だったため、モテてはいなかった。学校内で付き合ったのは私ともう1人の2人だけ。

そのもう1人の元カノの話を少しだけ。